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2018年12月11日 09:07 編集済
やっと、ここまで、こぎつけましたね。 目出たいことです。 2人はくっつくと分かっているという前提に、どのようにハードルを設けていくか、どのようにそのハードルを越えさせるのか、この作品はそんな難しい課題をうまくクリアしたと思いました。 その最後のハードルが、直前まで、心と口が違うアメリさんでした。 そんな心と口が違うなんてことはないだろうと思う男性もいれば、そうそう、そんな風に逆を言っちゃうこともあるよと言う女性もいることでしょう。 常にという訳ではないと思いますが、心と口が違ってしまうことは、現実に有り得るのです。 この作品のアメリさんは、好きな男性に対しては、恋する感情とは逆なことを、ほぼ100%言ってしまう感じです。 常にではない現実を、作品ではほぼ100%に引き上げている。この作品はそこをうまく利用できていたと思いました。 そこで、「ほぼ」というところが重要で、例外があるのです。その針の穴ほどの例外を、作り出すようなストーリーがよかったです。 不器用なリュックさんが、どうやってアメリさんの例外を作り出していくのか、それを受けたアメリさんが自ら例外になっていく気持ち、そこに面白さを感じました。 両親の許可もありましたが、リュックさんの一番は、アメリさんのお母さんフランソワーズさんの一言でした。 「押してもダメなら時には引いてみることね」 この言葉がリュックさんにとっての決め手だったと思いました。 そして、ビアンカさんの魔法石が助力してくれましたが、アメリさんの一番の決め手は、お父さんの言葉でした。 『私の小さなお姫様は彼女だけの王子様を見つけて、誰よりも幸せになるのだからね』 つまり、アメリさんのお父さんとお母さんが、アメリさんの心と口が違う例外を作ってくれたのです。 そう! 一番の後押しをしてくれたのが、その両親でした。 恋する2人のお話ですが、私は見守る両親も想ってしまいました。なんか、嬉しかったです。 そして、アメリさんが恋愛の心と口が違う性格を持っていたからこそ、「イヤだ、リュック。行かないで」、「松葉杖も放り出して倒れこむようにしてしがみついた」のように、ダムが決壊するような激しい感情を爆発させることができた思いました。 ここまで、こつこつと育て上げてきた花が、一気に開花した思いでした。 あー、なんと、目出たいことなんでしょう。 このコメントの始め、固い書き方になってしまい、申し訳ありませんでした。アメリさんの両親に気づいたので、少し冷静になってから書き出しました。 そのお父さんが出てきたところには意表を突かれました。 こんな隠し球があったとは、思いもよりませんでした。 きちんと作り込まれている証拠ですね。 リュックさんの「良く言えました」はスゲーカッコよかったです。男冥利に尽きるというものです。 国王陛下の「少々ややこしいこと」もよかったです。王妃様の顔が目に浮かびました。 心と逆を言った「婚姻前契約」の件(くだり)も面白かったです。リュックさんの「愛人を作るって大前提」という反応が特にそうでした。 これで、一番大きなハードルを越えました。 今後、どのように閉じられていくのか? そこに、注目しましょう。 いやー、両親の後押しが、メッチャよかったです~~。 今回も、ありがとうございました。
作者からの返信
ここまで来るのに三十話、7万7千字、馬車で丸一日かかる距離を費やしました。やっと作者の肩の荷も下り、読者の皆さまも安心されたことと思います。 リュックが現れた時に最初アメリは何を言い出すのだろうと作者の私まで頭を抱えておりました。全くもって彼女は心で思っていることがきちんと口に出せない人でした。 リュックには身分に見合う、両親に祝福される結婚をして欲しいというだけの切なる想いなのでしょうが……全くもう本当に手の焼けるアメリでした。 お母さんのフランソワーズさんの助言通り、リュックは一旦引いてみましたね。彼の去って行く背中を見ながらアメリを突き動かしたのはお父さんの言葉でした。 物語の構成上、泣く泣くアメリのお父さんとお兄さんは海の事故で亡くなるという設定にしてしまいました。