第15話未完、希望、光でできたパイプオルガン2018.04.21
その絵には、雲間から差し込む光で演奏する、彼女自身が描かれていた。
まるで光でできたパイプオルガンを弾いているように見える。
天使の羽をつけた彼女は、荒々しくも美しい。
『未完』と題されたこの絵には、生きる希望のみが描かれている。
彼女の魂はまだ、目の前で眠る彼女の中にあるのだから。
***
光でできたパイプオルガン。
今回も、宮沢賢治が出てきましたね。あの一節は覚えていました。でも、全文はまったく。と言うか、題名も覚えてませんでした。そこで検索。
『告別』と言う詩集。
そうだ、あの詩は教え子に当てたものであり、自分自身にも当てたのだという説だったか?
私はまだよくわからなかったけど、告別と言う事から、そういうもんかと納得した気がします。
まあ、本人はどうなのだろう。
私が詩のつもりで、たまに書いているものは、正直色んな気分が混ざってます。だから、自分の中では詩のようなものとしてます。まあ、徒然なるままにですかね……。まだまだ、修行が必要だと思います。
と言うわけで、もう一作。
***
これから希望を胸に旅立つ君。
自他ともに認める、未完の大器の君に贈る言葉は、『光でできたパイプオルガンを弾くがいい』がいいだろう。
これから先、きっと君の心の中に陰りが訪れる事があるだろう。そんな時に思い出してほしい。
君の光に救われた僕が言うのだから間違いない。
***
二作目は、告別のイメージを強く引っ張ったものです。そして最初のは、自分のイメージから行きました。
光でできたパイプオルガンは、宮沢賢治がレンブラント光線を見ていたのかは私は知りません。でも、私が見たとして『未完』『希望』をイメージしました。
美しい光が奏でる音色は、やはり現状を打開するものがいいかなと思いました。となると希望とは結びつきやすい。
でも、未完は?
そんな時に、描いたのが未完成の作品。
そこに込められるべきものは、やはり作者の魂。でも、それが込められない理由があるとすると?
そこで、一気につながりました。
やはりななぐさは、病気とか、死のイメージから抜け切れないと思ってしまうけど、こればっかりは仕方がありません。結局人のイメージは、歩いてきた道のりに左右されてしまうのですから。
だから、私はいろんな作品を読んでいきたいと思ってます。
作者が描く物語には、作者の人生もまた垣間見る事が出来ると思ってます。
てなわけで、病気に打ち勝つために、あえて未完成の作品とする願掛けを思いつきました。
この先どうなるのかはわかりません。でも、僕も彼女もあきらめていないのです。
だから、私も応援したいと思います。
しかし、『空いっぱいのパイプオルガンを弾くがいい』という言葉は響きますね。
これから旅立つときに、壮大な音色を奏でてくれることでしょう。
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