準備はOK?(後編)
さあ、前回に引き続き、野菜炒めを作る体で解説していきますよ!
今回は少し長くなります!
野菜は切る前に洗いましょう。
野菜によって必要な下処理は変わってきますが、全てをここで網羅するのは長すぎます。詳細は教本やネットに譲りますね。
洗い終わると、あなたの手はびしょ濡れです。エプロンで拭くなんてことはせず、ふきんを用意しておきましょう。
手を拭く用、お皿を拭く用、テーブルを拭く用など、用途に応じて色や柄で分けておくと衛生面で良いです。ホームセンターなどでまとめて売られています。
いよいよ野菜を切りますよ!
野菜を切るためには、まな板と包丁が要りますね。
まずまな板。あなたのお宅のキッチンに合う大きさの物を選びましょう。ワンルームだとまな板を置くスペースがなかったりするので……。
それと、色々な食べ物を乗せるのでこまめに洗いましょう。生魚や生肉の前後は特に注意です。
次に包丁。これはホームセンターなどで売っている一般的な物(三徳包丁で画像検索してみてください)で十分です。
包丁には各食材に適した様々な種類があり、もちろんそれらを揃えるのも楽しいのですが、とりあえずは包丁の扱いに慣れましょう。費用もバカになりませんから。
子供用のおもちゃのような物を買うと、食材が上手く切れなくてイライラしてしまいます。反対に切れ味が良すぎても、慣れていない内は指をケガするのでオススメできません。包丁は刃物だということをお忘れなく。
一時的に置いておく場合は、刃を自分とは反対向きに向けておくと安全です。
衛生のため、まな板同様こまめに洗いましょう。
他には、皮を剥くためにピーラーがあると便利です。
たまに「ピーラーなんぞ無くても包丁で皮は剥ける!」とお怒りの自称シェフを見かけますが(私怨)、初心者にとっては包丁に比べて安全かつ早いので、使うことをオススメします。
モノによっては包丁で剥いた方が良い場合もありますが、単純に危ないです。
包丁でやるメリットはわざわざ持ち替えなくて良いことと、洗い物が増えないことでしょうか。包丁を扱う練習になるので、慣れてきたら挑戦してみましょう!
あ、いくら安全といっても、ピーラーにも刃はあるので注意してくださいね。
さて、それらの器具を洗うために洗剤とスポンジも要りますね。
油汚れがひどい場合は、先にキッチンペーパーなどで拭き取っておきましょう。
スポンジは使ったらそのままポイではなく、しっかりとすすがなければいけません。食べ物のカスなどが付いていればそこから雑菌が発生し、次回の洗い物にそれを擦り付けることになりますから。
先に名前を出してしまいましたが、キッチンペーパーも必須です。
多すぎる油や汁を吸わせるなど、厚手ならではの活躍をしてくれます。食器を拭くのに使う方もいますね。トイレットペーパーではボロボロになってしまうので、ちゃんと買いましょう。
野菜を切ればヘタや皮などの捨てる部分が発生します。三角コーナーを用意しておきましょう。
放置しておくと虫たちの餌場になるので、できれば毎日変えましょうね……。百均なんかでもネットが売ってますよ。
それでは野菜を炒めます。メイン工程です!
使うのはフライパン。鉄製の物やスキレットは手入れなどが大変なので、初めはテフロン加工の一般的な物を用意しましょう。大は小を兼ねるので、26cm程度のやつを買うと良いです。ただし買う前に実際に持ってみて、重たいと感じるのならもう少し小さいサイズでも構いません。せっかくの料理を床に食わせてしまうだなんて避けたいですもんね。
ここで注意ですが、IHのご家庭は買う前にIH対応かどうかをちゃんと確認しておきましょう。また、持ち手の部分まで金属の物は持ち手まで熱くなるので、ふきんも要ります。
野菜炒めでは使いませんが、鍋もあると便利です。
フライパンは深さがなく広いので、茹でる工程にはあまり向きません。向かないといってもちょっと気になる程度なので、一人暮らしの場合は全部フライパンでこなしてしまっても良いでしょう。30cm弱の物がいくつもあると場所をとります。
こちらも今回は使いませんが、料理の際にお湯が要ることも多いです。
フライパンに水を張って……でも良いのですが、電気ケトルがあると早くて助かります。もちろん必須ではありません。持っている方は使いましょう。
そして
揚げ物など、手が近いと火傷しそうになる場合に重宝します。ヒモなしタイプもあるのでヒモが邪魔な場合はそちらを買いましょう。
と、言いつつも私は全部割り箸でやっちゃってます……すみません。個人的な感覚としては、菜箸は『あると便利』程度です。割り箸は使い捨てちゃうので、普段使わない方やエコが気になる方は菜箸を選びましょう。
割り箸を洗って何度も使うのはエコではなく不潔です。それなら菜箸の方が万倍良いですよ。割り箸の材質的に色々染み込んでますからね……。
炒めるのなら油が必要ですね!
