第4話 多病の子

私自身は流石に3歳の頃の記憶は保育園に通ってからの時期はよく覚えていますが、1~2歳の頃の記憶はほとんどありません。

私のヒキの強さというのはどうやら持って生まれた素質の様で、それがいい意味でのヒキもあれば悪い意味でのヒキもあります。


いい意味ではベランダで兄と遊んでいて、兄がベランダの手すりの上を洗濯竿に掴まりながら歩いているのをまねて、自分もようやく、たち歩きが出来るくらいになったのに、そんなあほをやろうとして案の定ベランダから落下したものの、ビル風に救われて真っ直ぐに落下しないで8階から運よく6階のベランダに落下し、助かったという事がありました。


また、これは親の不注意もあるんでしょうが、缶詰の汁、サンマのかば焼きとかサバの味噌煮とか100円くらいで売ってますよね。あの缶詰の汁をご飯にぶっかけて食べてしまい、その油で腹を下して入院とか、そういう大当たりもしていました。

他にも沸騰しているやかんを直に触って大やけどしたり、

何をしていてそうなったのかは私も覚えがないし、当然目を離した母も見てないからわかりませんが、トイレの便器に顔を突っ込んで溺れ死にかけたりと、

まあ、ありえないようなことばかりやっていました。


母は子育てに大変だったと思いますが、それは肉体的にという問題だけじゃなく、父が無理して江東区のマンションを買ったために一時期銀行の預金残高がヒトケタしかなかったという強烈な綱渡りを経験したりしていたので、結婚して子供がいない時代はお気楽にやっていた内職のタイプを本格的に私が産まれてからやるようになりました。


私が保育園や幼稚園の時代の時が一番金策に苦しかったのでしょう。

私たちと両親の食事の内容が違っていたんです。

二人はおからばかり食っていて、私たちにはハンバーグやハムエッグなど当時の子供が大好きだった食事を食べさせてくれていました。


兄が手がかからないから私も多分そんなに手がかからないだろうと思って、内職の仕事量を増やしたみたいなのですが、何もないところで転んだり、どうすりゃそんな事故が起こせるんだというようなところで命の危険に繋がるような事故をやらかしたりと、母は内職にも子育てにも息が抜けない日が続き、多分、美容室には年に一度行けたらいい方だったと本人も言ってましたが、髪を切りに行く時間がなく、腰くらいまで髪を伸ばし、ネッカチーフでポニーテールにして髪をまとめていました。


それで散髪に行くとショートボブというかスポーツ刈り?くらいまで思いっきり刈り込んで帰ってくるので、一瞬、誰やこのおばはん?と勘狂う事がありました。

なんでそんな無茶苦茶な散髪をしていたかというと、美容師モデルで散髪代が無料になったからだそうです。


私はヒキが強いため、しょうもない事で体調を崩したり、怪我をしたりして、兎に角病院に通うのが多い子供でした。

どこの風習なのか知りませんが、昔、男の子は小さい時によく死に、女の子は比較的小さい時期には死なないので、男の子を男の子である事を隠して女の子として育てると無事丈夫な子に育つというわけのわからない風習があったようです。両親のどっちかの地域にそんな風習があったのか、両親の時代にはまだそんな風習が日本中のあちこちで残ってたのか知りません。

ただそんなわけで私は近所の女の子のおさがりを着させられて女の子の格好をして一時期育てられていたようです。流石に保育園に通うようになってからはそんな育て方はやめてしまったようです。


因みにこれと同じ風習のが三丁目の夕日という漫画に掲載されていて、驚きました。


私がまだゼロ歳の時から一緒に暮らしていた文鳥がいました。

母の長兄が私が産まれた日に孵化した文鳥のオスをプレゼントしてくれたのです。

ゴンという名前をつけていました。鳥なりに、ちゃんと見て家族関係を把握しているんですよね。だから両親や兄には割と懐いていたずらもしなかったのですが、私は一番下っ端という認識があり、私の頭の上や、肩の上など、必ず私に乗っているときに糞ばかりしていました。それでも自分と同い年のこの鳥を私は終始溺愛してかわいがっていました。


とくに病気やケガで家で養生していることも多かったので、そういうときの話し相手や遊び相手にゴンがなってくれていたので、私にとっては兄弟同然でした。


いつ頃から飼い始めたのか覚えていないのですが、多分この私が1~3歳くらいまでのあいだのいつかにリスも飼い始めていました。母はリスがすきじゃないといってたので、おそらく私か兄だろうと思うのですが飼いたいといってそれで飼っていたんだろうと思います。


病気やケガで家で養生していることが多かったのでペットと触れ合う時間を十分に取れたために鳥だけじゃなくリスなども多分飼い始めたんだろうと思います。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る