第2話 レストア企画 #2 足りない物 

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 KWチャンネルのカワグチです。どうもー。いやー前回の動画でアンドロイドを廃材屋から信じられない低価格で購入したお話をしたんですが、やっぱりと言いますか当然と言いますか、それなりに問題がありました。実はですねー、あのアンドロイド、書類がないんですよ。これじゃ、どんなに直しても外に連れ出すことができません。皆さんもご存じでしょうが、公共の場においてアンドロイドの体には外から見えるよう登録証を付けなくてはいけませんよね。そうしないと所有者は法律で罰せられます。なんでこんなことになっているかと言いますと、これはアンドロイドによっては見た目が人間と区別がつかないタイプの物があるからなんです。そうしますと何かあったとき……んー人命救助の場面なんかがわかりやすいかな? 例えばそういった時、救助隊が人より先にアンドロイドを救出してしまい、本来助けるべき人間の救助が遅れて最悪死なせてしまうなんてことが考えられるからなんです。また、アンドロイドが犯罪に使用されるなんてこともあるかもしれません。そんなときアンドロイドが誰の所有か分かれば犯人逮捕の重要な手掛かりにもなりますよね。その為所有者は登録を義務付けられているんですが、じゃあ、誰が見ても人とは区別のつくアンドロイドにするよう規制すればいいんじゃないかと言う人もいるんじゃないかと思います。でも、これがなかなかそうもいかないんですよ。実際、人と見た目が同じアンドロイドは需要が多く、中でも風俗業界なんかは人間の本能に訴えてきますからいつの世もなくなりませんし、それでお金をがっぽり稼げるという現実がありますからね。また、全国アンドロイド協会という大きな組織がありまして、主にアンドロイドの製造メーカーや関連企業の人たちで構成されているらしいんですが、彼らは献金することによって政界にも強いパイプを持っているんですよ。ですからアンドロイドを人に似せないようにしようという法案が上がってきてもことごとく潰されてしまうようなんです。あ、今言ったのは全部私の本心ではありませんよ。ネットに書かれていたものを紹介しただけです。私個人としては、アンドロイド万歳! アンドロイド協会万歳! です。

 で、なんの話でしてたっけ? あ、そうそう思い出した。書類の件でしたね。それでどうやってあのアンドロイドを復活させるかと言いますとちゃんと方法があるんですよ。実はアンドロイドって骨格ごとに刻印されたパーソナルナンバーがあるんですが、それで登録するんです。つまり書類付きの骨格を見つけてきて、それにあのアンドロイドの電脳を載せ換えてしまえば問題は解決するというわけです。やったね、パチパチパチパチパチー。では骨格をどうやって探すのかと言うと、はい! これ。ネットのオークションサイトです。ここには無いものはないんじゃないかと思えるくらいなんでも売られています。案の定、検索してみたら様々なタイプの骨格が売られていました。ですが、どの骨格でもいいという訳ではありません。規格が違う物を買ってしまったら、場合によっては電脳を載せ換えることが出来なくなってしまいます。そこで骨格を買う前にまずはこのアンドロイドが何なのか詳細を知る必要があります。そこでいろいろと調べてみたところ分かりましたので発表したいと思います。

 はい! 82年式のホンマSALGでしたー。

 年式から分かりますように今から三十六年前に製造されたものです。いやー古い。で、これが発売当時のカタログです。たぶん型番の後ろにあるアルファベットはSAシリーズの外観を表しているんじゃないかな。私のLGはこれ。おそらくリトルガールの略だと思います。十歳くらいの女の子の姿をしていますね。他にもSAシリーズは成人男性タイプのAMや成人女性タイプのAW、そして男の子タイプのLBがありました。

 それでは今回はこの辺で、じゃあねー。

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