終章
終章
杉三「帰って来たぜ!このかんざし、うけとったよ。たぶんてんたちが出したものじゃないのか?」
と、赤いかんざしを差し出す。
秀子「ああ、私のだわ!よく拾ってきてくれたわね。ありがとう!」
秀子は、それを受け取って、また髪につけた。
杉三「よう、てんじゃないか!いない間にかなり変わったな。そんな真っ赤な顔して、何をしているんだ。」
てんは、黙ったまま、涙を流した。
杉三「泣いちゃダメ!それじゃあ、困る!」
てん「ごめんなさい、やっぱり帰ってきたのだなと思って。一度、鉄砲水が到来したころは、もうだめかなと頭の中で考えておりました。」
杉三「くしゃみをしたのはそのためね。」
むら「皆さん、たぶん食糧不足で困っているだろうなと思いましたので、イノシシの燻製を持ってまいりました。どうぞ、皆さんで食べてください。」
住民「イノシシの燻製?」
みわ「ええ、意外に食べてみるとおいしかったですよ。」
住民「そうか、俺たちはいつも山菜ばかり食べているからな。」
かぴばら「た、たまにはイノシシの肉もいいもんです。」
住民「確かに山菜より肉のほうがうまいのは確かだぜ。」
むらの部下の者が、背負っていたつづらをおろして、ふたを開けると、大量のイノシシの燻製(いわゆるイノシシベーコン)が、入っていた。
住民「こいつはいいや!」
別の部下が、またつづらをおろすと、今度は真鍮の皿と箸が大量に出てきたので、むらたちは手早くイノシシの燻製を取り分けて皿にのせた。水穂だけがイノシシの燻製を食することができなかった。
日本では、真鍮の箸を使いまわすという行為は、不衛生であるかもしれないが、ここでは当然のように行われる行為であるらしく、食べ終わると、隣の人に箸を軽くふいて渡していた。
それが、個人的な割りばしを持つよりよほど合理的だと、むらたちは言っていた。
むらたちも交えて、橘と桜たちがイノシシの燻製を食べているさなか、杉三は一枚皿をもって、洞窟の中で寝ているてんのもとへ行った。
杉三「ほら、食べろ!」
てん「そこにおいてください。」
てんはどうにかして長座の姿勢に座りなおした。
杉三「いや、手渡しがしたい。」
てん「そうですね。」
と、右手を差し出し、それを受け取った。
杉三「食べないと、何もできないぜ。腹が減ったら何とかというだろう。単に戦闘だけでなく、何にでも言える言葉だぞ。」
てん「ええ、そうですね。」
と、杉三から箸を受け取って、一切れ口にした。
てん「おいしい。」
杉三「だろ?イノシシって特有の臭みがあるそうだが、さすがはイノシシを狩る文化のある種族だよ。ちゃんと臭みの抜き方を知っている。」
てん「ええ、わたくしも、イノシシが重要な食料であるのは知っていましたけど。」
杉三「バビルサの肉って、どんな味かなあ。」
てん「ああ、桜が、かつてよく食していた動物ですか。今のわたくしたちが見るのは、できないでしょうけど。」
杉三「一回食べてみたかったよ。」
てん「そうですね。」
杉三「よし、にこにこしてれば大丈夫!もっと食べろ!」
てん「ええ。」
二人、そろってイノシシの燻製を食べる。
杉三「体調、よくなったらさ、一緒に会議場のほうへ戻ろうな。また、建物作り直してさ。」
てん「ええ。そうですね。」
杉三「やっぱりてんは、笑ってなきゃな。」
てん「杉ちゃんこそ。」
肩を叩いて笑いあう杉三と、てん。
翌日。村のはずれにある刑務所の入り口から出ていく、蘭と懍。
蘭「いやあ、ひどい生活でしたねえ。僕らは歩けないし、刺青をしていたから、助かったようなものだけど、洗脳教育にやられていたら、大変なことになるところだった。」
懍「まあ、突然、故郷に帰るように命令が出たのも、なぜか不自然でしたけど。」
蘭「そんなこと言わないで、帰れるのを喜ばないんですか、教授。」
