第6話 彼女が語る教育理論

俺(高梨 誠)は15年前の夏に自称天才中学生の四宮 香と出会ってから,彼女と共にタイムマシンを作り続けている個人経営の塾講師だ。当時高校二年生だった俺も今となっては32歳になり,中学三年生だった四宮は30歳の若さで有名大学の教授をしている。

ある高校の夏休み明けの始業式の日,俺たちはそこに現れた未来人とともに,タイムマシンを使って過去に戻った高校生を発見した。桜井 隆之介という彼の協力により俺と四宮のタイムマシン開発は大きく進み,そのお礼と研究に関する口止めを兼ねて,俺たちは高校三年生の彼の受験勉強を手伝う約束をしたのだった。


そして,次の日曜日の本日。

塾で行う授業の説明を聞くために,桜井くんは彼が片思いをしているらしい広瀬 舞という同級生の女子を連れて俺の塾にやって来た。

彼らへの授業の説明は自分がやると四宮が言い出したため,俺は滅多に見れない彼女の授業の様子を見ようと待っていたのだが,残念なことにそれはなかなか始まらなかった。彼女が桜井くんの片思いの相手に異常に興味を持ち,二人を質問責めにし始めたからだ。

四宮が彼らに質問を始めた理由は,桜井くんが今日好きな人に告白するということを俺が四宮に話してしまったせいでもあるため,俺は彼らに申し訳ないと思いながら,明日からの授業の準備をする傍らで彼らの会話の一部始終を聞いた。

そして四宮から彼らへの質問が一段落して,彼女が満足したような様子で黒板の前に移動したところで,俺はそれまでしていた作業を片付け,桜井くんたちと並んで彼女の授業を聞くことにした。


「それじゃあ,これから私たちの授業ガイダンスを始めます。」


四宮は教卓に手をつきながらそう言って,高校生二人に話し始め,広瀬さんに次の質問をした。


「まず舞ちゃん。舞ちゃんは何か好きなことってある?」


「え?勉強で好きな科目みたいなことですか?」


普通の授業ではまず聞かれないような質問をされた広瀬さんは,質問の意味を知るためにそう聞き返した。


「まぁ勉強についてのことであれば私も少しは話しやすいけど,違ってもいいよ。勉強の意味を教えることも,一応私や高梨くんの仕事だから。」


そんな四宮の返答を聞いて,広瀬さんは答えた。


「それなら,私は百人一首が好きです。」


最近の女子高生にしては珍しい意外な彼女の好きなことを聞いて,四宮は驚きの声を上げた後,さらに広瀬さんに質問を続けた。


「へ〜!いいね!じゃあ,全部言えるとか?」


四宮の質問に広瀬さんは,首を横に振って答えた。


「いいえ。そこまでではないんです。お婆ちゃんとたまに遊ぶくらいですよ。でも,読むのは好きなんです。」


「うんうん。私もその気持ちは分かるよ。桜井くんも好きなの?」


四宮はそう言って頷きながら彼女の話に同調し, 今度は桜井くんに話を振った。しかし,興味深そうに明るく話をしていた四宮とは裏腹に,桜井くんは特に興味も無さそうに淡々と答えた。


「いや,僕は別に。好きでも嫌いでもないですよ。」


それを聞いた四宮は残念そうな感想を口にした後,再び広瀬さんに質問した。


「もったいないなぁ。舞ちゃんは桜井くんに勧めたりしなかったの?」


「何度もしたんですけど,分かってくれないんです。」


そんな広瀬さんの説明を聞くと四宮は何か思いついたように頷き,彼女に次のような提案をした。


「うん。それじゃあ,私が百人一首の良さを伝える手伝いをしてあげましょう。」


そして四宮は,さらに広瀬さんへ質問をした。


「舞ちゃんは,好きな歌とかある?」


聞かれた広瀬さんは,悩むような唸り声を上げてから答えた。


「う〜ん。いっぱいありますけど,今の気持ちで言うなら,『夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ』ですかね。」


「珍しいものを選んだな。」


生徒に古典を教えることもあるため百人一首を勉強したことがある俺は,歌の内容を思い出しながらそう言って,広瀬さんの好きな歌に関する素直な感想を口に出した。

そして四宮もそれに賛同して,その歌について彼女に尋ねた。


「そうだね。もしかして,桜井くんがアインシュタインのことについて言ったから?」


「そうです。」


広瀬さんがそう答えて肯定すると,四宮はニヤニヤしながら彼女を褒めた。


「フフ。結構粋なことするじゃないの。」


「エヘヘ。」


四宮に褒められた広瀬さんは照れながら少し笑って答えた。二人とも楽しそうにしていたがそんな中,蚊帳の外であった桜井くんが隣に座っている俺に小声で話しかけてきた。


「高梨さん,その歌ってどう言う意味なんですか?」


そういえばこいつは百人一首には詳しくないんだったなと思い出しつつ,俺は彼の質問に答えた。


「あぁ,夏の夜が短いことに驚いてる歌だ。あまりに短いから,どこかの雲で休んでるんじゃないかということを言ってる。」


「なるほど。だからアインシュタインですか。」


俺の説明に対して,桜井くんは四宮たちのやり取りに納得したようにそう言った。

俺はアインシュタインについては詳しくないし,その前に彼らが四宮と話していたこともまともに聞いていなかったため,彼が何に納得したのかはよく分からなかった。しかし俺がそれについて尋ねる前に,彼がその和歌についてのさらなる質問をしてきた。


