読書
翠幽月
無題
つい、先ほどのことである。いつものように読書に耽っていると、ふと眠気が襲った。私はいつも昼寝をしないように心がけているから、何とか眠らないように文字に神経を集中させた。しかし、なぜか眠気は収まらず意識を失った気がした。ハッと気が付いて、今日はやけに眠いなと感じながらまた本に意識を集中させた。
そして、目が覚めた。手元にある本は、読んでいたはずなのに一向に進んでいない気がした。奇妙なことに、どうやら私は夢の中で読書をしていたらしい。それを現実だと勘違いしていたのだ。普段から夢は見る方だが、それを現実だと思ったことはない。だが、今回はあまりにもリアリティーで現実だと思ってしまった。夢から覚めた後、雪女にあった男のことを思いだした。きっと、男は怖くて、震えがっただろう。そこまでとは言わないけれど、心臓が冷たくなるほどの恐怖を覚えた。リアルな夢を見るのも恐怖であると初めて思った。
あの夢は本当に夢だったのだろうか、それとも私がただぼんやりとした意識の中で見た錯覚だったのだろうか? もう、確かめるすべはない。ただ、夢はしばらく見たくない。
読書 翠幽月 @long-sleep
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