10日目4/4

「メイ、貴方の裕司くんへの正しい接し方を伝授してあげる」

 な、何を言ってるんだメアさん!?

 メアさんは、地面に倒れているメイちゃんの近くまで歩み寄る。そして、杖を高々と掲げた。

「やめてぇえええええっ!」

 ぼくは無意識に叫んでいた。

 けれどメアさんは意に介した様子も無く、杖の石突いしづきを突き立てた。


 ドスッ! という音が、鈍く辺りに響いた。


「ああぁあああああぁああああああああッ!!」

 ぼくの感情は整理デきなクなッた。アあメイちゃンがシヌしンデしまうやメてメアさンイまスグメイちャんをタすケてあげテ――。

「がは、っ……。裕司、くん……いたい、よ……」

 ヤめロやメテくれメアサんこレいジョうメイちャンをきズつケるナ。

 そノトきぼクはジめンにタタきツけらレた。いタイ。イたい。

 メアさンチかヅくなナにヲするキだ。やメロいシヅきをカカげるナ。ぼクはシにたクナい。

 ヤめてクれ――。


「ごめんなさい裕司くん。貴方はもう、この夢から目覚めなさい。夢の続きは十五歳になったら見せてあげる」


 ソのコトばとトもニ、ボくは――

 ドスッという音とともに、夢から目覚めた。


     *


「メ……メア、ちゃん……!」

 夢から覚めたぼくは、何もできなかった無力感に自らを焼かれるような感覚を味わった。

「あ、ああ、あぁあああああああああああっ!」

 そしてぼくは、学校すら休む程に、大声を上げて泣いた……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る