第14話 女子だけの放課後
……もう疲れた。
何故かなんて原因ははっきり分かっているけれど、それに関しては何も言いたくない。
とにかく、入学初日から、ものっっ凄く疲れた。
「なんか初日からヤバげなタメ息だね」
「だね……。リオ、大丈夫?」
少し首をかしげながら聞いてくるハルが、なんだか子犬のようで可愛い。
「何もしてないのに疲れることってあるんだね……。」
はは、と力なく笑った私に、メグとハルは顔を見合わせて、いたずらを思いついたかのような笑みを浮かべた。
「んじゃ、疲れたときは甘いものってことで、フォトジェニックなパフェでも食べて帰りますか!」
メグがニッと目尻を下げて笑い、目の前に雑誌を広げて、スイーツの写真を指さした。
「ほら、ここ。カワイイっしょ?特にこの春限定のいちごパフェ!」
「雑誌を見て来たって言えば割引だって」
「可愛い」・「限定」・「割引」。
どれも心をくすぐる言葉だ。
何よりも、パフェの上を飾るたくさんのいちごの甘酸っぱさを想像すると、体が欲しているのか、なんだか無性に食べたくなった。
「行く!行きます!!」
「おー、その意気その意気!んじゃ行きますか!」
もうすっかり準備が出来ている二人に、私も慌ててカバンに教科書をつめる。
「そう言えば、昼一緒したし、御園のやつにも声かけた方が良いの?」
「えっ!いいよ、御園くん囲まれてるし!それに、ほら、女子会!女子会ってことで!」
「だね。こういうのは女の子だけだから楽しいかもだよ、メグ。」
「確かにそうだね。んじゃ、花の女子3人で、パフェ食べに行くぞー!」
先頭をきるメグ、ハルに続いて、私も教室を出る。
誘った方が良かったかな、なんて思いながら沢山のクラスメイトに囲まれている御園くんをちらりと見る。
一瞬、目が合ったような気がした。
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