10日目2/4

「はあっ!」

「せいっ!」

 一気に距離を詰めるメイ。メアは得意の魔法戦に持ち込めず、接近戦での杖での打撃を強いられる。

「今日こそ退しりぞいて、姉さん!」

「イヤよ、メイ!」

 ギリッと互いの得物が拮抗するが音が響き、互いの距離が一瞬離れる。

 だがメイは瞬時に距離を詰め、剣戟を幾度となく叩き込む。メアは防戦一方の状況だ。

「どうして邪魔するの、姉さん!」

「どうして、って……決まってるじゃない!」

「もったいつけずに答えてよ!」

 いつまで経っても理由を答えず、激情に駆られるメイ。

 メアは斬撃を防ぎながら、明瞭な声で答えた。


よ」


 その答えに一瞬硬直するメイ。

 メアはその隙を逃さず、メイの剣を強引に叩くことで距離を取った。

「どういう……こと? 姉さん……」

 メイは愕然とした様子で、メアに尋ねる。

「言葉通りよ。貴女が寄生すれば裕司くんの未来が無くなる。肉体的にも、精神的にも、ね」

「ふざけないでよ!」

 メイは剣を大上段に構え、メアに突撃した。

 だがメアはメイのがら空きの腹部に石突いしづきを突き立てた。

 それだけでメイは顔を激痛に歪め、地面へと真っ逆さまに落ちていった。

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