最終話 月兎は太陽神と跳ね踊る

 夏が終わりに近づき、朝方は少し肌寒くなっていた。もうじき行われる“LAS秋のイベント”に向けて職員たちも浮かれ始めていた。秋のイベント、と言ってもそんなたいそうなものではなく、職員たちが日頃の気晴らしに宴会を開くだけだ。

もっとも、フレンズである私達や来園者には関係のないイベントだ。




 夕方頃、浮かれている職員たちの顔が硬直した。原因はセルリアン発生のサイレンだ。

セルリアンは来園者の混乱を招かぬよう、発生しても秘密裏にハンター達が討伐していた。セルリアンの存在を知っているのは女王騒動の時戦っていた当時からのフレンズ、そしてLASの初期メンバー達だ。もともとLASはジャパリパークに縁のない組織だったが、LASは動物保護、被災地復興、環境保護と活動範囲が広い。女王騒動の時の復興作業に人手が足りず、パークが呼び掛けた際に名乗りを上げたのも納得できる。




 そんな組織がパークに来た時期は騒動真っ最中でセルリアンがわんさかいた時期でもあった。目撃しないはずがなかった。当時“15人”だった支部の初期メンバー達は例外としてパークから説明をうけ、復興作業に協力した。イザベラはそのうちの一人である。




 当然、現在56人いるメンバーのうちセルリアンの存在を知ってるのは今は“12人”しかいないので支部内は大混乱だった。








 避難勧告のサイレンの後、私は独りで調査に向かった。嫌な予感がするのだ。しばらくしてヤマドリとリーナがこちらに向かってくることを確信し、彼女らを待つことにした。事態は一刻を争うが、今回のセルリアンは今までのセルリアンと「なにか」が違う。


 昼過ぎのテレビで"今夜は満月"と言っていたのを聞いたが、私は決して自分の力に自惚れているわけではない。というか三日月なんだけど。じゃあ昼過ぎのアレはなんだったの?




 前回のセルリアンの戦闘は数か月前、ヤマドリと出会った時だった。その時、私たちは常に監視されているかもしれないという予想が当たった。道理で、わざわざ私のところまでインタビューしに来る輩がいるわけだ。




 例のサイレンでは言ってなかったので私の勘だが、敵はここ「オクバネ山脈」の深部にいる。おそらく“観測者”が発見してパーク本部に連絡を入れたように見える。いや、“監視者”か。前回の戦闘は人気が少ない夜中だったからサイレンを鳴らさず穏便に済ませたほうが都合がよかったのかもしれない。隠ぺいするという点では。



 しかし今回サイレンを鳴らしたのはおそらく人気のある所でセルリアンが暴れたか、場合によっては被害者も出たのだろう、隠ぺいより安全を優先した結果のはずだ。...となるともはや「バレて面倒なことになる」と自分の都合も言ってられなそうだ。Selene15を使うか...あるいは野生開放か。



 Selene15とは、ある研究者に作ってもらった対セルリアン用武器。しかし単体での威力はとても低く、正確に石を狙わないとダメージにすらならない。そこで私の能力『導きの月光』を使う。これによって正確な射撃ルートと射撃タイミングはほぼ問題ないだろう。問題は、石を出現させられるまでダメージを与えられるかどうかだが。はぁ、これを使うとまた入江さんとグリに何か言われそうだなぁ。あくまで自己防衛のために作ってもらったものなのに。




「おーいっルナー!」




リーナの呼び声だ。私はそれに呼応し二人と合流した。




「おい!ルナ!戦況は?」とリーナが息も切れきれで私に聞いてきた。




私は「戦況も何も、戦ってすらいないわよ」と答えた。




「そんなに厄介な相手?それともただ単に見つけれてないだけ?」と不安げな表情でヤマドリが聞いてくる。




「どちらかというと後者ね、苦戦は強いられることも頭にいれておいて」




「それと、貴方たち、ここに来るまでに何か異変に気付かなかった?」




私の問いかけに二人は顔を見合わせる。




「え?異変?うーんと...」




「急いできたから、特に気が付かなかったな...何か変わったことがあったのか?」




二人が頭の上にハテナマークを浮かべていたので今の状況を教えることにした。




「パークの外には“日本”という小さな島国があるわ。まぁパークよりは広いでしょうけど。」




「そこには“東北地方”というパークでいうところのホートクエリアに当たる地域があるんだけど、そこには針葉樹が多く生えてるわ。スギとかブナとか。あ、ブナは違うか。もちろん、このホートクもね」



