第11話部活④
中学3年生になった。
私は何のためにバレーボールをやってるのか分からなくなっていた。
でも、もうすぐで最後の大会があるし、チームの皆が部活を辞めるって言った時に、「あと、もう少しだから最後までやろう。」と言ったのも私だ。
それで、途中で投げ出したりなんか出来ない。
だけど、練習中も集中できないし、ぼーっとしてしまう。
違う事ばかり考える。
ボールが怖いと思うようにもなった。
そして、すぐに最後の大会の日が来た。
これでもう、このチームで出来るのは最後かも知れない。
私、最低だ。自分の事でいっぱいになってた。
周りが全然見えていなかった。
頑張らなきゃ!
私は大会の試合中に自分の感覚を確かめながら挑んでしまっていた。
フルセットまでいっても負けてしまう。
負けるのは悔しいし、何より嫌だ!
そして、試合の間にお弁当を食べる事になった。
お弁当…。
何だかお弁当の中身が気になって、チームの皆がいない場所で、こっそり開けた。
パカッ。
真っ白いご飯だけが入っていた。
えっ!
過去の記憶が少し戻ってきた。
私、お母さんに…。
すぐにゴミ箱の中に捨てて走って皆の場所に戻った。
姉のお弁当の中身が気になったからだ。
確認しようとしたら、小学校で一緒にやっていたキャプテンが来た。
「私の食べる?」
私は、「もう食べたから、大丈夫。」
嘘をついた。
それより姉のお弁当の中身がみたい!
誰かが呼びにきた。
「もうすぐ試合だよ。」
結局見えなかったけど、皆とお弁当食べてるって事は…。
私はトイレに行った。
興奮したのか、鼻血が出てきた。
試合が始まってしまっていたが、私は鼻血が止まるのを待ってから向かった。
母は私の事が嫌いなんだと思ったら、何だかスッキリした。
試合に集中しなきゃ!
コートに戻った私は、感覚も取り戻して動けるようになっていた。
次の試合で本当に最後だ。
今までの練習や試合、教えて貰った事を全て出し切りたい。
結果は負けてしまった。
悔しい。
でも、私は全て出し切ったし、悔いはなかった。
ただ、チームの皆に迷惑をかけてしまっていた事をずっと引きずってしまう。
皆に「ごめんね。」も言えなかった。
でも、顧問の先生が最後に「良かったよ。」と言ってくれたことが嬉しかったし、ホッとした。
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