調理器具というよりは食材かもですが、ここで紹介しておきます。
料理に使う油にも様々ありますね。オリーブオイル、ゴマ油、バター(マーガリン)などは油自体に香りがあるので、使う食材や料理によっては風味が邪魔になったりクドくなってしまうので気をつけましょう。
野菜炒めなのでバターやゴマ油でも美味しそうですが、今回はサラダ油を使いましょうね。冒険は基礎を知ってからです。
サラダ油は香りや風味が出ないように処理されているので、一番使いやすい油だと思います。菜種油(キャノーラ油)もサラダ油の一種です。
揚げ物はかなり油を使います。食材まで買ってきたのに油が足りない……なんてことがないように残量に注意です。完全になくなる前に買い足しを!
必要な調味料も用意しておきましょう。これまた膨大な種類があるので、必要に応じて買い足していくのが良いかと。
塩、塩コショウ、醤油あたりは便利です。ひとまず買っても困りません。
さあ着火です。
よくある間違いなのですが、ガスコンロにおいてつまみを最大にひねっている状態が強火ではありません。火を見ながらゆっくりつまみを回してみると、ある程度まで火の大きさが変わらないことが分かると思います。
強火は『鍋の底全体に火が当たる程度』です。ガスがもったいないですから、常にフルオープンはやめましょう。
炒め物は強火でガガーっと! みたいなイメージがありますが、アレは中華料理屋などのプロのキッチン特有の超火力だからこそなせる技であって、一般家庭のコンロでやるともれなくベチャベチャ野菜炒めコースです。
野菜炒めは弱火で良いです。高温で炒めると表面が焦げつき、組織が壊れて水分やうま味は外へサヨウナラ。シャキシャキ感も消えてしまい、良いことは時間がかからない程度しかありません。
弱火は『火の先が鍋底から火の元のちょうど中間ぐらい』です。思っているよりも弱めですよ。
フライパンをガシャガシャとせわしなく揺する必要もありません。あれも中華料理だからこそのテクニックで、一般家庭でやっても温度が下がって逆効果です。
均一に火を通すために数分に一度上下を返すぐらいは要りますが、基本は放置で良いでしょう。
じゃあ強火は何のために? という感じですが、最後の仕上げとして数十秒強火で炒めると少し香ばしくなり、アツアツになるのでオススメです。適材適所です。
完成のタイミングは明確にこうだ! とは言えません。一番正確なのは味見でしょうか。味付けをする際にも味見は大切ですよ! 詳しくはまたの機会に。
あのフライパンを振って返すカッコいい技ですが、私は調味料をまんべんなく行き渡らせる時ぐらいにしか使いません(あとは目玉焼きの両面焼きとか?)。
コツとしてはひっくり返すというよりも、食材をフライパンのフチに沿って上へと滑らせる感じです。重心は腰で、返す前にフライパンを揺すって食材をまとめておくと楽です。できると楽しいですよー。要練習です。
ちなみに中火は『鍋底に火の先が当たる程度』です。
火は殺菌、加熱と料理には切っても切り離せないものですが、ひとたび扱いを間違えれば火事の元です。用心ですよ。
さあ、ついに野菜炒めの完成です! お皿に盛り付けましょう。
ただ、フライパンはそのまま放置ではなく、軽く水で流しておくと後で洗う時に楽です。料理が冷めちゃうので、ガッツリ洗うまではしなくても良いですよ。
どうせ後でお皿も洗うので、その時にやっちゃいましょう。
お皿が紙皿だなんてもったいないです!
食器も立派な調理器具。百均でも良いので用意しておきましょう。料理の見た目は味と同じぐらい大切です。
盛り付けについては長くなるので割愛します。汁のある料理に平皿が適さないのは明確なように、機能も大事です。
……と、約3600文字の工程を経てようやく野菜炒めの完成です。お疲れさまでした。
長いですか? 確かにそうかもしれませんが、今回前後編に渡ってご紹介した内容は他の料理にも活かせるものばかり。フライパンは使い捨てじゃないですからね。
実際の調理時間は10~15分にも達しません。それもそのほとんどがフライパンの中の野菜を見守る時間。15分で自分の好きな物が食べられるなら安くないでしょうか。
何より経験です! とりあえずやってみましょう。
100mを走らずにフォームだなんだの話をしていても、記録は伸びないどころか存在しませんからね。自炊はあなたが作らないと料理ができないんです。
さて、本当はおまけの『ご飯のお供(は~ん)』を入れるつもりでしたが長すぎるので今回はこの辺で。
次回は調理方法についてです!
ではでは……の前に、食べ終わったらお皿を洗いましょうね。
溜めれば溜めるほどめんどくさいです。習慣づけてやっつけちゃいましょう。晩御飯の後ならついでに三角コーナーも片づけておきましょうね。
それでは今度こそ! 本当にお疲れさまでした!
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