「珍しいものって言ったのは,どういうことですか?」


「小倉百人一首は恋愛に関する歌が多いんだ。だから,好きな歌を聞いたら女子高生でもおっさんでも恋愛の歌を言うことが多いんだよ。」


俺たちのそんなやりとりを聞いていた広瀬さんは,思い出したように好きな歌についての話を再開した。


「あと恋愛の歌で言うなら,『かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを』が好きですね。」


「ほうほう。情熱的な歌も好きなんだね。」


四宮は感心したようにそう言って,彼女に次の質問をした。


「それはひょっとして,舞ちゃんの今の気持ちだったりする?」


「どうでしょうね?」


広瀬さんは四宮の質問責めに全く怯まず,笑顔で四宮の目を見てそう答えた。


「高梨さん,どんな歌なんですか?」


そしてさっきと同じように,桜井くんが俺に歌の意味を聞いてきた。


「難しい歌だから説明するのが面倒だな。」


説明が難しいその歌を彼にどう教えればいいか,あるいは説明を放棄するか,俺は彼にそんな言葉を返しながら迷っていた。そして,仕方がないから辞書を見せながら教えることに決めて,俺が椅子から立ち上がろうとした時,それを見ていた四宮が桜井くんに声をかけた。


「桜井くん,自分で調べなさい。せっかく舞ちゃんが百人一首について知るチャンスをくれたんだから。」


「はい。分かりました。」


しぶしぶといった感じで桜井くんはそう返事をした。説明をする必要がなくなった俺は,その場から動くのをやめ,椅子に座り直した。

そして,桜井くんの返事を聞いた四宮は,広瀬さんへの百人一首の質問を再開し始めた。


「好きな歌についてはもういいとして,舞ちゃんは百人一首のどんなところがいいところだと思う?」


「それもいっぱいありますよ。単純なカルタとしての楽しさとか,歌の意味や音の美しさとか。でもやっぱり,桜井くんに説明するなら,歴史の勉強になるところとかですね。」


広瀬さんは,またもや楽しそうにそう答えた。彼女が本当に百人一首が好きなのが伝わってくるようだった。それに対して,四宮は共感するように返事をした。


「確かに百人一首は,詠まれた時代の背景についての勉強になるね。」


しかし彼女たちの話を聞いた桜井くんは,それらに反論する次の言葉を四宮にかけた。


「でもそれって,日本史の授業でも勉強できることじゃないですか?」


「うん。桜井くんならそう言うと思ったよ。」


その発言を予想していたように彼にそう言った後,四宮は目の前の高校生二人に向けて話しかけた。


「でも,日本史の授業では学べないことも百人一首にはあるんだよね。舞ちゃんは分かる?」


「日本史よりも,規模が小さい歴史を学べるとかですか?」


曖昧な質問をされた広瀬さんは,自信無さそうにそう答えた。しかし四宮は自分が言って欲しい答えが出なかったのか,彼女の意見を肯定した後 もう少し具体的な質問をし直した。


「それもあるね。でももっと大事なことがもう一つない?舞ちゃんが百人一首で一番好きなところって何?」


「一番好きなところですか。やっぱり昔の人の気持ちが知れるロマンですね。何百年も前の人が,今の私たちと同じようなことを考えたり,同じように悩んだりしているのってとてもロマンチックじゃないですか?」


四宮は饒舌に答えた広瀬さんの意見に同意して,桜井くんに話し続ける。


「そう。それを言って欲しかったの。百人一首には日本史の授業では分からないような当時の人々の感情が読み取れるんだよ。」


「昔の人の気持ちを知ることがそんなに大事ですか?」


疑うようにそう聞いた桜井くんに対し,四宮は諭すように言った。


「大事だよ。それを知らないと,他のことを学ぶ意味がないと言っても過言じゃないよ。自分たちが暮らしているこの場所で,昔何が起こって当時の人がどう思っていたかを知ること。その知識を活かすことができれば,あなたたちはこれからの人生をより良いものにしやすくなる。悪いと思ったことは繰り返さず,良いと思ったものは受け継いでいけば良いんだから。」


