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2018年10月12日 08:17 編集済
なるほどでした。 アルバイトのような副業をやっているという設定は、こういう再会を視野に入れていたのですね。 女性にとっては、タイミングの悪い再会だったと思います。薄汚れた下女の服装なんですから。 おしゃれをした姿を見て欲しかったことでしょう。 アメリさんもドレス姿での再会を望んでいたようでした。子爵令嬢という肩書きがあれば可能だったかも知れませんね。 でも、この再会の方がよかったと、後になって思うことでしょう。 だって、リュックさんの飾らない私的な言動・行動を目(ま)の当たりにできたのですから。 舞踏会とかであるならば、公式的な着飾った言葉が発せられていたかも知れません。そうだったなら、リュックさんの発言が、本音だったのか建前だったのか、悩む場面だって考えられます。 リュックさんの雰囲気を肌で感じることができて、アメリさんにとってもよかったと思いました。 そのリュックさんも立派でした。 どこが? というと、アメリさんが下女をやっている理由を一番に聞いていません。 無神経な人間なら、「商家の娘が、どうして、そんな仕事を?」とか、「商売がうまくいってないの?」とか、聞いてしまうことでしょう。 後の会話、父親が亡くなり、母方の実家に入ったと聞いて、ある程度察したことと思います。子爵とは、うまくいっていないのかも……とか。 事情を一番に聞かなかったことは賢明でした。人として、男性として、読者からの株が上がったことでしょう。 そして、アメリさんも意外と大胆と感じました。 入場券は1枚でいいと言った場面です。 リュックさんは会った時の光景から、アメリさんは一緒にいたビアンカさんと親しいと思ったのでしょう。だから、一緒に行きたい人とか、聞いてくれました。 でも、アメリさんはそこまでの配慮を知りつつ、1枚でいいのと答えました。他に神経を使うことなく、リュックさんの活躍を1人で見たかったのかな? とも受け取れます。 もしかしたら、ビアンカさんが一緒来れないと、知っていたかも知れませんが……。 ただ、1枚でいいと聞いたリュックさんは、ちょっと期待したかも知れませんね。 一緒に来る男はいないようだ、とかね。 ひとつ、不安を忍ばせる材料が残されました。 アメリさんは、その入場券を女官長室の気付けで頼んでいます。もしかしたら、複数の女性が見るかも知れません。 あの近衛騎士のリュックさんから何かの券が届いているとか、噂になるかも知れませんね。 そして、ラストに「碧い瞳」が出てきました。 憎いほどに、うまい幕引きと思いました。手本にしたいところです。 また、副業を設定したというところは、アメリさんがビアンカさんと会う機会を増やせます。ストーリーを作り易くなると思いました。 私のように行き当たりばったりではなく、早い段階から構想された巧妙な仕掛けに感心しました。 そのビアンカさんは、ちゃんと気を利かせて、すぐにその場から退散しています。再会シーンをもっと見物したいところでしょうが、礼儀が身についた女性なら、こうですよね。 アメリさんが人目を気にする場面は、現実味のあるシーンでした。小さいかも知れませんが、このようなシーンを差し込むと、ストーリーと読者の距離を縮められると感じました。いいエピソードと思いました。 最後に細かいことですが、今回は読んでいて一箇所、引っかかってしまいました。 「ビアンカはにっこりと笑い肘でアメリをつつきながらリュックに頭を下げる」の部分です。 私は勉強不足なので、「笑い肘」なるものが存在すると、錯覚してしまいました。でも、上記引用文を最後まで読むと、そうではないと分かりました。 「笑い」と「肘」の間に「、」を入れてはどうでしょうか? 区切りを設けた方が、すんなりと通り抜けられると思いました。 細かい指摘で申し訳ありません。
作者からの返信
