004 クリエイターツール
「とりあえず、これについて教えて欲しいんだけど」
夢の中でまで人見知りを発揮した私に呆れもせず、イサナは謎のキューブについて説明してくれた。
「クリエイターツールは、マイスターミコトの異能である〔
「フェアリィと言うにはちょっと大きめなのは『生活補助』の都合かぁ。そのサイズなら怪力設定で普通に家事こなせるもんね」
「はい」
そこで「なるほど」と納得してしまえるあたり、いい大人として駄目駄目である。
怠惰な本性をまったく隠せていない。
「そもそも『私の異能』って?」
「〔
「たとえば、よくわからない物質でできた、ふわふわ浮いちゃうデバイスとか、背中に翅が生えてる妖精さんとか?」
「はい。ただし、〔
そこで、イサナはこてん、と首を傾げた。
「マイスターミコトは覚えていらっしゃらないのですか?」
「うん」
どういう反応が返ってくるか気になって、気がつくと目の前にキューブが浮いていたのだと、私が認識している「現状」を説明してやると。私の「お手伝い全般」がお仕事だというイサナは少し考え込むような素振りを見せてから、明晰夢補正込みでそれなりに納得のいく推理を披露してくれた。
「マイスターミコトはクリエイターツールの
「なるほど」
なんとなくありえそうだと思えた時点で、それ以上深く考えるのはやめにした。
なんといっても、これは夢。イサナの言葉がどれほど理に適っているよう思えても、目が覚めてから冷静に考えてみたらそうでもなかったりするし、そもそも覚えていられるかどうかも怪しいのだから。
夢は夢として楽しまなければ、損だ。
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