「それがどうかしたのか?」と、リーナ



「スギの木っていうのはね、“常緑針葉樹”といって、一年中葉っぱを付けてる木なの。」



「ブナは冬になると葉っぱを落とす“落葉広葉樹”っていう種類の木なの。」




二人の頭にさらにハテナマークが増える。




「それで、ここ」

「生えてるのはどちらの木だと思う?」


あたりは葉をつけていない枯れ木のような木々が立ち並んでいる。


「えーっと...葉っぱを付けてないから......ブナ?」

「ブナじゃないのか?」


と、二人は答える


「違うわ、スギの木よ」


「…えと、もしかしてからかってる?」とリーナ。


「からかってなんていないわ。これがその異変よ。『常緑』なのに一斉に葉を落としている。それに木そのものにも生気を感じない。」



「...つまり......?」



「これは十中八九セルリアンの仕業と考えた方がよさそうってことよ。みて。」




ルナが指さした先は地面だ。点々と穴が開いている。




「これ...セルリアンの足跡か?」



「えっ!?なんか小さくない!?」



「足跡で姿や力量は想像しない方がいいかもね。前に戦ったセルリアンはこのぐらいの足跡で素早く動き、人間一人簡単に消し飛ばしたわよ。なんだっけ、フルバレットだっけ?」




絶句する二人。できることなら私だって絶句したい。




 しばらく探索して、あのセルリアンの能力が分かってきた気がする。恐らく「砂漠化」だ。最初に気付いた木の異変。そして川が枯れ果てていた。さらに追跡していくうちに土が砂状...というか地面から草が消えていた。ごつごつとした岩肌。枯れ果てる木々。森林に適さない土壌。水の流れない川。



 この現象、「砂漠化」というより、「月面化」の方があってるかもしれない。理由はあのセルリアン。姿風貌はまるでアポロ11号。自身の周囲の草木は砂と化し、少し離れた草木でさえ枯れている始末。




 私達は枯れ木の影からアレをみていた。アレは生命を吸収しているのだろうか?だとしたらそもそも近づくことすらできない。少し、様子を見ることにした。が、そうもいかないみたいだ。この先は「オクバネ公園」だ。オクバネ山脈中腹に存在する、すこし広めの公園。あそこに逃げ遅れているフレンズや人がいたら大変だ。私はSelene15を取り出し、弾倉を込めた。安全装置を外してコッキングする。フレンズの技である【導きの月光】を使い、セルリアンの左後ろ脚部を狙い撃つ。


 弾は命中し、弾丸内部の破片が炸裂する。この弾は硬いものに当たると中の金属片が炸裂する仕様である。弾が炸裂したということは...


「げ、相当硬いわねアイツ。」

「やれそうか?」

「わからない、何発か撃って弱点を探してみる。」


 もしあのセルリアンがアポロ11号の模倣だというなら、アポロ本体の中心より下部が柔らかいはずだ。

私はそこめがけて発砲する。弾は軽くめりこみ、破片は炸裂しない。よし、行ける。弱点は本体下部の青緑色の箇所だ。

おそらくそれ以外は攻撃してもほぼ無意味だろう。


「弱点は多分本体下部の青緑色のトコね。」



「それにしても、見向きもしないんだな。」



「私がやってみるよ。」




 意外にもヤマドリが先陣を切った。彼女は自身の武器である羽飾りがついた短剣を具現化する。…まるで生き写しね。

どうやら投げナイフのように使うらしい。それなら...


「私が導いてあげるわ。」


もう一度、【導きの月光】で短剣を投げるルートを表示する。ヤマドリは光のライン上に投げ、それはセルリアンに命中した。



≪█████~~~~~!!!!!!≫ 




声にならない声を発するセルリアン。やはりあそこが弱点で間違いなさそうだ。さて問題は...


