6日目2/3

「どちら様……ですか?」

 裕司が女性に質問する。


 その直後、操り人形の糸が切れたように倒れ、どうと音を立てて地面に横たわる。


 だが地面に叩きつけられた痛みをものともしないように、裕司はむくりと起き上がった。

 そして、ゆっくりと口を開く。


「久しぶりね、メア姉さん?」

「ええ久しぶりねメイ。その子に寄生したのかしら?」

「そうよ。それよりも、この子……裕司くんを怖がらせるのは、やめてくれないかしら?」


「何を言っているのメイ? この子が怯える原因を作ったのは、貴女が原因ではなくて?」

「……」

 (裕司の意識を乗っ取った)メイは言葉に詰まり、俯いた。

 その様子を見て取ったメアは、たたみかけるように言葉を続ける。

「貴女をこの子から引き剝がすまで、この子を怖がらせるわ。場合によっては……

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