第14話 成長速度
洞窟では、俺が先行、ジリアンがエイプリルを庇いつつ少し後ろ、最後尾をリパーが行く。
魔物は基本前方から来るが、時々後ろから来るので、リパーが必死に食い止める。
気のせいか、外より魔石のドロップ率が高い。
「きゃっ」
リパーが躱しきれず、傷が付く。
「ヒール」
ジリアンの回復で、リパーの傷が瞬時に治る。
「邪魔ですわ!」
エイプリルの炎の矢が、前方の敵を焼き尽くす。
俺は敵を牽制しつつ、余裕があれば魔力を込めた槍で敵を貫く。
「さっきのウルフとか言う奴の攻撃、全然見えなかった・・・もっと精進しないと駄目だな」
俺が言うと、
「そうだね、ランク4とか何時になる事か・・・今日にはランク2になれそうだけど」
ジリアンが言う。
・・・やばい、抜かされる。
あの神々に言って、経験値アップ解除して貰わないと。
アテナは多分、経験値アップはつけてくれないだろう。
「後は後から来たヴェルローズって女性・・・凄く強そうだったね。それに綺麗な方だった」
俺が言うと、
「オーディンさんは、ああいう女性が好みなんですか?」
何時もより低い声でリパーが言う。
どうした。
「好み・・・どうだろうな。美しいとは思うけどね」
「・・・そうですか」
何故かリパーのテンションが下がっている。
依頼対象の水晶・・・結構大きな塊があったりして、本来は何度かに分けて運ぶものらしい。
リパーが収納出来るので、楽ができている。
魔石も、1つ1つは小さいけど、結構ずっしりしているのと、量が多いので、これもリパーが活躍している。
「このあたりのキノコ、確か採取クエストがありましたわね」
エイプリルが言う。
「じゃあこれも持って行こうか」
俺はそう言い、キノコを採取してリパーに渡す。
採取クエストは、品物集めてきて、後から受注、納品も可能だ。
討伐の場合はこうはいかない。
ちらっとリパーを見るとまだ不機嫌だ。
「こう荷物が多い所だと、本当にリパーは役に立つな。助かるよ」
「・・・そ、そうですか」
褒めるとちょっとだけ調子が戻ったようだ。
「有り難う、リパー」
頭を撫でてやると、嬉しそうにする。
このくらいの歳の子は、褒められるのが好きなのだろう。
採取を終え、ギルドで報告する。
納品すると、2千万を超えた。
一人当たり500万。
アテナへの借金も一括返済できるはずだ。
「やりましたね!ランクも2になりましたし」
リパーが嬉しそうに言う。
あ、遅かった。
「うん、意外と早いものなのだね」
ジリアンが頷く。
「早速クラスチェンジですわ!」
エイプリルが嬉しそうに言う。
名前:オーディン
種族:人間
職業:ファイター
レベル:93/99
ランク:1
クラン:ふぁんしい
スキル:
なし
・・・くそ・・・早くあの神々を止めなくては・・・
「おや、オーディンさん、どうされました?そう言えば、オーディンさんはいつクラス2になったのですか?」
「・・・俺はまだクラス1だよ。経験値は、人によって得られる速度も違うし・・・何が経験になるかも違うからね」
何で俺はあの神々の為に言い訳してやっているんだ?
一体何倍に設定したんだ。
「・・・あ、そうなんですね」
「まあ、すぐに追いつくさ。大丈夫」
解散後、こっそりそれぞれの主神に会いに行き・・・経験値アップを止めさせた。
最初は10倍、今日は5倍だったらしい。
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