第3話 容姿:不変……出現率0.64%

「で、俺の容姿なんだけど……『不変』がSSRって納得できないんだが?」


 紙切れに書かれた『不変』の二文字を指差して言うと、美少女と妖精も「確かに」と頷いた。


「同じSSRだと他に『ガラスの貴公子』『不死の美貌』『ハードマッド軍曹』とかいろいろあるみたいです、マスター」

「……なんかアバターのフェイスパーツみたいだな」

「実際そうなのかもしれません。参考画像が添付されていないので、なんとも言えませんけど……」


 複雑な心境で妖精の説明を聞いていると――。


「ってことはよっ!」


 と、急にツンデレ美少女が声を荒げた。


「あたし、あとほんの少し確率があれしてれば、イケメン男子と結婚できたってこと!?」

「えっと……そうですね、SSRの排出率は4%。その中で各アイテムを引く確率は0.64%らしいので……何かがわずかに違えば、そうなっていたのかも」


 妖精の返答を聞くと、美少女は「なによそれぇ」とがっくりとその場にうなだれた。

 そこまで落ち込まれると、現状維持の俺としてはなんとも男のプライドというものが傷つくのだが……。


 と、そんな内心が顔に出ていたのか。


「だ、大丈夫ですよ!」


 妖精は俺と美少女へ交互に顔を向けながらあせあせと口を開いた。


「ほら見てください! 容姿アイテムのブサイク一覧! なんと排出率50%! 最悪この『オークヘッド』『スケルトンアレンジ』とかにグレードダウンの可能性もあったんですよ!」


 直後、彼女はつま楊枝の先程の親指を立て――。


「現状維持、さいっこうですっ!」


 そう素晴らしい笑顔を披露した。

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