9日目Extra
「メイ、貴女……」
「何とでも言いなさい、姉さん……」
私は力の大半を使い尽くし、息も絶え絶えになっている。
「そう……そんなにまで、裕司くんと一緒にいたいの?」
「そうよ、だから……裕司くんを、選んだんだから……」
そう。どうしてかは私でもわからないけれど、どうしても彼が良かった。
だから彼の夢に寄生した。
これだけは、いくら姉さんが邪魔しようとも、屈さない。屈せない。
姉さんは、そんな私を見て、愛想を尽かすんだろうな。
「バカね……貴女と裕司くんを離したいのはあるけれども、だからといって妹を見殺しに出来るほど冷たいつもりじゃないのよ、私は……」
あれ、姉さん……?
どうして、私を……癒すの?
「よっと……ふう、これでいいわね」
姉さんの言葉でハッとする。
私を取り巻いていただるさが、忽然と消えた。
「これはこれ、裕司くんの件は裕司くんの件よ。次会う時は敵だからね、メイ」
「ありがとう、姉さん。わかってるわ」
その言葉を最後に、私達は一度別れた。
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