第2話 はじめまして

あの夢から一週間、同じような夢を度々見るようになっていた、昨日も同じ。

目覚めは悪くない、毎朝ゆっくり目が覚めて、いつもと同じ天井が見える。


今日はなぜか外に出たくなった、朝から出かける事はなかなかないけれど、寝癖も直さず外に出た。


朝日が昇り始めているのだろうか、まだ見えない明るさの実体を遠くの方に感じる、それはどこか僕に安心感をもたらした。


空には未だに星が点々と輝いている、明け方の空に残る星は、淋しそうで可愛らしい。


人通りがない道、この道のこの時間帯は、空を見上げながらどこまでも歩き続けられる気がする。


特に目的はなかったけれど、十字路に出会い、右に曲がった。


人気はなかったはずのこの道で、僕と同じように空を見上げる子が一人、その背中を見つけた。


柔らかい黄金色の髪を持ったその子は、ただ上を見上げて道の真ん中に立っている、その子の髪がふわっとやさしく風に揺れた。

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