「近づけるのかしら、アレ」

「なんか私たちの生命まで吸収されそうだよ~」

「まぁまだ全ての生命を吸収できるとは限らないけどな。」


 そうだ、異常が起きたのはなにも草木だけじゃない。土や川の水といったものも該当する。やはり一概に生命を吸収するわけじゃなさそうだ。...やはり砂漠化か?アポロの形をしていたからてっきり月のような環境にする能力かと思っていたが...別に空気がなくなるわけでもないとなれば...


「やっぱり砂漠化ね。」

「月面化じゃなくて?」

「たしかに、月面化というには酸素もあるし、どちらかというと【枯れてる】んだよな...」


 原因はおそらく中途半端にアポロの輝きを奪ったせいで“水や草木のないところ”というデータしか再現できていないせいだろう。...ほかの二人にケガをさせたくはない。


「よし、私から突っ込むわ。」

「大丈夫か?」

「えぇ。」


 私は大きな杵を具現化し、フレンズの技を使う。月が私を導いてくれている。

奴の叩くべき場所がよくわかる。


そして一気に間合いを詰める。迷いはない。



奴の足元に潜り込み、杵を思いっきり振りあげた。つもりでいた。



その時私は突然の浮遊感に驚愕する。

えっ?なにが起きた?気が付くと目の前には公園のベンチが迫っていた。






「「ルナ!!!」」






二人の声が遠くから聞こえてきて理解した。ベンチが飛んできたのではなく、私が飛ばされたのだ。あいつめ、硬い足を持ってる割には柔軟性とスピードまであるのか。

しかも予備動作もなく...くそ、二人は今のを見ただろうか?やるなら近づかずにヤマドリの投げナイフで応戦しなきゃだめだ......

...........................。







「くそっ、まじかよ!?」

「ルナちゃん、大丈夫かな?」


 あんなスピードが出るなんて完全に想定外だ。ヤマドリを連れて逃げるか?いや、ルナをおいては帰れない。

しかしルナのところに行くためにはこいつを倒さないといけないらしい。目が合った。


「ぐっ...!ヤマドリ!投げナイフだ!!近づくのは危険だ!」

「...わかった!」


ヤマドリは再びナイフを具現化した。


「ヤマドリ!私は揺動にでる!あいつを錯乱させるから隙を見て投げろ!」

「りょ、りょうかい...!」


私はセルリアンを中心に弧を描くように移動した。ヤマドリが私とは真逆に移動するのを確認して、


「こっちだ!セルリアン!」


と、水の塊を投げつける。私の武器は水。私の手元を離れても少しの間は形状を維持する不思議な水。

水の塊はセルリアンの少し手前で形状が元に戻る。つまり、ただの水がセルリアンを覆う。




≪██████████~~!!!≫




 またしても聞き取れるような聞き取れないような声でセルリアンは声を発する。そうか、元が機械だから水に弱いのか?本物のアポロならこの程度の水ぐらいどうってことないだろうに。やはり不完全に模倣しているみたいだ。



 二手に分かれた私たちを見てどちらを攻撃しようか悩んでいたようだが、今ので完全に標的が私に移った。

なんとなく性質がわかっても、やはり恐ろしいのはあの硬さから繰り出される素早く鞭のようにしなる脚部。

やっぱり接近戦は不利のようだ。人間より数倍丈夫なフレンズでさえ、食らったら生きてるかどうかも怪しい。もう少し左に移動してからもう一発撃ちこむ。軌道は先ほどとほぼ変わらない。が、


「なにっ!?」


 水の固定化が解けようとする直前、セルリアンの咆哮で水が一瞬で蒸発した。

しまった。”砂漠化”された...!


 その一瞬、セルリアンが咆哮しているときにヤマドリはナイフを投げていたが、ナイフは後方の足にはじかれてしまった。


ナイフも効かない。水も効かない。一体どうすれば...