はい、正にそうなのです。アメリとビアンカが副業を入れているのは勿論お金のためなのですが、アメリがよりリュックと会う機会を増やしたかったという作者の思惑でした。二人の再会はアメリが副業中で、リュックに彼女がどれだけ苦労をしてきたのかを思い知らせたかったのです。アメリはもっとロマンティックな再会が良かったのでしょうけれども! それでも、リュックは子供の時にアメリが隣の屋敷を引き払うことになった事情は多少なりとも知っていますから隠す必要もありません。少々後になりますが、そうやって苦労して健気に頑張っているアメリにリュックは好感を抱いているのですね。 リュックも近衛騎士にまでなり、次期伯爵という素晴らしい肩書を持ち、王宮でも人気を誇っているのですが、根は気取らず威張らずいい奴なのですね。そういう彼の一面を少し見てもらいたかったのです。アメリの境遇についても、彼は色々考えることはあったでしょう。 アメリが騎士道大会の券は一枚でいいと言ったのは、もちろん一緒に行けるような恋人もいないですし、侍女の仕事も自由に休めるわけではないので興味がないかもしれないビアンカを誘っても券が無駄になるかもしれないという考えからです。アメリは自分だけは何としてでもリュックの雄姿を見るために仕事の都合をつけるつもりです。とりあえず、リュックには今付き合っている人はいないよ、というアピールにはなったかもしれませんね。 ビアンカは幼馴染みの二人の再会に興味津々でしょうが、やはりここは親友として二人きりにさせてあげます。アメリは下女姿の自分に騎士であるリュックが話しかけているところを人に見られないか心配りを忘れません。さすが、王宮侍女です。 女官長室宛ての文はリゼット女官長が責任を持って本人に直接渡します。宿舎に住む使用人達の個人情報は一応守られています。リゼット女官長ってそのような心配りの出来る人だと、作者の私は設定しています。ご心配には及びません。 さて、主人公二人の外見ですが、リュックは肩より少し下に伸びた金髪を後ろでしばっています。眼は青色です。アメリは父親譲りの茶色の髪にはしばみ色の瞳。女性にしては背が高くすらっとしているのです。 ビアンカとアメリは職場は違っても、宿舎に戻れば会えますから彼女たち二人の会う頻度は副業のあるなしにはあまり関係してきません。しかしこの後ビアンカはクロードと出会い魔術塔勤務になり、副業も出来なくなりますから、アメリと二人侍女だった頃から比べると少し会える機会が減ることになってしまいますね。 最後に、笑い肘ですが、早速直しておきました。ご指摘ありがとうございます! 全く亜逢さまのおっしゃる通りですね。私は時々読点を打たずにだらだらと長い文を書く癖があります。気を付けるようにはしていますが、中々自分では気づかない時も多いのです。
2018年4月22日 18:14
いやいやいやいやいやいや!大丈夫、アメリ!シンデレラだって、灰をかぶってたけど、最後は王子様と幸せになったんだもの!
こちらの作品も読んで頂けて嬉しいです。コメントありがとうございます。そうです、アメリ。リュックは貴女のことを覚えていて、すぐに分かってもらえたではないですか!
2018年3月27日 21:20
リュックとの再会シーンにわくわくしました。アメリの心情が可愛いです。
コメントありがとうございます。なんだかんだ言っても、実は健気で可愛いアメリなのです。
編集済
なるほどでした。
アルバイトのような副業をやっているという設定は、こういう再会を視野に入れていたのですね。
女性にとっては、タイミングの悪い再会だったと思います。薄汚れた下女の服装なんですから。
おしゃれをした姿を見て欲しかったことでしょう。
アメリさんもドレス姿での再会を望んでいたようでした。子爵令嬢という肩書きがあれば可能だったかも知れませんね。
でも、この再会の方がよかったと、後になって思うことでしょう。
だって、リュックさんの飾らない私的な言動・行動を目(ま)の当たりにできたのですから。
舞踏会とかであるならば、公式的な着飾った言葉が発せられていたかも知れません。そうだったなら、リュックさんの発言が、本音だったのか建前だったのか、悩む場面だって考えられます。
リュックさんの雰囲気を肌で感じることができて、アメリさんにとってもよかったと思いました。
そのリュックさんも立派でした。
どこが? というと、アメリさんが下女をやっている理由を一番に聞いていません。
無神経な人間なら、「商家の娘が、どうして、そんな仕事を?」とか、「商売がうまくいってないの?」とか、聞いてしまうことでしょう。
後の会話、父親が亡くなり、母方の実家に入ったと聞いて、ある程度察したことと思います。子爵とは、うまくいっていないのかも……とか。
事情を一番に聞かなかったことは賢明でした。人として、男性として、読者からの株が上がったことでしょう。
そして、アメリさんも意外と大胆と感じました。
入場券は1枚でいいと言った場面です。
リュックさんは会った時の光景から、アメリさんは一緒にいたビアンカさんと親しいと思ったのでしょう。だから、一緒に行きたい人とか、聞いてくれました。
でも、アメリさんはそこまでの配慮を知りつつ、1枚でいいのと答えました。他に神経を使うことなく、リュックさんの活躍を1人で見たかったのかな? とも受け取れます。
