第3話 ふぁんしい

言われたとおり薬草を・・・これかな?

初期武器のナイフで、茎の下の方から狩り、籠に入れる。

10個だっけな。


ガサッ


ゴブリンが現れる。

2体。


体感ゲーム等はやったことがある。

その感覚で、ゴブリンの攻撃を躱しつつ、攻撃。

何とか倒す。


コトッ


ゴブリンの内1体が、何かを落とす。

綺麗な石、中が光っている。

何かを感じる・・・多分魔力・・・多分魔石とかかな?

一緒に籠に入れておく。


目標数の薬草を集め、ギルドに納品。


「はい、受け取りました。これが報酬です。あ、魔石はギルドで買い取っても良いですが・・・クランに所属した後、クラン経由で納品するのが一般的です。クランの入団の際に要求される事もあるので、貯めておくと良いですよ」


「ありがとうございます」


「勿論、お金が足りなくなったら売ってしまうのも手ではありますね」


今回のクエスト報酬が2,000ゴールド。

これでどれだけ生活できるのか。


「有り難うございましたー」


「いえいえ、さっきはつい失礼な態度をとって申し訳ありませんでした」


受付がぺこりとする。


ギルドを出て・・・どうしよう。

宿屋を探したら良いのだろうか・・・ん。

あの後ろ姿は・・・


「あのー、すみません」


「はい、どうし・・・あ」


自分をスキル無しで此処に送った女神が、うろついていた。


「・・・女神違いです」


とぼける女神様。

いやいや。


「・・・怒ってませんから、最低限の案内とかして頂けますか?」


「・・・いやー・・・本来の担当なら出来るのですけどね。私も此処に来たばかりで、詳しくは知らないんですよ・・・あ、そうだキミ、これも何かの縁だし、私がクラン作るのでそれに入って下さい。この世界、クランに所属してないとかなり浮くらしくて・・・」


「クラン・・・そう言えばギルドで聞きましたね。分かりました、入ります」


「ふふ、有り難うございます・・・じゃあちょっと作ってきますので、ここで待っていて下さいね」


放置される事30分程?

女神様が戻ってくる。


「アジトも貰えましたよ。こっちだって」


狭く、ぼろいが、一応雨風は凌げる・・・そんな建物だ。

ベッドが1つ、ソファーが1つ。

毛布が1つ。


「女神様がベッド、私がソファーで寝ますね。毛布がもう一つ必要ですね。2,000ゴールドで買えるかな・・・?」


「・・・貨幣価値は分からないですねえ・・・?すみませんが見て来て頂けますか?・・・その前に、クランに加入させるので、こっち来て下さい」


「はい」


女神の傍に行く。


「汝、オーディン・・・って、また、大層な名前付けましたね」


女神が俺の付けた名前に反応して儀式を中断する。

つい。


「まあ、彼も気にしないでしょう。汝、オーディン・・・我が配下となり、クラン『ふぁんしい』への加入を望むか?」


何そのクラン名。


「はい、私は貴方の剣となりて仕える事を望みます」


「宜しい、汝を我がクランの一員と認める」


俺の体が光り、ステータスプレートとギルド証に、所属クランが浮かび上がる。

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