懍「喜ぶというか、僕たちは、外部の人間なんですから、気にしてはおりません。」
蘭「それより僕らはどこに行ったらいいでしょう。もう、会議場は焼け落ちたと聞いていますし。」
懍「バラックの建設はすすんでいるかもしれませんよ。」
蘭「まあいいや、とりあえず以前僕らが住んでいるほうに行きましょう。」
蘭たちは、住んでいたあたりを目指して、移動し始める。
しばらく森の中の道を移動していく二人。
蘭「お、青い鳥がいます。」
懍「蘭さん、童話の世界と混同してはいけません。あれは尾長です。」
蘭「でも、体が青いですよ。」
懍「確かにそうかもしれないけど、どうもあの鳥の鳴き声は好きではないですな。あの、ぎーがーという声はあまり好きではない。」
しかし、もう一匹の同じ鳥が、隣にやってくると、二匹はちゅるちゅると愛らしいさえずりを始めた。
蘭「違うじゃないですか。ぎーがーではありませんよ。」
懍「でもあれは確かに尾長ですね。」
蘭「そうですか、やっぱり、密閉される空間で生活していると、ああいう鳥が、恋しくなるのかなあ。イカロスみたいにねえ。」
懍「そうかもしれないですね。」
蘭「いいなあ教授は。詳しいから。」
そうこうしているうちに急に開けた土地へ出る。
蘭「あ、あれ、もしかしたらここが会議場のあったところ?」
懍「そのようですね。」
蘭「跡形もなく、灰になっている、、、。爆弾でも落ちたのかな。」
懍「まさか、爆撃ができる道具がそろってはおりません。」
蘭「そうですよね。ここには、何もないんですものね。しかし、会長もすごいなあ、ここまで焼き討ちにするなんて、、、。」
懍「蘭さん、それはむしろ逆ではないかと思いますよ。」
蘭「逆?」
懍「会長が自らここを焼いたのでしょう。その証拠に、灰の中に光っているものがあります。それは、瓶の残骸ですよね。たぶん、部屋中に瓶をばらまいて焼いたのですね。ちなみに琉球硝子は、ごみ焼き場で混ざって捨てられていた瓶を工芸品にしたものですが、なんだかこれも負の遺産と言えるかもしれない。」
蘭「もう少し、行ってみましょうか。」
二人、会議場があったあたりに入ってみる。
蘭「ああ、なんだか、明歴の大火みたいですね。殆どの建物が焼け野原になっている。」
懍「つまり、目時会で、何か内部争いでもあったんでしょう。具体的に戦闘があったかはわからないけど、会長だけではなく、誰かが会議場を焼けうちにした可能性もあります。」
蘭「なるほどねえ。目時もそうなったわけですか。まあ、何かきっかけはあったと思いますが、いずれにしても、政権をとったときが絶頂期で、それ以降は急速に衰えたのかな。それより教授、僕たちどこへ行ったらいいのでしょうか。本当に建物は影も形もない。」
声「さあ、帰ってきたぞ!とにかくね、ぶっ壊れたら直せばいいを忘れないでくださいよ!」
蘭「あれ、あの声は、」
懍「杉三さんです。」
蘭「杉ちゃん!」
懍「そうですよ。」
まさしく、杉三たちが、桜の舞台に手伝ってもらいながら戻ってきたのだった。
蘭「杉ちゃーん!」
杉三「おう、蘭か!帰って来たぜ!」
蘭たちは、急いで杉三たちの下へ近づいていった。
蘭「ああ、よかったよ!無事で!もうだめかとおもった!」
杉三「こっちも大変だったんだよ。でも、こんなたくさんの応援が来てくれて、僕らは無事に勝利することができたんだ!」
蘭「ああ、よかった!それしか言えない。もう感激しすぎで、こういう時はほかの言葉で飾るよりも、こうしたほうがいい!本当に、刑務所で監獄長の側近見たいなことをしていて、
もう、頭がおかしくなるのかと思った!」
杉三「みわさんもそう言ってたよ!女子刑務所にいたころにね。」
蘭「そうか!でも、杉ちゃん、君はひどく痩せたよ!僕らよりもずっと!本当に苦労したなあ!」
