第1話長剣

「葛城 鴉の勝利。これにてランキング戦を終了とします。」


実習ルームに響く俺の勝利を示す音声。

相手が長剣だから苦戦を強いるかと思ったが、、、


「はっ、くっそ弱ぇじゃん」


俺が勝てた理由、端的に言うと、弱かった。例えどれだけ自分の剣と相性が悪くても使い手がダメなら剣も同様、ダメになる。

鼻で笑う俺を見上げるセンパイは、怒りが頂点に達したか、俺の胸ぐらを掴んで叫んだ。


「俺が、、俺がこんな一年坊主に負けるわけねぇ!なにかの間違いだ!もう一度だ、もう一度やるぞ!」


テンプレセリフ頂きました──と。


「せんぱぁい、もういちどやってもいいですけど、結果見えてますよね?自分でもわかってるんじゃないですかぁ?その剣は先輩じゃ扱えない。筋力が劣っているせいで剣に振り回されてる。諦めてククリナイフとかにでもしたらどうっすか?」


簡単な挑発、おつむの弱いこの先輩アホならのってくるだろ、ちょっとばかし暇つぶしになってもらおっかな♡


「言わせておけば、この、糞ガキがァァ!システム!ランキング戦から実習演習へ移行、武器装着許可申請!」


『申請を許可します。これより実習演習を始めます。一年葛城 鴉対二年小堂 光。演習を始めてください』


のった♡

わかりやすくて助かるぜ小堂先輩。

余裕綽々な俺に対し小堂は先ほどと同じ長剣片手に俺へと直進してくる。

俺はそれを薙ぎ払った。小堂と同じく長剣で。


「お前、ふざけてんのか?あぁ!?」


「いやいや、ちょっくら先輩に長剣のご指導をと思いまして」


馬鹿の一つ覚えのように一直線に進んでくる小堂の剣を受け流し、距離をとり長剣を両手で握りしめ構える。

そして次は俺が、突っ込んだ。自分の勢いと剣の重さに気を取られ、俺の剣をかわすことの出来ない小堂は、適当に剣を振り、からぶる。その空いた脇腹に俺の長剣が通り、演習は終了となった。



今日小堂を倒した事により俺のランキングは六九八位になり、進学が確定となり、俺に負けた小堂は一気に八百台へとランキングが落ち、落第、留年し、学園を去っていったらしい。

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グラディウス×レボルベル 烏丸 ノート @oishiishoyu

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