アメリさんが幼い頃に付き合いがあったパン屋さんが出てきました。
パレードを見たパン屋さんって、そのパン屋さんだったんですね。
つながりに、なんかホッとしました。
同じパレードでも視点が違っているのもよかったです。見たい人物、想う人物の違いで印象も変わるものです。
治療費節約のために医者に行かないなんて、なんと頑固なんでしょう。
自分の怪我だから我慢できると思ったのでしょう。
逆にビアンカさんが同じような怪我を負ったら、例えビアンカさんが節約を言っても、アメリさんは是が非でも医者に引っ張っていくのではないでしょうか?
アメリさんは頑固であるのに加えて、きっと自分に厳しい人のように思いました。
その辺りが、ビアンカさんとウマが合った理由かも知れません。
また、ビアンカさんにこれまで通り、お金儲けとか考えずに、力を隠すように、注意を促しています。
治癒した傷やビアンカさんの態度から、ビアンカさんの力の特異性をいち早く気付いたのでしょう。
そんな判断能力も魅力に写りました。
最後に、2人とも料理が得意と言うは、「家事をしないといけない環境」で育ったから、つまり、苦労の表れと思いました。
貴族の子女は、料理なんて人任せが普通なんでしょう。
2人のウマが合う一例が、さりげなく織り込まれていると感じました。
作者からの返信
アメリが一般侍臣養成学院に進学してからは、第一作「世界」と重なる部分が多くなり、今作では主人公アメリの視点で話が進んでいきます。「世界」で繰り広げられたビアンカとクロードの物語をちょっと一歩下がったところから眺めてみる、という楽しみもこの作品にはあります。私も前作を懐かしく思い出しながら違う主人公で同じ時、同じ場面を再び書きました。
アメリは相当の意地っ張りです。自分の事を疎かにしがちです。不思議な力で傷を治してくれたビアンカが居て良かったとしか言いようがありません。
アメリもビアンカも、肩書でこそ貴族の令嬢ですがそれぞれ事情により経済感覚も立ち位置も庶民よりです。侍臣養成学院は平民のための教育施設ですから、そこに進学する数少ない貴族の子女は家が経済的に苦しい者ばかりです。それに彼女たちは二人とも宿舎に入っていますから一緒に行動することも多く、仲良くなるのも頷けますね。
ビアンカは男爵家と言えども田舎の子だくさんの素朴な家庭で育ちました。アメリは一時期は平民の住む地区で父親と兄と貧乏生活をしていました。ですから二人とも家事はお手のものですし、地に足のついた堅実な生き方をしています。不思議な力でお金儲けなんてとんでもない、と考えるのが普通でしょう。
前作の「世界」でビアンカの力について養父母が他人の前では使わないようにしろ、と諭すところを書いた時にあるスーパーヒーローの漫画(アニメ化、映画化もされています)の中の台詞を思い出していました。大きな力を持つということによって大きな責任も生じる、といったものです。正にそうなのですね。私の王国シリーズに出てくる魔術師達は生まれながらにして魔術が備わっていますが(クロードだけは少年時代に覚醒)、それだけで人生楽に生きているわけではないのです。むしろ何の力も持たない人々より苦労を重ねています。
「世界」を始め、今のところ公開中の全てのシリーズ作に『魔法』というタグを付けている私ですが、俗に言うチート能力を書きたいのではないのですね。以前ちょっと誤解されたことまでありました。長々と申し訳ありません。亜逢さまがアメリとビアンカの手堅く分別のある面に目を留めて下さったので思わずだらだらと語ってしまいました!
1の時も思ってましたけど、ぶっちゃけ戦争でも起きない限り
クロード<<<<<<ビアンカですよね。能力の重要度って。
作者からの返信
はい、いつか読者の方に突っ込まれるとは思っておりました!鋭いご指摘ありがとうございます!
ビアンカは自分の力を使って診療所みたいなこともしていないようですが。と言うのも彼女が治せるのは軽い怪我と病気だけなのです。この物語が進むと少々記述もあります。
クロードの力は、そうですね遡ること十年ほど前、ビアンカの実家近くで小競り合いが起こった時に役に立ったようです。それ以降、王国も平和な時代に入りクロードは専ら研究職のようなことしかしていないのでした!