第25話 白昼夢

休日の昼下がり

私は夢を見る

貴方と二人楽しそうに料理を作る

それを後ろから眺める私

あぁ、夢か

夢の中でも気付いてしまう

有り得ない貴方が笑うなんて

笑顔を私に向けるなんて

唇の端を上げて含み笑いはしても

笑顔を見せるほど気を許してない

男同志話してる時は

顔をくしゃくにして笑う癖に


今も私をベットに残し

誰と話をしているの?

電話の相手は本当に仕事?

背中を向けたまま話す貴方

ウトウトと夢の中に入る私


声が近付いてきた?

「あぁ、今日は家に居る

まぁ一緒に居るよ」

私の話をしてる?

誰に話してるの?

私の知ってる人なの?

珍しい、私の存在を話すなんて



「今?眠ってる、そりゃ可愛いさ」

これは夢?私を自慢してる?

ふいに指の感触

私の髪をかきあげる

寝顔を見られてる?

「紹介?しないよ、俺がカッコつけずにコイツの前で笑えたらな」

そう思ってたの?

(お前のくしゃくしゃの笑顔いいと思うけどな)

電話の声が聞こえてくる

「そんな俺を見ても離れて行かなかったら紹介するよ」

ちょっとだけ力なく貴方が話す


バカね知ってるのに

貴方が思ってる以上に私は貴方が好きなのに

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