第28話蹉跌、日傘、手を振る2018.07.21
「毅さん。つまらぬ事で蹉跌してはなりませんよ」
日傘をさし、迎えに来てくれた母。小さく手を振る姿に、僕はそれを思い出した。
ああ。幼い頃よく言われたな……。
駆けよって、昨日の電話を反故にする。
「ごめん、母さん。やっぱり帰るよ」
「そう」
短くそう告げた母は、少しだけ寂しそうだった。
***
お題は
うーん。
そして、太宰治の一節をお借りしたいなと思いました。
日傘。
これは前にもあったお題。でも、今回はなぜか最初に浮かんだのは母親の姿でした。
うーん? 何故だろう……。
手を振る。
もうこれは、日傘で手を振っている一択でした。なぜか?
今日はなんだかそんな気分でした。
時代は昭和。となりのトトロくらいのイメージですね。
田舎の裕福な家庭で育った主人公は、上京して頭を打った感じでしょうか。
帰ることを告げて、駅に降り立った主人公は母親の姿を見て思い出す感じですか。
母親の方をどう書くか?
やっぱり、やり直す決意をした息子の姿を応援したい反面、寂しさといったものを出したいな……。
ああ。文字数が足りない。
という訳で、今回のはそんな感じでストーリーは割とすぐにできたのですが、母親の心情を書きたいけどかけないジレンマに陥って削って書いて、削ってと悪戦苦闘したものです。
短く、鮮烈な一節を描きたい。
道のりは遠いなぁ。
あ? これも
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