第5話 オーディン

昨日の受付が居たので、再度そこに並ぶ。


「すみません、またクエスト頂けますか」


「あ、貴方はオーディンさん。そうですね・・・このあたりのクエストがお勧めで・・・後は昨日の薬草採取ですね」


「では、薬草採取と、ゴブリン討伐、モルルの枝採取を受けます」


「はい、御願いします・・・おや、クランに入りました?」


「はい、出来たばかりのクランですが」


「ふぁんしい・・・主神はネイムレス・・・確かに聞いた事がないクランですね・・・レベルもまだ0・・・苦労するかも知れませんが、確かに最初はこういうところしか入れないかも知れないですね。自分で貯蓄できる分、クラン未所属でいるのもメリットはあるのですが、それも考えておくと良いですよ」


「もう自分はここで頑張ると決めましたので」


「はい。頑張って下さいね」


昨日薬草を採取した場所に行き、薬草の採取・・・近くにモルルの枝も生えているのでそれも。

ゴブリンを見つけては倒し、ついでにウルフやビー、トードも倒して魔石を得る。


夕方近くまで狩り、ギルドに戻った。


「余分に採ってきた分は買い取って頂けますか?」


「はい、構わないですよ。人が多い場合は、一人でクエストを消費してしまうと、他の初心者に回らなくて困るのですが・・・最近は受ける人も少なくなってしまってむしろ素材は足りなくなっているので、歓迎します」


「後はこれが魔石で」


「・・・こんなにですか?最初は1体倒すだけでも大変な筈ですが・・・無理はしないで下さいね」


魔石と合わせ8万ゴールド程になった。

魔石が結構高く売れる。


名前:オーディン

種族:人間

職業:ファイター

レベル:13/99

ランク:1


レベルも上がっている。


アジトに戻ると、アテナの所にお客が来ていた。

黒ずくめの壮年の男性で、こちらに気付くと、笑みを向けてくる。


「キミがアテナの部下のオーディンくんだね。初めまして、私はタケルと名乗っている」


名乗っている・・・この人も神だとしたら、本名は別にあるのだろうか。


「本名をうかがうと問題が有りますか?」


男神?はにっと笑うと、


「別に構わないが・・・同じ名前の者が二人いると、混乱するかと思ってね」


「すみませんでした」


すみやかに土下座する。


男神・・・オーディンは苦笑して、


「構わないよ、私の名前を付ける人は多い」

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