第4話 レストア企画 #4 事件の真相

視聴回数842回・2カ月前 チャンネル登録426

 

 みなさーん。お久しぶりです。えー今回はですねーあの事件がどうなったか皆さんにご報告したいと思います。で、どんな事件だったかと言いますと……リンクを貼っておきましたのでわからない方はそちらの方を見て確認してください。だって編集が面倒臭かったんだもん。

 では話を続けます。で、あれから私、警察を呼んだわけですよ。そしたらまあわらわらわらわらと何十人も警察官やら刑事さんやら鑑識の方々が家にやってきたんです。そうしたら私はすぐにパトカーに乗せられてそのまま警察署に連れていかれてしまいました。その時、部屋の物は一切持ち出しが禁止されたので無一文の状態です。懐が心細いまま警察署に着くと三階の個室に通されました。そこで机を挟んで警察官と向かい合わせに座らされると事情聴取が始まったのです。あ、あと警察官はもう一人いて、私の後ろに控えていました。なんか後ろからじっと見られているかと思うと緊張しますよね。で、まずは名前、生年月日、住所など私の個人情報を聞かれました。もちろん正直に答えていきます。そしてマイナンバー。自分のマイナンバーなんて暗記している人います? そんな人まずいないでしょ。だからそこのところも正直に「覚えていません」と答えましたよ。それからあのアンドロイド、じゃなかったサイボーグ?を手に入れた経緯を聞かれたのでそれに答えていきます。それで一通り聴取が終わり、私の方としましてはもう話すことが無くなったのでこれで家に帰してもらえるのかと思ったら、鑑識の作業が終わるまでは無理だと言われ、結局警察署で一夜を過ごすことになったのです。食事は宅配の弁当が出されたのでそれをいただきました。そして寝ることになったのですが、皆さん、私どこで寝たと思います? なんと留置所ですよ。留置所! 警察の方が言うには「布団があるのはそこだけだから」ですって。私、警察のお世話になった事なんて今まで一度もありませんから、「そういうものなんだな」と言う通りに従ったんですが、もしかしてあの時警察は私の事を犯人だと疑っていたのかもしれません。だって留置所の部屋に入ったときちゃっかり鍵を掛けられましたから。そうそうそう、留置所の部屋ってトイレと布団が一式あるだけであとはなーんにもないんですよ。だからやることないので私、すぐ寝ちゃいました。で、翌朝、七時に朝食の弁当をいただいて留置所内で暇を持て余していると十一時ころかな?警察官がやってきて「もう帰っていい」と言うからパトカーで家まで送ってもらいました。その車内で警察官にサイボーグの事を教えてもらったんです。結論から言いますと事件性はないということでした。だから話してくれたんだと思いますが、あの私が廃材屋から買った物は確かに「アンドロイドではなくサイボーグだ」とのことです。ですがあの腐っていた脳は人間の物ではなかったそうです。私、それを聞いて開いた口がふさがりませんでした。じゃあ、なんの脳かと言いますと犬の脳なんだそうです。あれの前のオーナーってどうかしてるんじゃないのかと思ったら、そもそも私の買ったサイボーグは本来、犬の姿をしていたそうなんです。みなさん、思い出してください。私が買った怪獣を。あれにはSAシリーズの骨格が使われていましたよね。それに怪獣の肉付けをしていたわけですが、その形に合わせるために両腕と両足の膝から下が怪獣の骨格に合わせて改造されていました。で、あのサイボーグも実は同じだったというわけです。つまり、SAシリーズの骨格を使ってそれを犬の姿にさせていたという事です。それで両腕や下半身のパーツがなかったわけですね。どうやら犬型の骨格部分は強化樹脂で作られていたそうで私が買った廃材屋とは別の専門業者が先に持って行ったんだそうです。それならそうとあの廃材屋のお兄さんも私が買うとき言ってくれたらいいじゃないですか。ですが、警察官曰くその廃材屋のお兄さんもあれに犬の脳が入っていたなんて知らなかったそうです。後で文句の一つでも言ってやろうかとも思ったのですが、結局私、あれを一万で買ってるんですよね。電脳が使えないとはいえ金額的には相応でぼったくられたわけでもないので文句を言うのはやっぱり止めておきます。それではなぜ犬の脳が入っていたかと言う疑問がまだ残っていますが、それを解決するには前オーナーが何者なのか突き止めなければなりません。そこはさすが警察、すぐに見つけたそうです。と言うのも骨格のパーソナルナンバーから前オーナーが分かるからです。もちろんパーソナルナンバーが刻印されていたのは私も見ています。ですが個人情報なのでそれから辿っていくのは一般人である私には不可能だったんですよ。で、その方はとっくに亡くなっておりましたがお孫さんから話を聞くことが出来たそうです。それによると事故に遭い、一命はとりとめたものの体を動かすことが出来なくなった愛犬を不憫に思った飼い主である前オーナーはサイボーグにして再び歩けるようにしようと考えました。ですが人をサイボーグにする筐体はありますが、犬用の物なんてありません。そこで飼い主はSAシリーズを使うことにしたんだそうです。アンドロイドとサイボーグは電脳か生体脳かの違いだけで他の部分はどちらにも使用できますからね。それに人間の脳を機械の体に移し替える技術は犬にも当然応用できるわけです。ですがそんな事素人にできるはずもないのでちゃんと合法的な手続きが踏まれ、脳移植の施術が執り行われたそうです。結果、前オーナーは愛犬と再び駆け回る事が出来たわけですが、身体が機械とはいえ脳は生身の犬。それはつまり死が必ず訪れるという事を意味します。犬は人間より短命ですから結局、サイボーグ化しても五年後には愛犬は亡くなってしまいます。ですがそこまでした前オーナーですから動かなくなった愛犬を手放す事が出来ず自分が死ぬまで傍に置いていたそうです。それが今から二十年前で、以降、愛犬の亡骸?は倉庫で眠っていたのですが去年お孫さんが倉庫を整理した際、亡骸を手放すのを決意。まあ、動かないものをいつまでも持っていたってしょうがないですからね。それで廃棄処分した結果、巡り巡ってあの廃材屋に辿り着いたという訳です。めでたしめでたし。パチパチパチパチパチー。

 という訳で、事件が解決して問題がなくなったのでレストア企画は続行します!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る