隣人愛②
その後、マスティマの手助けを得て、ルシフェルはどうにかこうにかゲームを開始するところまでこぎつけた。
結局どこをどうすればいいのか分からなかったので、ルシフェルが正直に言うと、
「へえ、天使長もゲームなんてするんですね。いや、全然悪いなんてこたないですけども、なんて言うか、意外と言うか……」
私だって好きでするわけじゃない。立場上、仕方なくだ、と言っても、マスティマはいつまでも誤解したままのようだったが。
なにはともあれ、とにかくゲーム開始までこぎつけた。
画面には「
あなたの操作するキャラクターを決定します。この世界には四つの種族が存在しています。これは、ゲーム中に変更することができません。あなたの好みに合った種族を選択してください
丁寧な操作説明に従って、ルシフェルは自分の操作キャラクターを作っていった。
キャラクターデザインの豊富さは、このゲームの売りのひとつであり、元となる素体に様々なアクセサリーやステータスを加味していくことで、自分の好みのキャラクターを創りだすことができる。
その組み合わせは計算上数十億通りにもなり、ゲーム中に全く同じ姿をした他のキャラクターと出会うことはないとすらいう。
ルシフェルが選んだのは、天使族。羽根の生えたビジュアルで、回復術や遠距離魔法が得意な種族であった。まあ、ルシフェルにしてみればそんな内部的なステータスには全く興味が無く、天使であれば他の種族などたやすく駆逐できるだろうと思ったからだ。
ルシフェルときたら、変なところで凝り性なものだから、そのキャラクターの顔や、服装までできるだけ自分と同じように設定した。細かいところまで似せようと色々設定したものだから、この部分だけで相当な時間がかかってしまった。しかし、それだけあってなかなかに自分そっくりなものができたように思う。
ところが名前を入力しようとしたときに、慣れないキーボードを使ってなんとか「
そう言えば、神様もそんなことを言っていたな、と思い出す。仕方なく、候補に出てきた「
さあ、ここからが本番だ。
ようやく、ゲームの舞台に立った。
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