第10話 開戦前準備
アメビー、プレーリー特製の建物にみんなで入る。そこの玄関は参加者のフレンズがまとめて入れるほどの大きさ。だが、そこから見える真正面には玄関よりも更に広い出口がある。そこの右には階段があり、左右には十一ほどの扉が並んでいる。
「ここはお前らの楽屋となる建物なのです」
「まあ楽屋といっても少しのスペースと二人分のベッドがあるだけですけどね」
ミミちゃんが付け加える。
「それぞれの部屋に一ペアずつってこと?」
プリンセスが質問する。
「ええ、その通りです。ちなみに上の階にはさらに十二個部屋があります」
「好きに使ってください」
「ええ!!?じゃ、じゃあぷ、プリンセスさんと同じ部屋で、い、いられるのですか!!!?わ、私戦うまでもなく気絶しちゃいそうです…」
「じゃあさっそく一回戦目を開始します。アメビーとプレーリー、ライオンとオカピは、あの扉をくぐって準備を始めてください」
コノハはマーゲイの発狂を鮮やかにスルーし、四人に声をかける。
「じゃあちょっと準備するんでしばらく待ってほしいっす」
と、言い置きアメビーとプレーリーは、楽屋の外に出て行った。
「わたしらは特に準備はないから一足先に会場にいってようか」
「そうだね。行こうかライオン」
ライオンとオカピが奥の扉を開けて出ていく。
「私たちも行きましょ」
トキがオカピたちと同じ扉に入ろうとする。
「待てなのです」
が、コノハに呼び止められる。
「そこは戦うものしか入っちゃダメなのです」
「じゃあ観戦はできないの…?」
ハシビロコウが不安げに聞く。
「観戦したいってなら問題ないのです」
「ついてくるのです」
コノハとミミちゃんが階段を上がっていく。ほかのみんなもそれに従ってついていく。二階も一階と同じような作りで左右に十二個の扉が並んでいる。そして一階では試合会場に繋がっていた扉がある場所には同じように大きな扉がある。
「博士、この扉は?」
「開けてみるといいのです」
そういわれ、コノハに訊ねた張本人であるラビラビが開ける。
その先にはステージを大きな足場がある。それはぐるりとステージを囲み、そこから下を見るときれいにステージを一望できる。
「ここは特設の観戦用ステージなのです。試合の待ち時間はここで観戦をするか、それぞれの楽屋で休むかができるのです」
「ほう、博士にしては気が利くじゃないか」
ツチノコが感心したようにつぶやく。
「あ、この観戦ステージを作ろうと提案したのはアメビーです」
「助手!それを言うななのです!!」
コノハの好感度上げ上げ作戦はあっさり失敗に終わった。
「おーここからしっかり大将が見えるぜ!」
オーロックスが手すりに身を乗り出して下に向かって手を振る。
「お、オーロックス!」
と、気付いたライオンが手を振りかえす。
そしてちょうどそのとき、扉からアメビーとプレーリーが顔を出した。
「お、来た来た…って、なんだそりゃ」
ライオンが眉を顰める。アメビーとプレーリーは木材やらロープやらを山のように抱えてやってきていた。
「あ、これはオレっちたちの戦術に使う道具っすよ。道具の使用とかは自由らしいのでたくさん持ってきちゃったっす」
「おお、本気だねえ」
オカピが感心したようにつぶやく。
「ふん、ずいぶん勝ちに来てるじゃない。自信ありって感じ?」
「自身は相変わらず無いっすよ。でも、皆さんの対策は確り練ってきたっすから、頑張るっすよ」
「はい!わたしも頑張って特訓したのであります!頑張って勝ってみせるでありますよ!」
「お、気合入ってるねえ」
「私には部下たちが待ってるんだ。絶対に負ける気は無いし本気で行くから覚悟しなよ!!」
アメビー・プレーリーとライオン・オカピがそれぞれ闘志をぶつける。
「さて、早速第一回戦始めます。両者ともいい勝負を期待していますよ」
「さあ、開戦なのです!!」
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