優しく告げた彼女の言葉に桜井くんは納得したように頷きながら答えた。


「そうですね。なんとなく分かった気がします。」


「良かった。あなたならすぐに分かってくれるとも思ってたよ。」


四宮は安心したように笑顔でそう答えた後,彼らに背を向けてホワイトボードの近くに移動した。


「ちなみに,歴史を学べるのは何も日本史や世界史だけじゃないんだよ。」


彼女はそこに何かを書く準備をしながら,背後の桜井くんたちに話を続ける。


「ここからが本題だから,二人ともよく聞いてね。」


四宮はホワイトボードに数学や物理,世界史,日本史,美術などの高校の教科名を並べて書き,そう言って高校生二人を注目させた後,改めて彼らに話し始めた。


「さっき舞ちゃんが言ったように百人一首からでも学べるし,物理や数学も結局のところ歴史を表しているわけ。例えば,熱の仕事について表したカルノーサイクルっていうのが高校物理で出てくるでしょう?」


「ありますね。圧力と体積のグラフを使うものですよね。」


広瀬さんのその返答を聞いた四宮は,思った通りと言わんばかりの笑顔で肯定して語り続ける。


「そうそう。あなたたちはそれを物理の問題を解くためのものとしか見てないでしょ。でもそれも実は歴史の一部なんだよ。カルノーサイクルを考えたのはイギリスのカルノーさんなんだけど,彼がそれを考えた理由は,ワットの蒸気機関の効率を考えたからなの。そして,ワットの蒸気機関と言えば世界史の大事件,産業革命の代名詞みたいなものだよね。」


「なるほど。物理も世界史の一部ってことですか?」


四宮の話を聞いて,彼女の言いたいことを予想した様子の桜井くんがそう口にした。四宮はそれに同意して,ホワイトボードの物理と世界史の文字を同じ丸で囲った後,さらに熱心に自分の考えを語った。


「そうだね。でもそれだけじゃないの。産業革命によって発生した労働者の過酷な労働環境については,その時に書かれた文章や絵を見るとよく分かる。百人一首と同じだよ。昔の様子を表すものは,時に絵画や音楽,漫画や百人一首だったりするけれど,大事なことはその時に生きていた人の気持ちを自分なりに考えて,これからの参考にすることだと思う。」


そこまで話した四宮は,ホワイトボードに書いた教科名の全てを一つの大きな丸で囲って,それらを指し棒で指しながら目の前の高校生たちに話し続けた。


「つまり,世界史や日本史はもちろん,物理や化学や数学に,音楽や美術でさえ,私たち人間が歩んできた歴史の一部であって,全てが繋がってるんだよ。あなたたちが学んできた高校までの勉強は,これまでの歴史を学んで大学生や社会人になった時,それからどう生きるのかを考えるためにあるんだと私は思ってる。」


教育について熱く語る彼女は,桜井くんと広瀬さんを交互にまっすぐ見ながら話のまとめに入った。


「だから私たちは,あなたたちが文系の学科を目指そうと,理系の学科を目指そうと,どちらかの勉強をないがしろにしたりはしません。将来のためになりそうなことは全て教えます。受験のためだけの勉強なら受験用に絞った方が効率がいいだろうけど,私は受験が終わってからも役に立つことをあなたたちに学んでほしい。もしそれが嫌で受験勉強だけに役立つ勉強がしたいと言うのなら,私たちの指導は受けない方がいいと思う。あなたたちの将来に関わるかもしれないことだから,よく考えてみてね。これで私の話は終わり。ちゃんと聞いてくれてありがとうございました。」


長々と話した四宮は二人に軽いお辞儀をして,話を終わらせた。


「いえ,こちらこそありがとうございました。」

「ありがとうございました。」


四宮のお礼の言葉を聞いた桜井くんたちも,彼女と同じように軽く頭を下げてお礼を返した。


「ごめんね。長い話を静かに聞いてて疲れたでしょ。今日はもう帰りなさい。」


「それじゃあ,また明日来ますね。」


桜井くんは四宮の言葉を聞いてそう返事をしながら,広瀬さんと同じタイミングで立ち上がった。


「うん。でも二人とも無理はしなくていいよ。帰ってからよく考えて。」


出口に向かう桜井くんたちに,四宮は続けてそんな声をかけた。


「はい。ありがとうございました。」

「ありがとうございました。」


高校生二人は最後に再びお礼を言った後,扉を開けて外に出た。


「気をつけてね〜!」


四宮が手を振りながらそう言って彼らを見送ると,彼らは軽く頭を下げて扉を閉めて行った。


扉が閉まったのを確認すると,中に残された四宮は力が抜けたように近くの席にダラっと座り,ため息混じりに俺に話しかけた。


「いや〜,疲れた。ダメだね私は。子供の前だとどうしてもカッコつけちゃう。」


「いいじゃないか。カッコよかったぞ。」


俺は彼女の話を聞いた心からの感想を告げた。


「そう?ならいっか。」


彼女は何もない床をぼーっと見ながら軽く答えた。そして,さっきの四宮たちの会話の中で気になっていたことを思い出した俺は,それをだらけきった格好の彼女に聞いた。


「そう言えば,彼女が言ったあの和歌『かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを』って確か,『こんなに相手のことを思ってることさえ言いたいけれど言えない。この思いがさしも草のように燃えているようなことをあなたは知らないんだろ。』みたいな意味の歌だよな?」


