第9話 新キャラ

俺は、半年という短い時間で自分探しする決意をした。

妹との生活もこれで、終わるのかもな。


今は、8月の初旬。あと半年って事は、来年の2月までが俺の自分探しの期間って事か。大変というか、短いな。

そんな事を、一人ベットに突っ伏して考えていた。





私は、ずーっと一人だった。

「おじいちゃん、なんで起きないの」

おじいちゃんが死んでからは、もっと一人になった。


今でも思い出す。

―――「君は、天才なんだ。××様の意思を継いだね」

そんな言葉はほしくない。私がほしいのは、普通だ。


「本当にそんな事をしたら、人体実験と一緒になるぞ、××」

「わかってる。だから、私と神庭がやるの」

「この候補リストは、なんなんだ?じゃあ」

神庭の質問に当然のように答える。


「私の世界の、人間になる人たち」


神庭は、その言葉に笑った。

「こいつらがか?バカだろお前」

「バカか、初めて言われた」


私と神庭の作った。平等で、平和で、解放された世界。

今の現代は、おかしい。だから、リセットされた世界にした。戦後のやっと平和になって、すこしずつネットが活用されるような、喧嘩のない正しい世界に。


「お前は、ホント、哀しい存在だな」


神庭の口癖だ。

私の望む世界は、花園のような平和で綺麗な世界だから。

そういつも、心の中で言い返す。


「これが、新たな候補だ」

「小野原學?歳は私の一つ上で、妹がほしいか、つまんないね」

「そうか?俺は、好きだぞ。なんか在り来たりな願いを持った平凡な奴なのに、こいつの瞳は信用できる」


小野原學か、あれ?確か――――――『じゃあ、俺たちだけの世界を作ってよ』


誰?――――――――――――――――――





俺は、翌日、学校に向かっている最中に佐上に遭遇した。

「あ!先輩元気してました?」

「元気というか、昨日あっただろ」

「そうでしたっけ?はは」


俺と佐上は、学校に二人で向かった。


「先輩って、夏休み暇ですか?」

「ああ、生徒会の仕事なければな」

「じゃあ、一緒にどっか出かけましょ」

「嫌だ」


佐上のドン引きというか衝撃を受けた顔は、すごく可笑しかった。

でも、嫌だ。


「こんなに可愛い後輩が、プライドを捨てて言ってるのに断るとか、死んでほしいの極みですね」


なんだ?死んでほしいの極みって、聞いたことない日本語だな?

で、こいつは、さらっと自分大好き発言をしたが、流すか。、


「まあ、他の奴ら誘っていいなら構わないけど、それに確か夏休み開けが文化祭だろ?難しくないか?」

「そうですね。まあ、いいですけど」


俺と佐上が、校門に辿りついた時の事だった。


「お、小野原くん?」


誰かの声がした。聞いた事ない女性の声だ。

「誰?」

と、声のした方を向くと、可愛らしい女の子がいた。

「先輩、まだ女いたんですか?」

「俺を、ヤリチン扱いするな」

「じゃあ、誰なんですか?ヤリ捨てした女の一人じゃないんですか?」


まさか、本当のこの世界の俺がヤリ捨てした子とかじゃないよな?


「あの、覚えてないかな?小学校の時、同じクラスだった。堀葉月ほりはずき


―――――――だ、誰???

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