第一部から通しで読めるところまで読んだが、工夫の凝らされた物語で楽しく読むことができた。
まずファンタジーロボット物としてありがちな設定に収まることなく、ビルモアと言うアイテムを起点にした設定で分かりやすく読むことが出来た。
また、長々と続きわかりにくくなりやすい戦争や陰謀などの戦記も、非常に分かりやすくとっつきやすく描写されていて、かと言って一人称に囚われすぎて軽くなったりもせず、起承転結のバランスも良く書かれていた。
もっと言うと、主人公全肯定のチョロイン揃い踏みのハーレム物はとても苦手だったのだが、この作品はヒロインがチョロインでも主人公が他者の好意を理解した上で超特殊性癖な変態であり、その事も自覚した上で恋愛に発展しないので見ていて清々しいハーレムだった。何気にその点に対して一番評価点を注ぎたい。
異世界転移に対する設定も娯楽小説の域を出ないままに説得力を持たせてあり、いちいち曖昧なロジックに対して不満を抱いてしまうタイプの読者も満足出来るのでは無いかと思う。これ以上のリアリティを求めるのであればノンフィクションを読めばいい。SFファンタジーのライトノベルとしては素晴らしい纏まりだと思う。
読みやすく、説得力があり、基本設定も光るものがあるこの作品は、趣味の範囲で物語を書いてる自分も見習いたい素晴らしい作品でした。書籍化しているのも納得の逸品です。
カクヨムにおいて人気を誇る異世界ロボット小説『魔生機甲レムロイド』が帰って来た!
もちろん主人公はあの『ロボット変態』の世代君。前作から成長はされたようだが、ロボに対する愛は変わっておらず。さらに戦術も幾分かアップしているようで、さらに手を付けられない変態と化す事に(風評被害)。
なお前作は異世界ファンタジーとしての趣がありましたが、今回は現実世界を交えたSF要素がピックアップされています。前作では明かされなかった数々の秘密があって、前作と合わせて読むとさらに楽しめるかと。
レムロイド好きな方には、ぜひとも突撃をしたい所!!