杉三「そうだな。まあ、積もる話はあとにしようぜ。それより、ここでまた暮らしていけるように、頑張って復興させなくちゃ。この世界の共通するキーワードは、ぶっ壊れたら直せばいい、だから!」
住民「よっしゃ!使えそうな竹がないか、探してきて、また家を建て直します!」
住民「そうそう。終わりの後は、また新しい始まり!」
住民「また、竹を取れたら、自動的に金も取れるから、日用品も作れるのではないかな。」
確かにそれは蘭たちも知っていた。竹林の近辺では砂金が良く採取されるのだ。
住民「わかった。俺たちの家は一朝一夕にできるものでもないから、まずは俺たちが寝る、穴を作ろう!」
住民たちは、近くにある、大きないわを、つるはしで削ったり、突いたりし始めた。つるはしは、桜が持ってきたものであって、素材は青銅製であった。桜も、同様に鉄は有さなかった。
数時間後。
住民「とりあえず、穴が掘れましたぜ!まず、お体の弱い方々から、お入りいただきますよう。」
てんが、住民に促されてまず初めに穴に入った。杉三も一緒だった。てんは、杉三から離れることを許さなかった。
そのあとに続いて、女性たち、最後にかぴばらを含めて、男性たちが穴に入場した。
住民「よし、俺たちは竹を探しに行こう!やっぱり竹の家が一番いいよなあ!」
住民「ついでに竹の子でも取ってきておくれ!すぐに食べたいから!」
住民「おう。野草でも生えていたら、それと一緒に取ってくるよ!」
男性たちは、竹を探しに、女性たちは食べ物となる野草や木の実などを探しにいってしまった。水穂や、蘭、懍は女性たちと一緒についていった。
てん「かぴばらさんは残ってください。」
かぴばら「ぼ、僕?なんでですか?」
てん「ついでに明美さんも。」
明美は驚いて自分を指さした。
てん「ええ、明美さんもです。」
杉三「僕もいいか?」
てん「勿論です。」
杉三「じゃあ、聞くよ!」
全員、てんの周りに集まる。誰もいない、べらぼうに広い穴の中で、杉三たちの声は、よく響いた。
てんは、正座の姿勢に座りなおすと、全員をじっと見つめた。
てん「わたくしは、これ以上この職務を続けることはもはや不可能だと確信いたしました。ですから、ある程度復興が進んだあたりで生前退位しようと考えております。」
かぴばら「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。後継者があるどころか、成婚すらされていないのに!」
てん「ええ。それもよく存じております。もちろん、近隣のこなごな島の政権制度の模倣はしたくはありません。わたくしたちは、やはり、伝統のある世襲制を維持したほうが良いと思うのです。」
杉三「そうそう。変な選挙制度は、やめたほうがいいからね!あれは、おかしな犯罪の温床にもなるし、住民の意見なんて、ほとんど反映されないからね!」
明美「しかし、後継者不在でありながら、世襲制を維持するとは、どういうことですか。なんだか実現不能な、矛盾した理想郷みたいになってますよ。」
てん「ええ、彼とわたくしの年齢を計算してみたところ、わずか20年しか違っていなかったので。」
杉三「彼って誰だよ。」
明美がかぴばらのほうを見る。
明美「そうですね。確かに、芸養子としてならともかくも、すでに元服したものを、養子として取るのは、難しいですよね。それならばやっぱり。」
かぴばら「も、もしかして、、、。」
杉三「そうだよ!」
かぴばら「そうだよって、ぼ、僕ですか!」
てんは黙って、しかし微笑んで頷いた。
かぴばら「ま、待ってください。ぼ、僕はご覧の通り、吃音の貧乏たれだ。それに政治的手腕なら、明美さんのほうがよっぽど。こ、こんなはなたれ小僧様のような汚い男に、次の将軍職を譲るなんて、ど、どうかしてますよ!」