それでもやっぱりアメリはファザコンと言えるくらいのお父さんっ子なので、天国のお父さんも少しは活躍させることで私の罪悪感も少し紛れました。お兄さんのフェリックスさんのこともアメリとフランソワーズさんは折に触れて良く思い出しています。 懐かしいお父さんの言葉がアメリの耳に聞こえてきて、彼女が松葉杖を放り出してリュックにしがみつく場面はこの物語の中で私の好きな場面の一つです。リュックの「良く言えました」もいいですよね。なんかアメリが絶対すぐにはうんと言わないって分かっていたようです、彼は。 国王陛下は「少々ややこしい事態」に陥ったため、リュックとアメリをさっさと婚約させる王命を下しました。こののっぴきならない事態については本編終了後に番外編を書いておりますのでよろしかったらそちらのことも頭に留めおいていただけると嬉しいです。 アメリはリュックに婚姻前契約などを持ちかけていましたが、これは物語を思いついた時点で既にアメリに言わせようと考えていました。アメリもこんな契約を持ち出すのは本意ではなかったのでしょうが、作者としてはどうしても言わせてみたかったのです。アメリが意地っ張りぶりを大いに発揮した一場面でした。 物語が大団円を迎えるための大障壁であった意地っ張りアメリが素直になったので、物語はハッピーエンドに向けて加速します。この後は最終話まで大した問題もきっと起こらない?と思われます。リラックスして二人の甘々ぶりをお楽しみください。 天国のアメリパパとお兄さんも喜んでいることと思います。
2018年4月22日 19:15
ようやく想いを告げられて、よかったねアメリ!と読んでいるこちらも嬉しくなりました。王都で起こっている「少々ややこしい事態」も気になりますが。
南部まではるばるやって来たリュック、やっといい返事がもらえました!これで一安心です。『少々ややこしい事態』はすぐに収まりました。ご心配なく。でも面白い(面白がるな?)のでミニ番外編でも書こうかなーなんて思っております。
2018年4月22日 18:56
やっっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!再会した時の第一声が『ゲッ』だった時はどうなることかと思いましたけど、無事想いが通じ合ってよかった。そうだよアメリ、素直が一番。家柄良し、実力もある、浮気をしないと言い張る、こんな良い物件中々ないからもう離しちゃダメだよ。
ここまで漕ぎ着けるのに三十話、7万7千字、馬車で丸一日かかる距離を費やしました。作者もとりあえず肩の荷がおりました。はぁー。「俺は浮気はしない!」とハッキリ宣言したわけではありませんが、リュックは一度アメリを好きになったと自覚してからは彼女一筋ですから大丈夫です!
編集済
やっと、ここまで、こぎつけましたね。
目出たいことです。
2人はくっつくと分かっているという前提に、どのようにハードルを設けていくか、どのようにそのハードルを越えさせるのか、この作品はそんな難しい課題をうまくクリアしたと思いました。
その最後のハードルが、直前まで、心と口が違うアメリさんでした。
そんな心と口が違うなんてことはないだろうと思う男性もいれば、そうそう、そんな風に逆を言っちゃうこともあるよと言う女性もいることでしょう。
常にという訳ではないと思いますが、心と口が違ってしまうことは、現実に有り得るのです。
この作品のアメリさんは、好きな男性に対しては、恋する感情とは逆なことを、ほぼ100%言ってしまう感じです。
常にではない現実を、作品ではほぼ100%に引き上げている。この作品はそこをうまく利用できていたと思いました。
そこで、「ほぼ」というところが重要で、例外があるのです。その針の穴ほどの例外を、作り出すようなストーリーがよかったです。
不器用なリュックさんが、どうやってアメリさんの例外を作り出していくのか、それを受けたアメリさんが自ら例外になっていく気持ち、そこに面白さを感じました。
両親の許可もありましたが、リュックさんの一番は、アメリさんのお母さんフランソワーズさんの一言でした。
「押してもダメなら時には引いてみることね」
