4話 悪魔 中編


「…んっ…!ここは……?」


どうやら俺はどこかに連れてこられたみたいだ。

誰って…?決まっている、あのくノ一に違いない…!

くそ…!俺の普通ライフがこれからって時によぉ…。

しかも、なんなんだよ悪魔って…!忍者なのに悪魔倒すってどういうことだよ…!ツッコミどころ多すぎだろ!

……違う…!これは夢だ!なんでこの可能性に気づかなかったんだ、俺は…!そういうことなら忍者が悪魔を倒すってことに納得いくぞ…!


「「夢なわけないだろう。」」


「…………おやすみ〜」


…あっれぇぇええ…??おっかしいなぁ?あの人どっかで見たことあるぞ?しかも、俺の心を読んだぞぉ?あれ、これデジャブなんですけどぉ?


「「そうだな、さっきも同じようなことしたもんな」」


「……くそぉぉおお!夢じゃなかったぁぁあああ!!」


まぁいい、現実を見ようではないか。とりあえず、今の現状を聞き出すんだ。


「あの〜すみま……」


「「今の現状か?あの後お前が気絶したのでな、私が君のことを担いで私の家まで連れてきた。…おっ、今でちょうど3時間ってとこだな。」」


「ちょっ、3時間もですか?!やばい!おかあ…」


「「お前の親には連絡しといた。あと、敬語はいい。同い年だからな」」


「そ、そだよねぇ…。」


起きてから、まともに喋ってねえ……。てか、こいつ初対面ってことはないけど、馴れ馴れしくね?てか初対面の時も言ってたし!

……まて、連絡した?


「ち、ちなみに何て連絡を…」


「「すみません、少し彼氏借りますねと。」」


こいつ……!なんてことを…!


「そ、そしたら、親はなんと…?」


「「えぇ!?浩ちゃんに彼女いたの?!今日は[彼女できたぜ!ブイブイパーティ]を開いちゃお♪、と」」


……な、なんてこった……!きっと俺は顔面蒼白しているだろう。帰ったあと親にどう説明すればいいんだよ!


「「大丈夫だ、あ…」」


「ちょっと、ストーーップ!!」


彼女は怪訝そうな顔をした。…意外とその顔怖いのでやめてください…!

さっき起こったことを含めて整理しよう。

6時頃、帰宅最中にくノ一出現。悪魔が俺に憑いてるよ宣言をされ、悪魔を倒した反動で俺気絶…。そんで3時間後に目を覚ました。親の方には嘘ではあるが、外出の了承を得ている。…得ているのか?まぁ、そこらへんは大丈夫だろう。でも、1つ、いや2つ気になることがあった。


「あの…1つ良いですか?」


「「悪魔のこと…か」」


もう心読まないでよ…!


「教えてもらえませんか……?」


俺は真剣に言った。本当は口外してはいけないことなのかもしれない。それでも、今まで憑いていたっていうのに、それに気づかないでいたっていうのが怖かった。だから知りたい。できれば、今後また憑くようであればそれを対処したい。そう思ったからだ。


「「……いいだろう」」


彼女は俺の真剣さを認めてくれたのか、溜息をつきながらも、答えてくれた。


「「……悪魔は、初めて抱いた深い悲しみで生まれ、…そしてその生んだものに取り憑く」」


彼女は躊躇うかのようにそう言った。

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