第9話 新キャラ
俺は、半年という短い時間で自分探しする決意をした。
妹との生活もこれで、終わるのかもな。
今は、8月の初旬。あと半年って事は、来年の2月までが俺の自分探しの期間って事か。大変というか、短いな。
そんな事を、一人ベットに突っ伏して考えていた。
*
私は、ずーっと一人だった。
「おじいちゃん、なんで起きないの」
おじいちゃんが死んでからは、もっと一人になった。
今でも思い出す。
―――「君は、天才なんだ。××様の意思を継いだね」
そんな言葉はほしくない。私がほしいのは、普通だ。
「本当にそんな事をしたら、人体実験と一緒になるぞ、××」
「わかってる。だから、私と神庭がやるの」
「この候補リストは、なんなんだ?じゃあ」
神庭の質問に当然のように答える。
「私の世界の、人間になる人たち」
神庭は、その言葉に笑った。
「こいつらがか?バカだろお前」
「バカか、初めて言われた」
私と神庭の作った。平等で、平和で、解放された世界。
今の現代は、おかしい。だから、リセットされた世界にした。戦後のやっと平和になって、すこしずつネットが活用されるような、喧嘩のない正しい世界に。
「お前は、ホント、哀しい存在だな」
神庭の口癖だ。
私の望む世界は、花園のような平和で綺麗な世界だから。
そういつも、心の中で言い返す。
「これが、新たな候補だ」
「小野原學?歳は私の一つ上で、妹がほしいか、つまんないね」
「そうか?俺は、好きだぞ。なんか在り来たりな願いを持った平凡な奴なのに、こいつの瞳は信用できる」
小野原學か、あれ?確か――――――『じゃあ、俺たちだけの世界を作ってよ』
誰?――――――――――――――――――
*
俺は、翌日、学校に向かっている最中に佐上に遭遇した。
「あ!先輩元気してました?」
「元気というか、昨日あっただろ」
「そうでしたっけ?はは」
俺と佐上は、学校に二人で向かった。
「先輩って、夏休み暇ですか?」
「ああ、生徒会の仕事なければな」
「じゃあ、一緒にどっか出かけましょ」
「嫌だ」
佐上のドン引きというか衝撃を受けた顔は、すごく可笑しかった。
でも、嫌だ。
「こんなに可愛い後輩が、プライドを捨てて言ってるのに断るとか、死んでほしいの極みですね」
なんだ?死んでほしいの極みって、聞いたことない日本語だな?
で、こいつは、さらっと自分大好き発言をしたが、流すか。、
「まあ、他の奴ら誘っていいなら構わないけど、それに確か夏休み開けが文化祭だろ?難しくないか?」
「そうですね。まあ、いいですけど」
俺と佐上が、校門に辿りついた時の事だった。
「お、小野原くん?」
誰かの声がした。聞いた事ない女性の声だ。
「誰?」
と、声のした方を向くと、可愛らしい女の子がいた。
「先輩、まだ女いたんですか?」
「俺を、ヤリチン扱いするな」
「じゃあ、誰なんですか?ヤリ捨てした女の一人じゃないんですか?」
まさか、本当のこの世界の俺がヤリ捨てした子とかじゃないよな?
「あの、覚えてないかな?小学校の時、同じクラスだった。
―――――――だ、誰???
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