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第59話 再会
「ディーンさん、会いたかった!」
天界から帰った翌日、リパーとジリアンに(と言うか、トールとアルテミスに)連絡を取り、4人で集まる。
リパーが抱きついてきた。
「お久しぶり、リパー」
感動の再会、という奴なのだろうか。
俺は一体どんな理由で離れていた事になっているのか。
「ディーン、お久しぶりだね。もう・・・その・・・アレは良いのかい?」
アレって何だよ。
「・・・その、何だ。俺とエイプリルは、俺の主神、ネイムレス様の指示を受け、秘密の任務をしていたんだ。怪しまれないように手紙を置いておく、とは聞いていたが、手紙の内容は見ていなくてね」
手紙の件は事後報告だけどな。
「良かったら内容を教えて欲しいわ?」
エイプリルがジリアンに尋ねる。
「え・・・いや、その、アレが嘘ならそれでいいんだ。うん、何でも無いよ」
ジリアンが赤くなって口ごもる。
気になるが、聞きたくない気もする。
それより・・・
「俺がいない間に、色々変わったんだろ?クエストっていうのをやってみたい」
ジリアンに言うと、
「うん、是非やろう。理由は分からないけど、受けると変な空間に飛ばされるクエストがあるんだ。レベル上げとかもやりやすくなったよ」
ジリアンが嬉しそうに応える。
「はい、私も、ジリアンさんも、大分成長したんですよ!」
・・・何・・・だと・・・
俺が事務仕事している間に、たっぷりレベル上げしたと言うのか。
もう抜かされたかなあ・・・
「レベル何処まで上がったんだ?」
「はい、ランク2の400レベルです!」
上がりすぎだよ。
オーディンとアルテミス、また経験値倍率弄ったな。
「・・・そうか、俺とエイプリルはまだランク2の200前後だから、かなり差が開いてしまったな」
しばらくはエイプリルとペアかなあ。
「レベリングは手伝うから任せて下さい!」
リパーが嬉しそうに言う。
いや、自分のペースでやるから良いですよ?
クエスト、恐竜討伐、を受注する。
恐竜からは、肉を剥ぐ事ができ、その肉は美味しい、らしい。
森に入ると、空間が変わる。
インスタンスダンジョンの作成だ。
「クエスト専用の異空間に入ったね。3時間で自動的に崩れ、森の入り口に戻る、だから安心だよ」
ジリアンが言う。
「この中では、他のPTと鉢合わせしないそうです。そもそも、クエストを受けなければここでこんな変な場所に来る事もないので・・・本当に不思議です」
外は広葉樹の森が見えていたのに、今は熱帯雨林のような森に変わっている。
明らかにおかしいが、クエストの専用フィールドなんてそういうものです。
「ディーン」
エイプリルがちょいちょい、と肩をつつく。
「ん、エイプリル、どうした?」
エイプリルの言う方を見ると・・・あ、背景が不自然だ。
これ、グレアーの使い方ミスっているな。
むしろITで作った方が手堅くいけるんじゃないだろうか・・・
何とか伝えたいけど。
〈ほーほー、良ければ代わりに伝えましょうか?〉
んー・・・そうだな、御願い出来るか?
〈ほーほー、勿論です〉
さささっと書き殴り、封書をして、そっと空間に入れようとする・・・が、ふと気になって、すっとその手紙をとり、中身を見る。
『魂が籠もっていない。もっと使う人の事を考えて作れ』
と書かれていた。
びりびり
ストラスが書いた紙を破くと、羽伸ばしの刑に処す。
す
エイプリルが自分で書いた手紙をストラスに突きつける。
ストラスが渋々その手紙を取り、封書、空間に投げ入れる。
「・・・何やってるの?」
ジリアンが不思議そうに尋ねる。
「ちょっとニール様に伝えたい事を思い出したので、手紙を頼んだの」
「・・・そのストラスってふくろう、悪魔だっけ。遠隔地への手紙とか、凄いスキルもっているんだね」
ジリアンが感心して言う。
クエスト条件は、ティラノサウルス3体の討伐。
成竜でも幼竜でも達成になり、成竜は適正がランク3なので、幼竜を狙うのがセオリーだ。
はぐれた幼竜を見つけ、忍び寄る。
こちらに気づき、大口を開け襲いかかってくる。
「護れ!」
ジリアンが防御バフをかけ、大盾を持ってティラノサウルスの攻撃を弾く。
「射貫け!」
ドゴゥッ
リパーの弓が、ティラノサウルスの胸を貫く。
手慣れたコンビネーションだ。
ガッ
ジリアンが追い打ちでハンマーを振り下ろし、ティラノサウルスの頭を砕いた。
さささ
リパーが素材採取を実行、ティラノサウルスから肉を3塊剥ぐ。
「手慣れてるな」
俺が感心して言う。
「連携も抜群ね。私とディーンも頑張って連携を身につけないとね」
エイプリルが褒める。
「いや・・・その・・・確かに僕とリパーは連携上手くなったけど・・・僕もディーンと連携をどんどん」
ジリアンが言う。
「というか、私はディーンさんと相性いい筈です!」
リパーが言う。
いや、君達二人のペアで良いと思うんだけど。
まあ、色々な連携出来た方が可能性が広がるのは確かか。
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