第6話引っ越したのかよ

それでも引っ越してくれて助かった

2度とあの部屋には入りたくなかった

あんな女の顔したお前は誰にも見せたくない

前からそれほど酒は好きじゃなかったはず

それでもあの時は飲んでたよな

あれだけ飲めるって事は外で飲んでんだな

俺以外に見せるな、俺以外と飲むな

あれ以来毎週金曜に呼び出して酒を飲ます

飲まれるほど飲ましたら部屋に入らんきゃならなくなる

程々に飲ませ部屋の前まで送る

お前は平日休みだから翌の土曜も仕事で

飲まれるほど飲もうとしない

それが俺にもちょうどいい

俺はお前を送った後、飲みなおして近くにいる女と過ごす

それもそろそろ飽きてきた

どんな女もお前じゃない

そんな時に来たメール

部屋で飲む?誰とだよ?

誰にお前の酔った姿を見せるんだ?

一人だとして誰が介抱するんだ?

メールの返事も来やしない

電話に出る気もないらしい

俺に来いって事か

行ったら何もしない自信はないぞ?

それでもいいんだよな?


これ見よがしなキングサイズのベット

お前は誰かとここに住む気だったのか?

振られたのかよ、ヤケ酒なのか?

付き合ってやるよ朝まででも

抱きしめて寝てやるよお前の気が済むまで



それから毎週金曜は外で一緒に飲んで

毎週水曜はお前の部屋で飯を食べ

朝まで抱き合って眠る

会社にも近いし、お前の飯は旨いし

もういっそここに住みたいよ

土曜と日曜の朝は俺が飯作ってやるよ

なんなら夜も作ってやるよ

もうお前にキスすらしなくていいよ

ずっと隣に居てくれるなら

お前が泣いたりしないなら


なぁ俺を隣においてくれ

ずっと守ってやるから

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る