第13話 ななしの嫁
昨日、和やかに食事を囲んだ食卓で。
「で、どういうことなのユキヒト? その美人さんは何? 嫁さん? ならよくやった。あのティン〇ーベルもどきは何? 私おかしくなった? なら残念。ていうか、あんたなんで生きてんの? しかも若返ってない? そのアンチエイジングお母さんにも教えてください」
俺達は母に尋問を受けていた。
何と言っていいやら俺が考えていると、ツンデレ美少女が口を開き、母の名を呼ぶ。
「あ、あのですね、ユキエさん」
だが。
「ちょっと、待って」
母は美少女にキッとキツイ目線をぶつけると、彼女に「ひっ」と悲鳴をこぼさせて黙らせた。
「美少女ちゃん、貴方は私のことを『お義母さん』と呼びなさい」
「え、えぇ……」
「ていうか、まず自己紹介が先じゃないかしら? 私、そっちのティン〇ーベルの子も、この(義理の)娘さんの名前も知らないんだけど?」
本来の調子を取り戻して来たのか、それとも思考回路が壊れたまま話を進めているのか。
だが、母の言い分ももっともである。
と、思い。
「それじゃあ――」
彼女達のことを紹介しようとしたのだが。
「……そういえば、二人って名前は?」
俺自身、まだ彼女達の名前を知らなかったことに驚いた。
そして。
「はぁ? 何言ってんのよ。名前なんてある訳ないじゃないっ」
名前を尋ねたことを怒られた。
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