この言葉がリュックさんにとっての決め手だったと思いました。
そして、ビアンカさんの魔法石が助力してくれましたが、アメリさんの一番の決め手は、お父さんの言葉でした。
『私の小さなお姫様は彼女だけの王子様を見つけて、誰よりも幸せになるのだからね』
つまり、アメリさんのお父さんとお母さんが、アメリさんの心と口が違う例外を作ってくれたのです。
そう! 一番の後押しをしてくれたのが、その両親でした。
恋する2人のお話ですが、私は見守る両親も想ってしまいました。なんか、嬉しかったです。
そして、アメリさんが恋愛の心と口が違う性格を持っていたからこそ、「イヤだ、リュック。行かないで」、「松葉杖も放り出して倒れこむようにしてしがみついた」のように、ダムが決壊するような激しい感情を爆発させることができた思いました。
ここまで、こつこつと育て上げてきた花が、一気に開花した思いでした。
あー、なんと、目出たいことなんでしょう。
このコメントの始め、固い書き方になってしまい、申し訳ありませんでした。アメリさんの両親に気づいたので、少し冷静になってから書き出しました。
そのお父さんが出てきたところには意表を突かれました。
こんな隠し球があったとは、思いもよりませんでした。
きちんと作り込まれている証拠ですね。
リュックさんの「良く言えました」はスゲーカッコよかったです。男冥利に尽きるというものです。
国王陛下の「少々ややこしいこと」もよかったです。王妃様の顔が目に浮かびました。
心と逆を言った「婚姻前契約」の件(くだり)も面白かったです。リュックさんの「愛人を作るって大前提」という反応が特にそうでした。
これで、一番大きなハードルを越えました。
今後、どのように閉じられていくのか?
そこに、注目しましょう。
いやー、両親の後押しが、メッチャよかったです~~。
今回も、ありがとうございました。
作者からの返信
ここまで来るのに三十話、7万7千字、馬車で丸一日かかる距離を費やしました。やっと作者の肩の荷も下り、読者の皆さまも安心されたことと思います。
リュックが現れた時に最初アメリは何を言い出すのだろうと作者の私まで頭を抱えておりました。全くもって彼女は心で思っていることがきちんと口に出せない人でした。
リュックには身分に見合う、両親に祝福される結婚をして欲しいというだけの切なる想いなのでしょうが……全くもう本当に手の焼けるアメリでした。
お母さんのフランソワーズさんの助言通り、リュックは一旦引いてみましたね。彼の去って行く背中を見ながらアメリを突き動かしたのはお父さんの言葉でした。
物語の構成上、泣く泣くアメリのお父さんとお兄さんは海の事故で亡くなるという設定にしてしまいました。それでもやっぱりアメリはファザコンと言えるくらいのお父さんっ子なので、天国のお父さんも少しは活躍させることで私の罪悪感も少し紛れました。お兄さんのフェリックスさんのこともアメリとフランソワーズさんは折に触れて良く思い出しています。
懐かしいお父さんの言葉がアメリの耳に聞こえてきて、彼女が松葉杖を放り出してリュックにしがみつく場面はこの物語の中で私の好きな場面の一つです。リュックの「良く言えました」もいいですよね。なんかアメリが絶対すぐにはうんと言わないって分かっていたようです、彼は。
国王陛下は「少々ややこしい事態」に陥ったため、リュックとアメリをさっさと婚約させる王命を下しました。こののっぴきならない事態については本編終了後に番外編を書いておりますのでよろしかったらそちらのことも頭に留めおいていただけると嬉しいです。
アメリはリュックに婚姻前契約などを持ちかけていましたが、これは物語を思いついた時点で既にアメリに言わせようと考えていました。アメリもこんな契約を持ち出すのは本意ではなかったのでしょうが、作者としてはどうしても言わせてみたかったのです。アメリが意地っ張りぶりを大いに発揮した一場面でした。
物語が大団円を迎えるための大障壁であった意地っ張りアメリが素直になったので、物語はハッピーエンドに向けて加速します。この後は最終話まで大した問題もきっと起こらない?と思われます。リラックスして二人の甘々ぶりをお楽しみください。
天国のアメリパパとお兄さんも喜んでいることと思います。