room for improvement

学生時代よく社会調査に出かけた。葬儀屋さんに聞き取り調査。

「どうです?撮ってみます?」

「え、何を?」

「葬式用の写真」

「いやいやとんでもない!」

「ですよね。そこでうちで開発した、この商品。スナップ写真1枚あれば、はめ込むことができます」

「じゃこの学生証の写真で」

「了解!」

でかい顔と友人に言われていた私、はめこむ体に顔があってない。クビと顔がズレている。

「顔とクビずれてるよ」

「最新型ですから、ちゃんと合わせられますよ」

しゅるしゅるしゅる、ちゃんとクビのサイズには合った。豆電球サイズだが。

「プリントアウトします?…治しますって」

クビと頭を同時に拡大した写真がでてきた。

 しばらくするとおでんの屋台で知り合った友人がなくなった。葬式写真には、あっちを向いた赤ら顔が写ってた。救いあり。社長、改良の余地ありますよ。

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