第18話過呼吸

ある日玄関のチャイムが鳴った。出ると家賃の督促だった。「お父さんいる?少しずつでも返してくれないとこまるんだよね?お父さんいつ帰ってくるの?」

たったそれだけのことだけど、心臓が飛び出るかと思うくらい暫くバクバクした。嫌な汗もかいた。もう二度と対応するのは嫌だと思った。

同じ日の話。

食費は私がもらっていた。そこから五百円玉貯金をしていた。みんなの見える場所に。透明の貯金箱で。お金にだらしのない2人の男がいる家なのに。その日貯金箱をふと見ると明らかにお金が減っていた。そんなものを持って行くのは父か彼氏しかいない。問い詰めた。なんと、2人で「少しくらいならバレないだろう」と少しずつ使っていたらしい。二倍の勢いでなくなったのであっさりバレた。私は怒鳴った。「人のお金盗るな!ってかお金ないならギャンブルやめろ!!」そんなことを言ったと思う。その後、息が出来なくなった。身体が重くなり、筋肉が硬直してしまったようになった。手足を動かすどころか顔の筋肉も動かせない。何よりも苦しい。何これ?どうなるの?私このまま死ぬの?息がまともに出来ない。「キュー子!キュー子!大丈夫か???キュー子!」と父と彼が慌ててるのは分かる。でも口が固まって答えることも出来ない。ビックリした父は救急車を呼んでいた。ここから過呼吸とは長い付き合いになる。

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