第5話 問題児
放課後の事だった。
あの後、会長が佐上さんに放課後生徒会室に来るように言った。
だが、今、来ていない。
「あの女ーーー」
会長がマジの怒り顔で言った。
これ、ヤバいよな。確かに、急に生徒会室に来て一緒に仕事しろって言われたら、困るけど、普通来るよな?
「俺、ちょっと探してきます」
俺はついそんな事を言って生徒会室を出て、玄関まで行った。
「いない」
それから1時間しても来なかった。
俺は結局探しても見つからないため帰る事にした。
帰り道の事だった。
「ねぇー今日こそえっちしよ」
「嫌だって何回言ったらわかるの?」
「キスならいいのに、なんでえっちはダメなの?」
公共の場でそんな卑猥な話をしてる男女がいた。
チラ見すると、女子の方がなんとーー佐上さん!
「じゃあ、キスしよ」
「ならいいよ」
えっちをしたいのが男子の方で断ってるのが佐上さんだった。
やっぱビッチなんだよな。
2人はえっちなキスを交わし始めた。ダメだこりゃあ。
俺はつい見ていたら、キスしてる最中の佐上さんと目が合った。
やばい!
「小野原先輩でしたっけ?」
佐上さんはそう急に叫んだ。
俺はぴくっとして、佐上さんの方を向いた。
「えっと」
「どうしたんですか?」
佐上さんは堂々と彼氏らしき人物の前で俺と話した。
「帰りですけど?なにか?」
「あ!生徒会のやつだったら!ごめんなさい!」
佐上さんは俺の耳に顔を近づけてきて、こう呟いた、
「あの男子がちょっかい出してきたんで、止めようと」
俺は、それだけの事で怯んだ。
女子が、耳元で呟くと漏れる息がえろいな、やばいかも。
「なーんて!サボっただけですけどね!簡単ですね!先輩」
先輩?!というか!サボっただけかい!
本当に、こいつは問題児じゃねぇか!俺には、立ち向かえないわ!
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