第9話部活②

そして先輩達がいなくなってからも、自分達の新人戦に向けて練習は続いた。


嫌がらせも続いていた。

サーブ練習の時は私を狙って、皆で一緒に打って当ててくる。

サーブを打ちたくてもわざと打たせないように邪魔をする。


ドン!ぶつかってきた。

「どいて!!」


色々、陰湿な嫌がらせ…

私、いない方がいいのかな?


でも勉強も出来ないし、バレーボール以外やりたい事が見つからない。

今日、あった事はなかった事にしよう。

いつも、嫌な事があるとそう考えるようにしていた。


なるべく周りを見ないように、気にしないように練習した。

バレーボールはチームプレイなんだけど…。



夏休みになり小学校の時の先生が来てくれた。

色々、話たい。


私は、走って先生の所に向かう。

ストン!

あれ?

体の力が抜けて動けない…。

何で?


「私は今、家にも学校にも居場所がないの!

助けて…。」そう伝えたいのに体が動かないよ。


先生はこっちに話掛けにくるわけでもなく、ゆっくりと車に向かって帰って行く。

先生の後姿しか見えないが、泣いているのは分かる。


何も言わず帰るの?

私、どうして動けないの?

何で泣いてるの?

私、どうして喋れないの?

苦しい!!


先生は車に乗って帰ってしまった。


助けて…。心の中でしか叫べない。



その後は、私は何もなかったかのように普通に過ごした。



そんな中、夏休みも終わり、新人戦では優勝する事ができた。

嬉しかったけど、皆ではしゃいで喜ぶ事もなく終わった。


もっと練習したい。

上手くなりたい。

そんな気持ちはまだ私の中にはあった。


ただ、冬になりだんだんと部員の人数も減って来た。

練習に来ない子も増えてた。


少しづつ、私の中でもモチベーションが下がって来てしまった。



家にいたくない。もう居場所がない。



顧問の先生に聞いた。

「小学校のバレーの先生は?」

「もういないよ。」


えっ!何で?

「何処に行ったの?」

「遠い場所に行っちゃった。」


…。

そんな…。

頼れる人がいなくなった。

私はもう1人ぼっちなの?

何で?


私は何か糸が切れたように、荒れた態度、生活をするようになった。




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