...うわあ。



まさかフレンズが飛んでくるとは思わなかった。



...生きてる?とりあえずセルリアンは向こう向いてるし生存確認するなら今のうちかな。




「おーい?いきてるーー?」




...反応なし。うーーん、まじか。




「えぇっとぉ...もしかしてどっきり?近づいたら...わあ!みたいな...そんなわけないか」




 うーーーん、どうしよ~このフレンズさん絶対あのセルリアンにやられちゃったパターンだよねぇ...

とりあえず起こせるかもわかんないけど、やるだけやってみないと自分の身が危ない。私は戦闘用の野生開放じゃないからアレを倒すとなるとこのフレンズさんのサポートが必須...


「ねぇ!起きて!こんなところで寝てると風邪ひくよ!あっでも寝たくて寝てるわけじゃないし...うーん......」






 ...あれ?僕何してたんだっけ?えーっと...今日はリーナとヤマドリといつも通り遊びに行こうとして...それから...もしかして僕死んだ?意識がすごく遠い。


なんだか懐かしいような、最近のような...聞き覚えのある声がこだまする。


『ルナ、それ誰にやられたんだ?セルリアン?』


『すごいじゃないか!ルナ!』


『大丈夫!いつかルナも野生開放できるようになるさ!』


『なにか困ったことがあったらいつでも言えよ、私たちは...』




『親友じゃないか!』













はっと我に返る。そうだ、戦況は?リーナとヤマドリは大丈夫なのか?


「あ~~~!!!やっと起きた!!心配したのよ!」


聞き覚えのあるようなないような声がする。


「えっと...あなたは?」


と、問いかけている間に自分で思い出した。この子はたしか...


「どうも!旅をしているニホントカゲのアオイと申します!」

「とりあえず、無事でよかったですよぉ~」


そうそう、先日、LASに泊まりに来てた子、アオイ。

私はアオイに今何がどうなってるかを聞いた。


「そういえば、10分くらい前にセルリアンは森の中に入っていったわ。」

「私はどのくらい気絶してた?」

「ざっと30分」

「そう、あなたは早く避難しなさい。」

「冗談でしょう?私も戦いますよ!私の力はあなたの役に立つと思いますよ!」


そういわれても。頑丈なうえに目視できないあのスピードで次ぶん殴られたらさすがに戻ってこれない気がする。


「あなたはなにができるの?」

「まぁまぁ!時間が惜しいですし追いながら話しましょ!あ、立てます?」

「しかたないわね...」


立つのは特に苦ではなかった。小走りになりながらアオイと奴を追う。


「私の能力は自己再生!」

「いますぐ避難しなさい」

「待って!話を最後まで聞いて!!」


うむ、役には立たないかな、足手まといにもならなそうだけど。


「それで、なにか作戦とかはあるの?」

「はい!私が最初の一撃を死ぬ気で止めます!その間にあなたは強烈な一撃を奴に叩き込んでください!」

「却下」

「なんでぇっ!?」

「もし二足同時に攻撃が来たらどうするのよ。お互いにあの世いきだわ。」

「その点ならダイジョーブです!」


予想外の反応。その自信はいったいどこから来るんだ。それとも自意識過剰なのか?

...もうすこし話を聞いてみよう。


「あのセルリアンは見たところ四足歩行です!ほかのセルリアンと違って浮いている様子もないので攻撃に使える足は一本が限界のはずです!」

「なるほど...二本以上使うとバランスが崩れるから...」

「その通り!ただし...この作戦の弱点っていうか...どの足で攻撃してくるかがわからないと防ぎようがないんですよね」


あはは...と苦笑いする彼女だったが


「それなら私に任せて。どの足で攻撃してくるか、私が導いてあげる」

「おっ、導きの月光ですね!?」


 私が何で知ってると目線を送ったら彼女は「あはは...LASの職員さんに聞きました」と答えた。まったく、プライバシーもへったくれもないわね。だいたい、秋のイベントで浮かれすぎなのよ。

