第5話 レストア企画 #5 自作するぞ!

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 どーもーKWチャンネルのカワグチです。このレストア企画も五回目を迎えましたが、アンドロイドを完成させるためにはまだまだ道程が長いです。結局、使う予定だった電脳が駄目になったので他に見つけるしかないのですが、これがまたいいのがないんですよ。もちろん金を出せばあるんですよ。金を出せば……。でも貧乏な私には出せるお金なんて微々たるもの。そこで無いなら電脳を自作しちゃおうってことにしました。肝心なのは電算処理能力とメモリー容量のこの二つ! この条件を満たし、なおかつ安く仕上げるには発想の転換が必要です。容量の多いメモリーは高額ですし、少なければたくさん必要になってくるので頭の中に収める事が出来ません。そこでいっそのこと足りないメモリーを外部記憶にしてブルートゥースでアクセスできるようにします。次に電算処理能力ですがアンドロイド用のハイスペックCPUももちろん高価で買えません。しかし人は一人より二人、さらには三人と増えていけば一度にできることも多くなります。つまりロースペックのCPUだって複数で並列処理をすればハイスペックCPUに勝るとも劣らない性能を発揮するんじゃないかと私は考えるわけです。そこで計算してみたところ自動車に使われているAIのCPUを七つ使えばアンドロイド用にも十分匹敵するという結論が出ました。じゃあ、そのCPUをどうやってかき集めるのか。心当たりがあるのでこれからそこに行ってみたいと思います!

 

 はーい、皆さんこんにちはー。私は今、廃材屋に来ています。皆さんにはこれがただの鉄くずに見えるかもしれませんね。私も以前はそうでした。

 しかし! 

 今は違います。これはみんな宝の山です。見てください、あの山済みされたスクラップ車たちを。あの中に私の求めるCPUが入っているのです。で、そのCPUをいただくべく交渉した結果、一か月こちらでアルバイトする引き換えにOKをもらいました。あのお兄さん、意外と優しい人かもしれませんね。ちゃんとバイト代も出してくれるそうです。貧乏な私にはありがたいことです。

 

 こうして私は大学の講義が終わると毎日廃材屋に通いました。仕事は事務所の掃除から廃材の仕訳と多岐にわたります。そして空いた時間で車からCPUを抜きとっていったのでした。

 

 というわけで私は今大学の研究室にいます。何故かと言いますとこれ。必要なCPUが揃ったからです。これを電脳として活かすためには基盤が必要になってきます。しかし七つのCPUを並列処理する基盤なんて市販されていません。そこで私がコツコツと設計した基盤をこれから大学の3Dプリンタをお借りして出力して行きます。

 

 はい、出力が終わりました。次にCPUを載せていきます。一つ一つ慎重に嵌めていき、はんだ付けをしていきます。さらにコンデンサーやらコネクタ類も取り付けていきましょう。

 

 ふー。ようやく作業が終わりましたので今度はメモリーを差し込み、モニターに繋いでOSをダウンロードしていきます。

 

 はい、ダウンロードが終わりました。ではこの電脳のベンチマークテストをしていきます。さあ、どんな結果になるでしょうか。

 

 スタート!

 

 数字が目まぐるしく動いていきます。七十パーセント、八十パーセント、九十パーセント、そして……百! やったー! 凄い数字が出ましたよ。皆さん見てください、これ! これだけあればアンドロイド用として十分使えます。

 今までの努力が報われた気がします。いやーほんと泣きそうです。私頑張りました。まだまだアンドロイドは完成していませんが電脳が出来ればあとは大したことありません。残すは足りない部分の骨格を集めていくだけです。

 このあとは電脳に必要なアプリをダウンロードしていくわけですがこれは時間がかかるので後は自動でやるよう設定して終わるまでほったらかしにしておきます。

 それでは今回はこれで終わりにします。

 じゃあまた、バイバイ!

 

 おまけ

 

 えー皆さんこんにちは。先ほどお別れの挨拶をしたばかりなのにすいません。一つ言い忘れていたことがありました。

 このシリーズ一回目で廃材屋のお兄さんが「電源を入れたら瞳孔反射はあったぞ」と言ってましたが「脳が死んでいるのに瞳孔反射があるなんておかしい」と多くの視聴者からご指摘がありました。そこで調べましたところ、犬の脳は大脳だけ使われていたそうです。つまり、その他の小脳や脳幹の機能は機械が補っていたわけで、その結果電源を入れると反射反応があったのではないかという事です。警察の鑑識課の人が教えてくれました。

 それじゃ、改めてバイバイ。

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