第8話 けものトーナメントバトル 開催
「おいお前達!」
ツチノコとスナネコがいつもの様に特訓をしていたところに、そんな声が降ってきた。
「お、博士か。なんか用か?」
「もうけものトーナメントが始まるのですよ」
「え、もう二週間経ってたんですか?」
コノハの言葉に意外な声を挙げたスナネコ。
「特訓にせいを出すのはいいですが、時間を忘れるのは感心できないです。もう他のみんなは集まっているのでさっさと来るのです」
「お、おう。了解」
「わかりました」
頭上を飛ぶコノハを走って追いかけるツチノコとスナネコ。
「時にお前達、特訓をしていた成果はどうですか?」
「それはもうバッチリです」
「ああ、いい感じの仕上がりだぜ。オレが言うのもなんだが、今のスナネコは最強クラスだ」
「ほーう?そう言いつつも一回戦敗退とかしないでくださいよ?」
「大丈夫だ。オレらは最強だからな」
一方、としょかんではツチノコ、スナネコ以外の参加者が全員集まり、ミミちゃんの話をみんなで聞いていた。
「さて、博士がツチノコ達を呼びに行ってる間に、一回戦・第一試合の組み合わせを発表します」
「わあ!楽しみだねジャガー!!」
「う、うん。カワウソって意外と好戦的なんだね」
やたらと張り切ってるカワウソにジャガーがたじろぐ。
「ハイハイ静粛になのです。えー、一戦目はビーバー・プレーリー対ライオン・オカピです」
「ええ!?いきなりライオンさんとっすか!?」
予想外の組み合わせに思わず大声をあげてしまうアメビー。
「大丈夫でありますよ!我々もたくさん修行したであります。きっとライオンどのにも負けないであります」
「誰と当たっても良いようにみなさんの対策は練ってきたっすけど、やっぱ不安っすねえ…」
「言っておくけど、本気で行かせてもらうよ。部下が待ってるんだ。初戦で負けるわけにはいかない」
ライオンがそんな二人に向けてそう宣言する。
「私もライオンが勝てるように精一杯補助させてもらうよ」
オカピも気合を入れる。
「これは初戦からかなり厳しい戦いになるっすよ…。プレーリーさん頑張りましょう」
「そうでありますな!」
「では第二戦です。ここはオーロックス・ツキノワグマ対ショウジョウトキ・アミメキリンです」
「おお!出番が早いですね!キリンさん!修行の成果を見せつけるトキですよ!!」
「ええ!大将がどうだろうと関係無い!この試合勝つのはズバリ、私たちです!!」
「ほう?言ってくれるじゃねえかショウジョウトキにキリンよ。大将の前にお前らを捻ってやるよ」
オーロックスが二人の言いっぷりに関心する。
「私たちは君たちを乗り越えて絶対大将と戦ってみせるよ」
ツキノワグマも気合を入れ直す。
「オレっちたちナチュラルに負けることになってるっすね」
「全く失敬でありますね!」
「あ、それはすまねえ」
「じゃあ次です。えっと、次はラビラビ・ルル対フォッサ・キングコブラです」
「お、ぼく達だね!」
「ああ、絶対勝ってみせるよ。にしても、相手は中々猛者だね」
「誰が相手だろうと、私たちは負けん」
「ああ、あれから修行を積んだのは私たちも一緒さ。ルルとラビラビには悪いけど、一回戦敗退してもらうね」
「いや、一回戦敗退はそっちがするものさ」
「ふん。このキングコブラに向かって面白いこと言ってくれるじゃないか。楽しみにしてるよ」
「えーっと、なんだか険悪なムード?」
「挑発の応酬ってやつさ。さてルル、あの二人は強いぞ。気合入れて行こうな」
「うん!!ぼく、頑張るよ!」
「うん、その意気だ」
ルルの気合の入った言葉にラビラビは満足気に頷く。
「それに大将、もしくはオーロックス達との戦いが待ってるんだ。こんなとこで負けてたまるか」
「じゃ、次の試合です。次はヘラジカ・ミナミコアリクイ対マレーバク・インドゾウです」
「ほう、ついに私の出番か!マレーバクもインドゾウも相手にとって不足のない相手だ。アリクイ、お前の力を見せつけてやるときだぞ」
「う、うん…。頑張るけどヘラジカさんが一番の実力者なんだから頼らせてくださいよー」
