第15話 ランクアップ

「オーディンさん・・・見て下さい、やりました!」


名前:リパー

種族:人間

職業:レンジャー

レベル:13/500

ランク:2

クラン:フリズスキャルヴ

スキル:

 虚空に消える財宝シークレットスペース

 真贋見抜く神眼アイデンティファイ


そっかあ、次は500レベルかあ。

気が長い。


「おめでとう、リパー」


「有り難うございます」


嬉しそうに照れるリパー。

レンジャー・・・確か非戦闘職だったかな。

戦闘は気持ち的にも苦手なのだろう。


「オーディン、僕はハイプリーストになったよ」


ジリアンが言う。


「おめでとう。パラディンとかを目指すのか?」


俺が問うと、


「パラディンとかになると、僕のせっかくとったスキルが無駄になる気がしてね。どうしたものか・・・普通に職業スロット追加した方が良かった気がしているよ」


思案げに言う。

僧侶クラスでも重装備を装備できて、技スキルも制限受けない・・・それが特性だしな。

にしても、


「誰も職業スロット追加も、経験値アップもつけてないよなあ」


「今にして思えば、堅実なスキルの方が良かったとは思うよ」


ジリアンが困ったように言う。

こういうのは、始めてみるまで分からないからなあ。


「私はウィッチですわ」


エイプリルが胸を張って言う。

ウィッチ・・・攻撃に特化したウィザードに比べ、補助魔法や妨害魔法もバランスよく使える・・・だったかな?

やっぱり魔法もやりたいなあ。


「とりあえず全員がランク2になるまでは、水晶の洞窟に通おうと思う・・・と言っても、俺だけなんだけど」


「オーディンさんが補助に徹して下さっていたので、オーディンさんに経験値が入ってない気がします!」


リパーが言う。


「確かに・・・後衛は僕が守るので、オーディンはある程度好きに動いてよ」


ジリアンが言う。


「私も魔法は少し控えますわ」


エイプリルの言う。

いや、あんたらの主神のせいなんだけどな、この差は。


水晶の洞窟で、昨日以上に激しく狩りをする。

リパーも大分慣れたようだ。

朝から夕方まで狩り、何とかランク2になる事が出来た。


「有り難う、動きやすかったよ」


俺が言うと、


「エイプリルはともかく、僕の配置はこれで良い気がするね。敵と斬り合うのも楽しいけど、護りに専念するのも楽しいよ」


ジリアンが言う。


ギルドで報告し、解散。

その後、教会に行きクラスチェンジを行おうと思ったが・・・アテナが転職クリスタルをアジトに一時的に設置してくれるらしい。

微妙にお金がかかるのだ。

ランク2ならともかく、ランク3、4と、飛躍的に増えて行く。

触媒もいるし。


アジト内の物なら、代金は不要で触媒もいらない。


「触媒付きのロスト職とかレア職もあるけど選んで良いでしょうか?」


「えっ・・・えっと・・・い・・・良いですよ。でもアジト内で転職したというのは内緒にする事」


アテナはロスト職やレア職の存在に気付いていなかったらしく、そう言う。

とは言え、ランク2の職業ならそう破格の性能でもないのだけど。


悩んだ末、結局通常職の槍術士を選ぶ。

槍を使う人は重装騎士、フルプレート等を付けて、重い槍に大きな盾を使う人が多いのだけど。

この職業は、軽鎧を着け、細槍で戦う。

早さとリーチで攪乱する戦い方だ。


アテナがほっとしている。


「せっかく転職したので、ちょっと試してきます」


「そろそろ夜なので気をつけて下さいねー」


アテナに見送られ、夜の森に入った。

昼間よりは強い魔物を倒しつつ、魔石を集め・・・数時間程してアジトへ帰還した。

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