明美「いいんじゃないですか?僕の年代では、釣り合いがとれません。義理の親子であっても不自然すぎます。兄弟というか、友達みたいになってしまう。それなら、かぴばらさんのほうが、養子として迎えるという形にすれば、さほど不釣り合いも起こらないし、住民の皆さんも納得してくれるのではないでしょうか。」
杉三「うん、確かに明美さんのいうとおりだ。指名できるとしたら、こいつしかない。安禄山が、本当に安禄山になった瞬間だな!」
かぴばら「い、いえ、ぼ、僕が!政治の事なんて何も知りませんよ!」
杉三「いいんだ、新しい父ちゃんがみんな知ってらあ!」
かぴばら「で、でも、ぼ、僕は吃音者です。そ、それでは住民の皆さん、着いてきてくれないでしょうに。」
杉三「いや、大丈夫だ。小便公方とか呼ばれてもちゃんとしていた政治家も日本にはいたぞ。それに、そういう人には、ちゃんと補佐官もつくだろうよ。そうだろ?」
てん「ええ。なっていただきます。
といって、明美を見る。
明美「僕がですか?」
てん「そうですよ。ほかにおりませんでしょう。」
明美「わかりました!がんばって立派に職務を務めます。先代のまつぞう様とぬるはち様の様にはいかないかもしれませんけど、、、。」
杉三「ほら、ご挨拶しろ!これから、新しい時代の幕開けになるんだぜ!」
かぴばら「は、はい!わかりました!こ、こんなはなたれ小僧でよろしければ、何でもやりますよ!」
杉三「一つ言葉が欠けてるぞ。それをちゃんと言ってもらわないと、、、。」
かぴばら「な、なんですか。い、いまちゃんと言いましたよ。」
杉三「だって、目の前にいる人は、君の父ちゃんなんだぜ!」
かぴばら「わ、わかりました!ご、ごめんなさいです。お父様!」
杉三「よくできました!」
かぴばら「よ、よろしくお願いします!」
てん「はい。」
と、新しい将軍の肩を叩いてやった。そして、安心したらしく、大きなため息をついた。
その時、いきなり激しくせき込みだして、また噴水のように血が口から吹き出し、土の上に倒れこんでしまった。
杉三「てん、おい、しっかりせい!まだ復興はこれからだぞ!それまではこの職務についているのは君なんだから!」
と、てんの背を叩いてやるが、出血は止まらなかった。明美が、薬草を取ってくると言って穴を飛び出していった。てんは、真っ白な顔をして、でも穏やかな表情で、新しい将軍をじっと見つめて、一言、
てん「期待していますからね。」
と言い、静かに目を閉じた。
数日後。
住民たちの懸命な復興作業により、人が住めるだけの簡素な家がいくつかと、会議場の代わりになる、大型の建物が建設された。一部の住民では、畑も作り始めた者も出始めた。
慶紀達の笛教室は、住民たちの復興作業における能率を上げるために重要なものになっていた。ひろしは、とも子と夫婦になり、二人は目時会の成立から滅亡までをテーマにした大長編歴史書を執筆して有能な著述家になっていた。とし子は、女性たちに歌を指導する役目を負った。彼女たちは、慶紀たちとともに、復興作業の休憩時間に歌を提供したり、単独での活動もおこなった。淑子、秀子の二人は、軽快な寸劇を披露して、住民たちを笑わせる役目を担っていた。
その日はよく晴れた。こういう大事な儀式が行われるのだから、雨など降らせては最悪である。会議場の中心部で、羽二重の紋付を身に着けたかぴばらは、演説の原稿をもって、とても緊張しているようだ。その顔はとても、はなたれ小僧様には見えなかった。
明美「大丈夫ですからね。練習してきた通りに読み上げれば、きっと住民の皆さんはわかってくださいますよ。」
かぴばらを後継者にするという報道は、あのあとすぐに住民たちに知らされたが、吃音の人間を後継者として指名するなんて、などといった反論は一つも出なかった。むしろ、健康そのものではなく、そっちの方がよいと述べた住民さえいた。