俺は百人一首についてそこまで詳しいわけではないので,自分の考えていた訳が合っているかどうかが気になっていたのだ。しかし俺のその質問を聞いた四宮はそれが合っているかどうかについては答えず,重要なことを思い出したようにいきなり頭を上げて,俺の方を見て質問をして来た。


「そうなんだよ!高梨くんはあの子があの歌のことを言った時どう思った?」


彼女が間違っているとは言わなかったことから,俺は自分の訳が合っているのだと受け取り,四宮の質問に素直に答えた。


「どうって,別に大したことは思ってない。いろんな言葉がかかってるような難しい歌がスッと出てくるぐらいだから,本当に好きなんだなと思ったぐらいだな。」


「そりゃ,彼女は確かに百人一首好きなんだろうけど。私は彼女があの歌のことを言った時,全然違う印象を受けたよ。」


「違う印象って?」


四宮が俺の感想に対して素直に賛成せず意味深な返し方をしたため,俺はそれについて彼女に質問した。


「桜井くんの告白の答えに私の質問が利用されたなって思った。」


「ハァ?何でだよ。」


彼女の口から思いもよらない言葉が出て来たので,俺はすぐにその理由を聞いた。


「だって『相手のことを思ってるけど言えない。』なんて今の彼女の思いにぴったりだと思わない?」


「好きな歌についての質問にそこまで考えるか?」


四宮の考え過ぎだと思った俺は,彼女の意見には同意せずにそう答えた。


「いや,絶対そうだよ。間違いない。」


しかし四宮は俺の意見には耳を貸さず,そう言って自分の考えを主張し続けた。


「あぁ。だから,俺があの歌を桜井くんに説明しようとした時にお前が止めたのか。」


四宮の意見を聞いて彼女が彼らとの会話の途中に起こした行動の意味に気がついた俺は,確認するように彼女に言った。すると四宮は俺を軽く叱るように答えた後,笑顔で答えた。


「当たり前だよ。何で好きな人の告白の答えを高梨くんから教わらなきゃいけないのさ。きっと桜井くんは,あの歌の意味を知って大喜びするだろうね。」


「だとしたら彼女は大物だな。お前を利用した上に,そこまで計算した答え方をしたんだから。」


四宮があまりにも頑固なため,俺は彼女の意見に合わせた感想を言った。


「やっぱりそう思う?私もそう思う。」


その意見には四宮も賛成な様子だった。しかしながら,彼女がなぜそんなことをいかにも重要な様子で俺に聞いたのかが理解できなかったため,俺は次のように尋ねた。


「それで?お前は利用されて怒ってるのか?」


「怒ってない。むしろ逆だよ。」


俺の質問に四宮は優しく答えた。


「逆?」


俺は彼女の言ったことについてさらに尋ねて,四宮は同じ様子で答え続ける。


「うん。あの子たちの役に立てたみたいで嬉しい。それに私も見習わなきゃなって思った。」


「何を?」


「自分のやりたいことのために,他人を利用してまで全力でやるところかな。」


彼女はそう言って,俺が何かを聞き返す前に続きを話し始めた。


「私たちにも目標がある以上,これからそんな機会があるのかもしれないから覚悟しないといけないね。何かを利用したり,犠牲にしたりすることもあるかもしれない。」


「そうかもな。お前がこれから進む道も茨の道だからな。」


「うん。そうだね。」


四宮はため息をつき,淡々とそう答えた。その反応から,彼女が望む答えをしなかったことが俺には分かった。

しかし俺ももう子供ではないため,彼女が何を言いたかったのか気づいていなかったわけではない。今の俺には結論が出せないため,わざと話をそらしたのだ。きっと四宮はこれからの自分のことではなく,俺のことを言っていたのだろう。

もしタイムマシンが完成して,俺が東郷先生と先生の家族を助けることができれば,おそらく四宮と過ごしたこの15年間の生活は無かったことになる。しかし四宮との時間を取れば,俺は先生を助けられない。

四宮との時間か先生の時間,どちらかを犠牲にしなければならないことは俺にでもはっきり分かっている。タイムマシンが完成するまでの間に決断する必要があることを悩みつつ,俺たちは桜井 隆之介と広瀬 舞という生徒を迎えた新たな生活を始めたのだった。

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