第10話部活③

たまにサボる事はあったが、部活にはちゃんと行っていた。


ある日、練習試合で高校生とやる事になった。


嬉しい!ワクワクだった。


練習試合は高校1年生のチームとだったが、接戦の中で勝つことが出来た。


そのあとだった。

バンッ!

さっき、練習試合で戦った高校生の相手チームの子が叩かれている。



えっ!

私が、さっき空いてる所に狙ってボールを落としたからいけないの?

何で??


ストンッ!

体の力が抜けて崩れ落ちた…。

私が悪いんだ。

私が…。


その時、別の中学校に通ってる小学校で一緒にやっていたキャプテンが来てくれた。


「大丈夫?見なくていいよ。」


少し安心したし、私は見ないようにして心を落ち着かせた。



しばらくしたら、普通に戻った。



練習試合は終わって、最後に高校の顧問の先生の所に挨拶しに行った。


「2人、うちの学校に来なよ。」

副キャプテンと私の方を見て、笑顔で言ってくれた。



信じられないくらいに嬉しかった。

私より、上手い子はいっぱいいるのにと不思議に思いながらも…。



でも、そんなに嬉しかった事も、私はすぐに忘れてしまっていた。



練習中にBちゃんが、顧問の先生に

「もっと厳しくして欲しいんだって。」

「ねぇー。」と私に向かって言った。


「そうなの?」顧問の先生は言う。


「うーん…。」私はカスれたような小さな声を出した。

何か違う。

厳しくと言うか、もっと上手くなりたい気持ちはあるけど…。



でも、顧問の先生の目つきが変わった。

練習がキツイとかじゃなくて、怖いと感じるようになった。



ただ、恐怖心が出てきただけで、

私は、こんな練習を望んでないよ。

辞めたいと初めて思った。



何処にも居場所がなくなった私は、どこか遠くに飛んで行ってしまいたい。

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