青春の群像(第2部)35 影山がマウンドを降りて、まいったなメッタ打ちにあってしまったよと笑うので、体力は持って3、4回ですよというと、それで十分だよといったのです、監督がやってき


青春の群像(第2部)35


影山がマウンドを降りて、まいったなメッタ打ちにあってしまったよと笑うので、体力は持って3、4回ですよというと、それで十分だよといったのです、監督がやってきてさすが甲子園の、

強打者だ、それに肩もいい、是非リーグ戦に出てくれと言ったのです、後は守備だなというので影山がなげて真一が座り盗塁をさせると、強肩でコントロールはドンピシアで、何回やって、

もタイミングはアウトです、


監督がもういいよヤッパリ大したもんだなといって、後は休んでいてくれもうじき昼飯だ弁当を食べたら帰ってもいいぞ、明日は身一つで10時に神宮球場に来てくれといったのです、

暫くすると昼になったので、みんなで弁当を食べると、ナインが勿体無いどうしてプロにいかなかったのと聞くので、練習嫌いだからプロでは通用しませんよというと、そうなんだと、

みんなが笑ったのです、


昼が終るとシャワーを浴びて洋服に着換えて学校を出たのです、アパートに戻る途中に美樹に電話を入れて事情を話すと、それでは今からアパートに行くわと言うので、わかったと返事、

したのです、アパートに帰ると美樹がきており、冷蔵庫からコーラを出すので飲み干して、明日から神宮球場でリーグ戦がはじまるので行くよと言うと、それでは弁当を持っていくわと、

言うのでありがとうと喜ぶと、


お爺ちゃんとお婆ちゃんも応援に行くと言っているので今日は家に泊まってと言うので、うん、と返事したのです、車を待たしていると言う事なので、アパートを出て美樹の家に向かった、

のです、美樹の家に着いて居間に行くと、お母さんがヤッパリ断りきれなかったのねと笑うので、アパートまで先輩が勧誘に来たんですよと言うと、お爺ちゃんが甲子園のヒーローをほっ、

ておくはずはないよといい、


お婆ちゃんがこれで又楽しみが増えたわと喜んでいたのです、それでは今日は縁起かつぎにとんかつを作ってもらいましょうと、調理場にお母さんが頼みに行ったのです、美樹がバイトは、

どうなのと聞くので、孝夫の話しをすると、え~、もう夢は飲み屋を開く事に変えたの、まったく、ころころ変るのねと笑うので、まあ、好きなようにやらせるしかないよ、酒に溺れなけ、

ればいいけどねと言ったのです、


真一は店ではボーイをやっているのと聞くので、店の席を監視し盛り上がっていない場所は、ホステスとお客さんが合わない席だから、そのお客さんに会うホステスを交代させるんだよ、

この業界ではこれを付回しと言っているそうだよと言うと、男は皆美人がいいのではと聞くので、そうでもないよ、お嬢様、熟女、痩せている人、肥っている人、喋る人、聞き役の人と、


お客の好みはバラバラなんだよ、それを上手くあわせるんだよ、総ては上手くいかないので、お客さんが我慢できる範囲で付回すと言うわけだよと言うと、中々大変な仕事なんだと美樹、

が言って、私はどんなタイブと聞くので、外人につけるとピッタシだねと答えると、外人もくるのと言うので、英語の喋れるホステスは少ないから、美樹ちゃんがいると大受けするよと、

言うと、


そうかおもしろそうだねと言うので、お母さんがお酒を毎日飲むのよ、しかも、厭なお客の相手もしなくはいけないのよと言うので、そうか、お客さんは選べないわけかと頷いたのです、

真一がポケットから小さな手帳を出して美樹に渡して、右からお客さんの名前、ボトルのナンバー、会社名、役職、住所、電話番号、誕生日、年齢、家族の誕生日、性格、係の名前、

気が合うホステスの名前、


等の情報がかいてあるよ、それをみて付回しをしたり、係りのホステスに事前にそのお客の誕生日や家族の誕生日を教えて、プレゼントを用意させるんだよ、プレゼントはネクタイや、

ハンカチではなく、ゴルフの好きな人はゴルフボール、孫がいる人はオモチャなどの実用品にするように伝えるのさ、そうすれば気使いのお礼に店に来る確立は高くなるというと、


美樹がなるほど誕生日に何かプレゼントされると嬉しいね、お父さんはよくネクタイとかハンカチを貰ってくるけど、お母さんに遠慮しているのか、ほとんど使わずタンスのこやしに、

なっているわと笑ったのです、お爺ちゃんがまるで外務省のデータバンクだね、外務省や大使館には必ずその国の重要人物の情報がこと細かに調べてあり、それを使って接待したり、

して、情報を得て本部に報告するわけだよ、


水商売も同じだねと言うと、お母さんが真一君は何でも工夫するのねと感心するので、美樹がすご~いめんどくさがり屋だから、事前に調べて簡単に仕事が出来るようにしておくのね、

試験にうかるために過去のデータを分析する方法と同じだわと言うと、お婆ちゃんがそういえば貴方も小さな手帳を肌身はなさず持っていたわね、あれには要人の情報が書いてあった、

のねと尋ねると、


そうだよ、今話しを聞いてびっくりしたよ、僕と真一君の考える事は同じなんだなとビールを飲んで上機嫌です、美樹がそれでホステスは真一を大事にするわけか、怒らせるといい情報、

がもらえないわけだ、ところでその情報はどうやって調べたのと聞くので、席についた時名刺を貰い、ワインやシャンパンを入れたときに理由をそれとなく聞き出したり、ヘルプやお姉、

さんに聞くのさ、訳を説明すると喜んで協力してくれるよ、


知りえた情報は係りのお姉さんに関係ある分は整理して渡しているので、大変喜ばれているよ、渡しても猫に小判で忘れているホステスも多いので、念の為に事前に教えていると言う訳、

だよと言うと、成る程用意周到なんだねと美樹が言ったのです、お婆ちゃんが何と器用な性格なんでしょう、美樹ちゃん気をつけないと誰かに持っていかれるわと言うので、心配しなく、

ても、


美樹ちゃんみたいな女の子はめったにいませんよ、僕の苦手な事は美樹ちゃんが得意なので、2人あわせれば完璧というわけですというと、お母さんが真一君の苦手はと聞くので、外国語、

字が下手糞、怠け者、歌がオンチ、めんどくさい事は苦手、努力が出来ない性格と沢山ありますが、いずれも美樹ちゃんの得意とする分野ですよと笑うと、そうか、美樹と真一君はペアで、

ないと上手くいかないわけかとお爺ちゃんが言ったのです、


美樹がそれにしっかり手綱を持っている人が大事だね、油断すると糸の切れた凧みたいにどこに、飛んでいくか分らないからねと言うと、お母さんがそれは女性はみんなその役目なのよ、

お母様もそうだし、私もお父さんの手綱をもっているわと笑うので、そうか、お父さんもお母さんにあやられいるわけだと言うので、お爺ちゃんがそうだよ、わしは、シズにあやっられ、

て、人生を生きてきたわけだと大笑いしたのです、


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