第16話母のしつけ?
母は、小学生の頃に私が風邪を引くと体にいい食べ物を作ってくれたり、買って来たりして看病してくれていた。
休みの日には家族で旅行にも沢山行ったり、デパートに行って、好きなキャラクターの物など買ってくれたりして嬉しかった。
でも、母は悪魔に変わる時があった。
小学校低学年の頃、母は門限に厳しかった。
1分でも、時間が過ぎると怒鳴って叱ったり、叩かれたり、ベランダに出されたりした。
その日も、17時のチャイム音がなってすぐに私は家に帰る。
けど、17時過ぎてしまったみたいで、またベランダに出された。
そして、その日はいつもと違った。
窓を開けてくれたから、もう大丈夫だと思ったら、今度は玄関の外に出された。
いつ開けてくれるのか、たまにドアをガチャガチャしながら、私はジッと待っていた。
何時間過ぎたのだろう?
もう皆、寝てるのかな?
ガチャガチャ!
玄関のドアは閉まったままだ。
うーん。どうしよう。
あっ!秘密基地に行って寝よう。
私は家から離れて秘密基地で寝る事にした。
目を閉じて寝ようとしたが、眠れなかった。
寂しい…。
そうだ。
公園に行こう!
公園に行けば、ホームレスのおじさん達がいて寂しくない。
私はよく、その公園に行って1人で遊んだり、駄菓子屋でお菓子を買って皆に配ったり、ホームレスのおじさんと遊んでもらったりしていたのだ。
走って公園に向かった。
皆いる!
私は、ベンチに座ってそこで寝る事にした。
そしたら、よく遊んでくれるホームレスのおじさんが来て、ダンボールを貸してくれた。
おじさんは自分のテントで「寝ていいよ。」と言ってくれたが、
私は「ここでいいの!」と言って、ダンボールを下に引いて、眠りについた。
目が覚めたら、朝になっていた。
ベンチでボーっとしている私に、おじさんがサッカーボールを持ってきた。
そして一緒に遊んだ。
お腹空いた…。
家に帰ってみよう。
私はドキドキしながら玄関のドアを開けた。
ガチャ!
鍵は開いていたけど、誰もいない。
私は部屋に入って、ただ服に着替えただけで、何も食べずに家を出た。
そして公園に戻って、1人で遊んでいた。
んっ!
なんかいい匂いがする。
(そこではたまに炊き出しをしていたのだ。)
幼い私は良く分からずに、何か配ってると思い並んだ。
豚汁をもらって食べた!
お腹も空いてたから、凄く美味しく感じた。
食べ終わった私は、また1人で遊んでいた。
夕方くらいになったら、知らない女の人が私に「お家に帰ろう。」と言ってきた。
私は「うん。」と言って、一緒に家まで帰ることにした。
女の人は玄関の前で、「大丈夫?」
と聞いてきたが、私は「大丈夫だよ。」と応えて家の中に入った。
母は何もなかったかのように、夕飯の準備をしていた。
そして何も聞かれなかった。
その後、知らない女の人は1度だけ、家に来た。
ピンポーン!
インターホンがなる。
母にここから動かないでと私に言った。
玄関を開ける音がしたので、覗いたら女の人がそこにいた。
女の人が手で呼んでいる。
行こうとしたら、バタンッ!
玄関のドアを閉められてしまった。
その人が誰だったのか分からないけど、幼い私でも、女の人は助けに来てくれたんだと思った。
そう、幼い頃から私は、恐怖感と死にたい気持ち、家にいたくない気持ちの中にいたから…。
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