青春の群像(第2部)
青春の群像(第2部)13 テーブルを見るとカツオ、アジ、タコ、イカ、伊勢海老の刺し盛りです、すご~いご馳走と2人が言うと、沢山食べてねと叔母さんが勧めて、ビールで乾杯して肴を食べ
青春の群像(第2部)13 テーブルを見るとカツオ、アジ、タコ、イカ、伊勢海老の刺し盛りです、すご~いご馳走と2人が言うと、沢山食べてねと叔母さんが勧めて、ビールで乾杯して肴を食べ
青春の群像(第2部)13
テーブルを見るとカツオ、アジ、タコ、イカ、伊勢海老の刺し盛りです、すご~いご馳走と2人が言うと、沢山食べてねと叔母さんが勧めて、ビールで乾杯して肴を食べると取り立て、
で歯ごたえがあり、美味しい、美味しいと食べたのです、京子ちゃんも久しぶりねと叔母さんが言うので、4年振りよというと、まだおさげ髪をしていたわね、すっかり大人になってもう、
お嫁に行ってもいいわねと言い、
真一君が彼氏なのと聞くので、そんなようなもんかなと京子が笑うと、今いくつなのと叔父さんが聞くので高校三年生ですと言うと、それでは京子ちゃんとは3つ下か、20までは3年ある、
のか、でもいい青年だねと言うので、ありがとう御座いますというと、叔父さんがまあ慌てて結婚しなくてもいいかとビールを飲み干したのです、叔父さんがどこかで見た事があるなと、
いうので、
京子がこの前の甲子園で準優勝した原田学園のキャッチャーだよと言うと、そうか、春の選抜で彗星のごとく現れたあの鹿児島の原田学園の村上君かと驚いたのです、叔母さんが一緒に、
旅行しているのと聞くので、京子が大江の教会でバッタリ会ったのよ、熊本に通信士の試験を受けたついでに天草見物に来たんだってと言うので、それは2人は縁があるんだね、イエス、
様が会わせてくださったのかしらと言ったのです、
京子がガラシャ様の金の十字架の話をすると、叔父さんがその十字架はガラシャ様がお亡くなりになる前に腰元の1人に託して忠興様の手元にもどったそうだが、キリスト教を幕府が禁止、
した為に封印して蔵の奥深くにしまってあったそうだけど、明治になり大阪の豪商鴻池の手に渡ったそうで、鴻池が潰れてからは行方知れずになったそうだよと話すので、そうですか、
叔父さんはどうしそんな事を知っているんですかと聞くと、
京子ちゃんのお父さんとわたしは兄弟だが、私たちの家系はガラシャ様の腰元だったんだよ、回りにいた腰元達は、ガラシャ様とともに洗礼をうけ、キリスト教信者になっていたんだ、
大阪の屋敷で十字架を託されたのが私たちのご先祖様と言うわけだ、キリスト教が禁止になって改宗を余儀なくされたのだが、改宗を拒んでこの天草に逃れたのだそうで、その後島原、
の乱がおき、
幸いにも生き残って隠れキリシタンとなりここに住みついて今にいたると言うわけだ、京子ちゃんのお父さんは私の弟で船乗りになり唐津に行ったのだよ、細川藩は明治になり藩財政、
が困窮して幾つかの家宝を売ったそうで、その中の一つだとお爺ちゃんが言っていたのを聞いた事がある、その十字架を手にしてから鴻池は家系が傾き没落してしまったと言う事だよ、
ガラシャ様の怨念がこもっているのかもと言ったのです、
いずれにしろ持ち主が現れればはっきりするんですがと言うと、それを持っていたいた人も不幸になったのかもしれないねと叔父さんが言ったのです、現れないばあいはどこかの博物館、
に寄贈して公開しもらいますというと、その方がいいかもしれないね、忠興様の家系がもっているうちは良かったのだろうと叔父さんが頷いたのです、真一がここには何か残っていない、
のですかと聞くと、
叔母さんが貴方あれを京子さんに託しましょうというと、そうだな、私達には子供がいないので京子ちゃんに持ってもらったほうがいいだろうと奥に行き一体の小さなお釈迦様の木造を、
持ってきて、底をくるくる回すと中から銀の十字架が台に差し込んであります、取り外して京子に渡し裏をみてご覧と言うので見ると、一五二八ガラシャよりケイへと書いてあります、
これはと真一が聞くと、
大阪屋敷にガラシャ様のお世話をして残ったのが3人いたそうで、ガラシャ様が3人にお渡しになったそうなんだ、その内の一つと言うわけだよ、純銀で作られておりその3人にガラシャ、
様は屋敷を出て落ち延びる様に言われたそうなんだ、自分は忠興の妻女なので残ると言われたそうで、3人も一緒に残ると言ったそうだが、家臣に言って屋敷から連れ出されて大政所様の、
屋敷につれていかれたのだそうだよ、
そのご先祖がこの仏像にはめ込んで祈りを捧げていたのだそうで、それが今に伝わっているんだよ、もう隠しておく必要はないだろう、京子ちゃんが持っていておくれと言い、叔母さん、
が京子の首にかけて、これでご先祖様もお喜びになるでしょうと京子の手を握ると、こんな大切な物をと言うと、いずれは渡す事にしていたんですから遠慮しなくていいんですよと言っ、
たのです、
わかりました大事にしますと京子が言ったのです、真一がよく似合うよというと、叔父さんが色んなところで繋がっているんだなと言って、真一君がガラシャ様の金の十字架を探して、
くれた話を聞いてよかったと思っているよ、京子ちゃんとはみえない糸で繋がっていたのかと不思議がっていたのです、色々歓談し世もふけたので休む事にして部屋に行きフトンに、
入ると疲れていたのかすぐら寝入ってしまったのです、
朝おきると京子が部屋に入って来てさあ顔を洗ってと言うので歯を磨き顔を洗って、着換えて居間に行くと朝食の用意がしてあり、さあ食べてと言うので頂きますと言って箸をつけた、
のです、京子が私も熊本に行って、熊本城を見学して唐津に帰るわと言うので、僕も夕方までに帰ればいいから付き合うよと言うと、京子が喜んでいたのです、叔父さんが松島行きの、
フエリーが10時に出るので、
車で送って行くよと言うので暫く休んで叔父さんの車に乗ったのです、本渡港に着きあと20分で出航するよと言うのでキップを買うと、叔父さんが又遊びにおいでと言うのでハイと返事、
をして乗船したのです、出航の時間が来たのでデッキから手を振ると、叔父さんも大きく手を振ったのです、船はゆつり岸壁を離れて外海を疾走していきます、京子が真一君に偶然で会、
って、
楽しい旅になったわと言うので、しかしビックリしたよと笑うと、何か飲もうというのでビールとツマミを買い最上階のデッキに座り乾杯したのです、気持のいい潮風が吹いていて、良い、
景色だねと言うと、京子がもう少し一緒にいられるんだとはしゃいでいたのです、一時間で松島港に着き汽車に乗換えて熊本まで行き、路面電車に乗り熊本城に向かったのです、城に着き、
京子が始めて来たけど、大きな城ねと感激していたのです、
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