第7話 そろそろ

午後からはクエストを受ける。

クエストは別にキャンセル料は掛からない。

とりあえず受けるだけ受け、昨日の場所に。

目についた物を採取しつつ、目についた敵を倒す。


ゴブリン数体・・・攻撃を躱しつつ、魔力を纏わせた槍で貫く。

レベルが上がっているので、行動速度が上がっている。

最初より随分楽になった。

オーディンとの特訓の成果も出ている。


クエストカウンターに報告に行くと驚かれた。


「・・・凄いですね・・・何もスキル持っておられないんですよね?新人なのにここまで成長が早いとは・・・流石来訪者様です。そろそろ初級クエスト以外を受けても良さそうですね」


お金は31万も貰った。

日本の円とのレートは分からないけど、多分似たような感じ。

美味しいなあ。


クランに16万を納入する。


「・・・貴方凄いですね、3日目でこれですか。毎日クエストに行かなくても、休みの日を作っても良いですよ?」


アテナにも驚かれる。


「元々ゲームとか好きだったので、結構楽しいんですよ。成長もどんどんしていますし」


ふと気になって尋ねる。


「魔法を使うには、魔法職に転職する必要がありますか?」


「そうですね。職業毎にある程度決まっているので、それから外れた事は出来ないです。固有スキルには職業スロット増加とかもあった筈ですが・・・」


「はい、とろうとしていたのですが非常に残念です」


「あ、インテリアとか買ってきて下さったのですね。やはり貴方はセンスがいいですね」


話を逸らされた。


「とりあえず、魔法が使いたければ魔法を使える職業にクラスチェンジですね。今はとりあえず槍を極めるのも良さそうですが。ソロと槍は相性良いですしね」


アテナが言う。


「確かに槍は楽ですね・・・しばらくはソロ予定ですし」


「パーティーとか・・・後は相方とか見つけるのも良いかもしれませんね。人間同士番いとかを作ると良いでしょう・・・個人的には見境がないのには思うところがありますが、貴方の自由は束縛しませんので私は気にしないで下さいね」


・・・多分ゼウスだろうなあ。

娘は大変そうだ。


「まあしばらくはソロですねえ」


--


「上級クエスト、ですか?」


今日も薬草採取を終え、クエストカウンターで買い取って貰っていると、受付の人にそう勧められた。


「はい。薬草採取をして頂いているのは助かっていますし、周辺の敵を処理して頂いているのも助かっているのですが・・・オーディンさんの実力に見合う報酬を出せていないのが現状です。やはり、上位のクエストは貢献度も報酬も桁違いに高いので・・・」


「とは言え、まだ私はランク1ですしね」


「ランク1でどうして安定してここまで狩れているのかが分からないのですが・・・PTメンバーの方も優秀なのでしょうね」


「ソロですよ?」


受付がぴた、っと固まる。


「ソロで・・・魔石を1日に3桁って・・・一体どうやってるんですか・・・」


唖然として受付が言う。


「危険なので、そろそろPTを組むことも検討して下さい」


うーむ・・・ソロの方が気軽なんだよなあ。

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