いのちの名前

https://ameblo.jp/de-bu-rin/entry-12363182451.html(冒頭の写真。「千と千尋の神隠し」より)

 どこか変?我ら荻族は皆知っている。「萩」ではなく「荻」だ。でも千尋ちゃんの書いた文字は?荻野千尋ちゃんは小5なのに「荻」のつくりを火じゃなくて犬と書いている。これなら黒柳徹子さんに今日からお前は「千」だと言われても平気だ。嘘の名前だもの。囚人を番号で呼ぶ。強制収容所のようだ。アルバイト マハト フライ?労働が自由を作る?何言っているんだ、労働から逃れられるのは死しかないのか?

 千尋ちゃんは強制収容所に居たわけではない。でも抜け出すための大事な作戦だ。両親は豚さんに変化しつつある。私がしっかりしなければ元の世界に戻れない。名前だけで?名前を軽んじちゃいけないよ。ハクはコハク川という名前を忘れて現世に帰れなかったんだから。忘れたの、コぐらい覚えろよ?ミギハヤミもついていたんだけどね。千尋が覚えていてくれたからハクも思い出せて現世に戻れたんだ。ジブリおそるべし。

 おそろしいのはジブリ美術館に二人で行ってはしゃぎまわる親父たちの方かも。ネクタイを大人買いするのはともかく、一緒に連れて行ったさっちゃんとお父さんは?

「どの色になさいますか?」

「全部」

「あのお色は?」

「だから全部!」

真っ黒クロスケのタイピンも持ってきてくれたよ。大人げない。さっちゃんしか入れない猫バスに、乗せて乗せてと騒いだのはこの私です。

「朝一に入場してきたら考えます」

待ってろよ、絶対やるのがわしだ。ヲルドルフ・アストリアホテルで人種差別と思われる扱いを受けた。チェックアウト時に

「良いホテルだが、その点が残念だね」

「失礼しました。お代は結構です」

「次にいかせばいいじゃん」

一流ホテルは次が違う。

「お帰りなさいませ、荻原様」

「…(え?覚えてるの?)」

ベルのあんちゃんが案内する。

「一人かい?」

なぜ笑う。

「さあ、ここがお前の部屋だ」

2ベッドルーム、居間つき。わしシングルの予約なのに。

「部屋間違ってませんか?」

「支配人のサービスです。ここで過ごすわけだ。一人で」

うーなぜニヤッとする?

「まだあるぞ」

カーテンを開けるとペントハウス。

「ここでシャンパン飲むと良いぞ。一人で」

いちいち一人でとうるさい!

ね、やり通すでしょ。

 だけど相方もすごい。中庭に清掃用ホウキを発見。またがって「魔女の宅急便」と得意げ。笑った。後ろに子供列んでいるんですけど。さすが子供のハートをガッチリつかむ!その後彼は校長先生になりました。

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