8日目2/3

「はあっ!」

「せいっ!」

 メイとメアはお互いに、手にした得物を奮って互いを傷つけんと動く。

「いい加減にして、姉さん!」

 メイは剣を横薙ぎに振るい、メアの腕を切り落とそうとする。

「いい加減にするのはそちらではなくて? 『風よ、吹きすさべ』!」

 メアは呪文を唱え、メイとの距離を強引に取る。

「まだまだっ! 『えぐれ』!」

 5メートル程の距離を取った直後、風の呪文を連発。メイにダメージを蓄積させる狙いだ。

 メイは腕で防御するが、全身がフードプロセッサーにかけられたように切り刻まれる。どれも致命傷ではないが、出血でじわじわと体力を持って行かれる――!

(この状況……仕方ないわね、裕司くん。貴方の力、貸してもらうわよ――!)

 メイは呪文が切れた一瞬の隙を突き、呼吸を整える。

「我が身のあるじよ――力を貸し与えたまえ!」

 剣に埋め込まれた赤い宝玉が輝き、光が剣を包み込む。


「風よ、我が翼となれ!(反転攻勢――行くわよ、姉さん!)」


 メイは風の反作用による推力を得ると、メアに向かって突撃した。

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