住民たちは、会議場の周りに集まってきた。みな、素材こそ粗末な着物ではあるけれど、麻の葉や、七宝と言った、おめでたい文様を付けていた。その中には、桜族の首領、むらも混じっていた。
みわ「さあ、住民の皆さんが待ってますよ!しっかりと演説してきてくださいね!」
かぴばら「は、はい!」
みわ「詰まったり、発音が不明瞭でも気にしなくていいからね!」
かぴばら「は、はい!」
かぴばらは、原稿をもって、会議場に向かった。
かぴばらが、会議場の中庭に現れて、縁台の上に上ると、住民たちが嵐のような拍手をした。
かぴばら「み、みなさんこんにちは!」
住民の目が彼に釘付けになった。
かぴばら「こ、この度、だ、だい十一代都督の称を継承いたしました、かぴばらです。み、みなさん、どうぞよろしくお願いします!」
住民たちが拍手をした。
かぴばら「ぼ、僕がこの称を継承して、一番力を入れていきたいのは、なんといっても、平穏な毎日を、一番の幸せと思えるような村をつくっていきたいと思うのです!そ、それが、できることこそ、この国が強くなったという事ではないかと、先代が、いつもおっしゃっておりました。お、思えば、先代が統治していたころは、僕たちは、あまりにも便利な生活に心を奪われてしまい、一瞬、僕たちが全滅してしまいそうなところまで行ったこともありました。そ、それに、そこに付け込んで、悪事をしようとしでかした集団もおりました。そ、その侵入を阻止するためには、やはり、毎日こそ一番の幸せだと、いかに感じられるかにかかってくるのではないかと思うのです!な、何もないと言いますのは、実は素晴らしいもので、たくさんの可能性をはらんでおり、空っぽと言いますのは、これから新しいものを取り入れていくための原点になることができます!だ、だから、この言葉をいつまでも胸にしまって、皆さんが、毎日をまた楽しめるような政治をしたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いします!これを、就任にあたっての誓いの言葉とさせていただきます!」
住民たちから割れんばかりの大拍手がおこった。
かぴばら「さ、最後に、この場であれば、就任の句を詠まなければならないのですが、ぼ、僕はご存知の通り吃音者です!で、ですから、句を詠むことはできません。き、きっと字余りだらけになってしまう。そ、それではいけないですから、代わりに笛を吹かせていただきます。み、皆さんも知っている曲だと思います!ご、ご存知の方は口ずさんでみて下さい!」
そういって、かぴばらは帯の間から笛を取り出すと、前奏を吹き始めた。住民たちもこれがなんの曲であるのか、すぐにわかったらしい。声高らかに歌い始めた。
住民「天地の、別れしことも
川の水、流れしことも
松の木々、植えられしことも
人間の、なすことにあらず
われらただ、田畑を打ちて
布を取り、家々を建て
ものつくり、物を食して
今ここに、生きていること
奇跡なり、心に誓ひて
生きること、これより大き、喜びはなし。」
かぴばらの間奏のあと、反歌が歌われた。
住民「大きなる、事業有れども、いとかいなけり
小さきことぞ、幸せなるべし!」
かぴばら「あ、ありがとうございました。お、お分かりになりました通り、政治をするのは僕たちですが、主役は皆さんであると言いますことを忘れないでください!」
住民に向かって、最敬礼をすると、さらに大拍手がかぴばらに向けられた。
不意に杉三の鼻の上に、桜の花びらが乗った。杉三は、それを右手で払いのけ、思わず頭上を見た。
杉三「てん、かぴばらは、きっと腕のいい大都督になるぜ!」
杉三たちの意識はだんだん薄れていった。
杉三「バイバイ!松!」
目が開いたときは、もう日本にいた。
終わり。
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