第36話 魔石碑破壊のクエスト

酒場で魔石碑破壊のクエストを受け、酒場で貰った地図を頼りに探索、破壊を行っている。

マナの揺らぎからあたりをつけるチーム、その情報をもとに実際に現地に足を運び絞り込むチーム、そしてその情報から場所を特定、発見して破壊するチーム・・・

魔石碑破壊は、分担作業で実施している。


俺達が受けたのは、実際に破壊する役割。

ランクが低いから心配されたが、結局受ける事が出来た。

猫の手も借りたい状態らしい。


地図はリパーに渡してる。

リパーが有りそうな場所に案内、エイプリルが絞り込み、みんなで破壊、の流れだ。

他のチームが行った絞り込みは、精度に差があるらしく、リパーがピンポイントで案内できる場合と、結構広い範囲からエイプリルが絞り込む場合がある。

ピンポイントで案内できる時は、大抵、エイプリルは場所が分からないようだ。

隠蔽がかなり優秀らしい。

見つける人、良く見つけたなあ。


今回の物も、リパーがピンポイントで案内している。


「ここの・・・木の陰の・・・ここを掘ると、埋まっています」


リパーの指示に従い、俺とジリアンが土を掘り・・・

魔石碑・・・邪神像の上半身を掘り出す。


「・・・こんなの良く見つけたわね・・・ランク2だとさっぱり分からないわ。ランク4の人達が探すのかしら?」


エイプリルが感心して言う。


「でも、ここまで特定できるなら、自分で掘り出して壊せばいいのに、とも思うけどね」


ジリアンが首を傾げながら言う。


「探索に長けているけど、力がない・・・のかも知れないな。とは言え、ランク2の俺達でも壊せてるけどな」


ジリアンの言う通り、確かに不思議だなあ。


「よし、行くぞ」


俺はそう言うと、


ヒュンヒュン


槍をくるくる回す。

あまり意味はない。


ガッ


槍に魔力を込め、魔石碑に突き刺した。


「はああっ!」


ジリアンが虹色の光を纏った鎚で、魔石碑を打つ。


ビリリ


空気が震える。

ジリアンの攻撃が、一番破壊力がある。

鎚は、破壊に向いた武器だ。


「クエイク!」


エイプリルの詠唱が完成。

振動波が魔石碑を揺るがし、


「はっ!」


カッ


大量の魔力が籠もった矢を、リパーが放つ。

魔石碑が揺るぎ・・・


「クラック!」


俺が魔力を込めた槍で連撃を加え、


「オーバーブロウ!」


ジリアンの全力の一撃が決まり・・・


ガゴォ


魔石碑の頭部が弾け飛んだ。


「・・・お疲れ様」


みんなに微笑みながら言う。

みんなやれやれ、という顔だ。

反撃はして来ないけど・・・とにかく固い。


近くの木陰に入り、並んで座る。


「やっぱり固いですね・・・数日かけてまだ2桁いってません」


リパーが困ったように言う。


「それでも、初日よりは早くなっているよ」


ジリアンが言う。


「ジリアンのお陰だな。どんどん一撃が強力になってる気がする」


俺が言うと、


「鎚は破壊には便利だね。戦士系の職業なら更に強力なんだろうけど・・・」


ジリアンが言う。


「そうでもないんじゃないか?僧侶系のステータスが威力に反映されるみたいだし」


「・・・確かにそれはそうかも」


ジリアンが鎚をまじまじと見る。

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