はあ、と大きなため息をついたところで、セルリアンが見えた。

リーナとヤマドリはとりあえず無事なようだ。


「あっ!無事だったか!」

「ルナちゃん助けて~打開策が思い浮かばないよ~」

「わかったわ、その前に、二人ともこっちに来て、今から作戦を伝えるからサポートは任せたわよ。」

「あっ!もしかしてあなたは!」


不意にアオイが声を張り上げる。


「さ...」


『探しましたよ!師匠!』


「師匠?その呼び方は...アオイか!」

「あら、知り合いだったのね」

「あぁ、昔に少し、な。」


その後、二人となんとか合流し、作戦を伝え、サポートをお願いする。


「さて、お願いできるかしら?」

「あたりまえだぜ。」

「もっちろん!」


二人が快く承諾してくれた。さぁ、私たちの反撃はここからだ。

リーナとヤマドリはセルリアンを対称に弧を描くように移動し、リーナは手元に水の塊を生成する。彼女は野生開放をしていた。まさか、人生で二度も見ることになるとは。


「リバーズインパクト!」


その掛け声とともに彼女の体が光り、手元から大量の水が高速で放出される。

セルリアンは気味の悪い雄たけびをあげ、水を蒸発させていく。が、間に合っていない。水を大量に喰らう羽目になったセルリアンはバランスを崩した。

気が付けばヤマドリの体も輝いていた。


「アオイ、耳をふさぎなさい!」


アオイは慌てて耳をフード越しにふさぐ。その後、凄まじい爆音が辺りを襲う。

あれはヤマドリの『ドラミング』だ。これを直で聞くとしばらく音が聞こえなくなる。


「よし、行くわよ。」


前と同じように一気に間合いを詰める。セルリアンの死角は『導きの月光』で表示済みだ。

足元までたどり着き、野生開放をして、力をためる。すると私から見てセルリアンの右の足が光った。月光による導きだ。

すかさずアオイが私と足の間に入り、受け止める姿勢をとる。


そのとき、私も準備が整った。バシッときれいな音が鳴る。アオイが受け止めたのだろう。

私は大きな杵を思いっきり上に振り上げた。別の足で攻撃しようとしてももう遅い。

月の公転速度で繰り出される地上最速の突き上げ。こんどはお前が吹っ飛ぶ番だ。石に当たった感覚があった。


セルリアンは空高く吹き飛ばされ、空中で消滅した。


「ふぅ、何とかなったな。」

「えぇ、本当...!?」


そこまで言いかけて私はアオイを見て驚愕する。腕が一本無い。


「あなた...その腕......」


意外にも、彼女はケロっとしていた。


「あ、これですか?すぐ生えますよ。」


そういうと、彼女の体が光った。そうか、彼女の野生開放は自己再生だったか。

あっという間に腕が生える。


「えへへ、ほら、トカゲって尻尾を切ってもまた生えてくるじゃないですか。それと同じ原理ですよ。」

「そんなもんなのか...?」


私とリーナは驚愕していたところにヤマドリが空から降りてくる。


「セルリアンは微塵も残らずきれいさっぱり消滅したよ~ルナちゃん、ドストライクだったねぇ~」

「そう、でもまだ安心できないわ。」


私の発言に三人は顔を見合わせる。

ありゃ、アポロ“11号”といった時点で二人は気づいてるものかと。


「あのセルリアンはアポロ11号の模倣体よ。経緯は分からないけどね。」

「ん?11号ってことは...」

「そ。正確には1号から18号まであるわ。そのうち月面着陸に成功したのは11、12、14、15、16、17号。」

「あぁ、じゃあそのセルリアンは11号と同じ能力を持ってる可能性が高いな...」


 三人が不安げな表情を見せる。そこでふと私は思った。アポロは確か2と3は欠番となってたはず。初号機も火災事故でなくなってるはずだからセルリアンにはなっていないんじゃないか。

まぁ、ひと段落したからべつに今は深く考え込む必要はないか...











その後、アオイと別れて私たちは他のアポロセルリアンを倒す旅に出ることにした。

どうせこのことも全部監視カメラで終始みてる人間はいるだろう。後処理は彼らに任せることにした。










































































































































「ただいまー!!ケーちゃん!帰ってきたよ!!」






「ふわぁ...お帰り。随分と遅かったね?」






「お土産話沢山あるんだ!今夜は寝かさないよ!」








END



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