もしかしたら、ビアンカさんが一緒来れないと、知っていたかも知れませんが……。
ただ、1枚でいいと聞いたリュックさんは、ちょっと期待したかも知れませんね。
一緒に来る男はいないようだ、とかね。
ひとつ、不安を忍ばせる材料が残されました。
アメリさんは、その入場券を女官長室の気付けで頼んでいます。もしかしたら、複数の女性が見るかも知れません。
あの近衛騎士のリュックさんから何かの券が届いているとか、噂になるかも知れませんね。
そして、ラストに「碧い瞳」が出てきました。
憎いほどに、うまい幕引きと思いました。手本にしたいところです。
また、副業を設定したというところは、アメリさんがビアンカさんと会う機会を増やせます。ストーリーを作り易くなると思いました。
私のように行き当たりばったりではなく、早い段階から構想された巧妙な仕掛けに感心しました。
そのビアンカさんは、ちゃんと気を利かせて、すぐにその場から退散しています。再会シーンをもっと見物したいところでしょうが、礼儀が身についた女性なら、こうですよね。
アメリさんが人目を気にする場面は、現実味のあるシーンでした。小さいかも知れませんが、このようなシーンを差し込むと、ストーリーと読者の距離を縮められると感じました。いいエピソードと思いました。
最後に細かいことですが、今回は読んでいて一箇所、引っかかってしまいました。
「ビアンカはにっこりと笑い肘でアメリをつつきながらリュックに頭を下げる」の部分です。
私は勉強不足なので、「笑い肘」なるものが存在すると、錯覚してしまいました。でも、上記引用文を最後まで読むと、そうではないと分かりました。
「笑い」と「肘」の間に「、」を入れてはどうでしょうか?
区切りを設けた方が、すんなりと通り抜けられると思いました。
細かい指摘で申し訳ありません。
作者からの返信
はい、正にそうなのです。アメリとビアンカが副業を入れているのは勿論お金のためなのですが、アメリがよりリュックと会う機会を増やしたかったという作者の思惑でした。二人の再会はアメリが副業中で、リュックに彼女がどれだけ苦労をしてきたのかを思い知らせたかったのです。アメリはもっとロマンティックな再会が良かったのでしょうけれども!
それでも、リュックは子供の時にアメリが隣の屋敷を引き払うことになった事情は多少なりとも知っていますから隠す必要もありません。少々後になりますが、そうやって苦労して健気に頑張っているアメリにリュックは好感を抱いているのですね。
リュックも近衛騎士にまでなり、次期伯爵という素晴らしい肩書を持ち、王宮でも人気を誇っているのですが、根は気取らず威張らずいい奴なのですね。そういう彼の一面を少し見てもらいたかったのです。アメリの境遇についても、彼は色々考えることはあったでしょう。
アメリが騎士道大会の券は一枚でいいと言ったのは、もちろん一緒に行けるような恋人もいないですし、侍女の仕事も自由に休めるわけではないので興味がないかもしれないビアンカを誘っても券が無駄になるかもしれないという考えからです。アメリは自分だけは何としてでもリュックの雄姿を見るために仕事の都合をつけるつもりです。とりあえず、リュックには今付き合っている人はいないよ、というアピールにはなったかもしれませんね。
ビアンカは幼馴染みの二人の再会に興味津々でしょうが、やはりここは親友として二人きりにさせてあげます。アメリは下女姿の自分に騎士であるリュックが話しかけているところを人に見られないか心配りを忘れません。さすが、王宮侍女です。
女官長室宛ての文はリゼット女官長が責任を持って本人に直接渡します。宿舎に住む使用人達の個人情報は一応守られています。リゼット女官長ってそのような心配りの出来る人だと、作者の私は設定しています。ご心配には及びません。
さて、主人公二人の外見ですが、リュックは肩より少し下に伸びた金髪を後ろでしばっています。眼は青色です。アメリは父親譲りの茶色の髪にはしばみ色の瞳。女性にしては背が高くすらっとしているのです。
ビアンカとアメリは職場は違っても、宿舎に戻れば会えますから彼女たち二人の会う頻度は副業のあるなしにはあまり関係してきません。しかしこの後ビアンカはクロードと出会い魔術塔勤務になり、副業も出来なくなりますから、アメリと二人侍女だった頃から比べると少し会える機会が減ることになってしまいますね。
最後に、笑い肘ですが、早速直しておきました。ご指摘ありがとうございます! 全く亜逢さまのおっしゃる通りですね。私は時々読点を打たずにだらだらと長い文を書く癖があります。気を付けるようにはしていますが、中々自分では気づかない時も多いのです。