ヘラジカの鼓舞にアリクイはまだ不安そうだ。
「大丈夫!私たちならやれる!共に二人を下そう!」
「ヘラジカ、気合十分ね」
「苦しい戦いになりそうだけど、わたしたちのベストを尽くしましょうね〜。ヘラジカ・アリクイにもフォッサ・キングコブラにも、ルルラビにも絶対勝つよ〜」
「うん。その意気で頑張るわ」
マレーバクとインドゾウは目標を高く持ち、自分たちを鼓舞しているようだ。
「その意気だぞ二人とも。我々を超えて見せろ!」
「なんで相手にエール送ってるの!」
ヘラジカのどこまでも武人的な考え方にたまらずアリクイがツッコミ。
「ハイハイ。さっさと次行きますよ。次は、タスマニアデビル・エリマキトカゲ対トキ・アルパカです」
「ついに俺たちの出番だなエリマキトカゲ!絶対優勝するぞ!」
「ああ、私たちの威嚇にビビらない奴なんていないさ。どんどんビビらせて私たちのペースに持ち込むぞ!」
「なんかエリマキトカゲの様子が変わってるわ」
「修行で力を付けたからビビりを克服して自信がついたんじゃない?」
キャラが少し変わったエリマキトカゲを見て若干たじろぐ二人。
「でもびっくりだよお。トキがあんなに体術が出来るなんて」
「うふふ、誰が相手だろうとまず負けるなんてありえないわ。この体術があればね」
トキ自身も若干キャラが変わってたりしたり。
「タスマニアデビルもエリマキトカゲも、覚悟しておくことね」
「おまえらこそ!腰抜かしても知らねーぞ!」
「そういう応酬は試合前にするのです。次、カメレオン・カピバラ対クジャク・ハシビロコウです」
「ハシビロコウ殿とでござるか…」
「今回は敵同士だね…。遠慮せず戦いに来てね」
「不安で仕方ないでござるが、カビバラ殿との修行の成果、見せてやるでござる!」
「うん。私も負けないから」
「ヘラジカ軍のお二人さんはいいライバルみたいねねね」
「私たちは少しでもいい勝負に出来るよう、サポートに徹するのがいいんでしょうか」
「いやいや、わたしも精一杯戦うよよよ。だからクジャクさんも全力で来てねねね」
「そうですか。ならば本気で向かい討ちます」
「お前達、そういうのは試合前にやるものだと…。まあいいでしょう。次、オオカミ・アリツカゲラ対マーゲイ・プリンセスです」
「なるほどね。アイドルだからって手は抜かないよ」
指名されたオオカミがプリンセスに挑発を送る。
「そっちこそ、甘く見てもらわれる困るわ。私を潰しに来るつもりで来なさい。カンペキに返り討ちにしてみせるわ!」
「ふん。面白いこと言ってくれるじゃないか。ペンギンの底力見せてもらうぞ」
「プリンセスさんには、指一本触れさせないわよ!」
「だったらそれを全力で阻止して見せましょう。私たちが勝ちますよ。オオカミさん!」
「私にはPPPのみんなが待ってるの!みんなと戦うため、こんなとこで負けてられないわ」
バチバチと闘志をぶつけ合う両陣
「…なんだか皆力をつけて好戦的になってるみたいなのです」
ミミちゃんが呆れたようにつぶやく。と、そこに
「助手、待たせたのです。ツチノコとスナネコを連れてきたですよ」
ツチノコ達を引き連れたコノハが帰ってきた。
「おかえりなさいなのです、博士」
「助手、ご苦労なのです。対戦組み合わせの発表はどこまで進みましたか?」
「オオカミ・アリツカゲラとマーゲイ・プリンセスまでです」
「了解なのです。ここからは私が発表するので助手は下がっていいのです」
「分かりました」
ミミちゃんはそう言ってツチノコ達の元へ行った。
「おまえたち、集合に遅れるとはどういう了見ですか」
「あーもう道中博士に散々言われたんだからこれ以上言うな」
ツチノコがやかましそうにフードの上から耳を塞ぐ。
「悪かったですから、助手はさっさと休んでは?」
「そうしますけど、なんだか癪に障る言い方なのです」
言いつつミミちゃんは素直に下がっていった。
「さて、長くなってきたので分割です。次の組み合わせ発表をお楽しみに」
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